| クルマを買うタイミングはいつがいい? |
クルマを買う時期というかタイミングについて、ぼくはいくつかの持論を持っています。
ひとつは「そのクルマが出たばかりに買う」というもので、もうひとつは「場合によってはデモカー落ちを狙う」。
最初の「出たばかりに買う」というものですが、ニューモデルを発売と同時に(もしくは発売前からでも)注文する、というもの。
ただ、これは”早く乗りたい”というわけではなく、リセールを考えてのこと。
1.新型車をまっさきに買う
どういうことか説明すると、クルマというのは発売初年度はあまり生産台数が多くないのが常。
これは生産現場の習熟度が主な理由で、「その製品を作り慣れていないから」生産スピードが遅い、ということになります。
そして生産スピードが遅いということは市場に出回る数が少ないということになり、となると中古市場も比較的高値で推移するので売却には有利(出たばかりのクルマは需要が高いということもある)。
売却時の価格は、一般に業者間のオークション価格が基準となりますが、ニューモデルの場合はオークションで「低い値段」がつきにくく、従って相場も高値推移。
ぼくが発表と同時、もしくは発表前から注文を入れて購入したクルマはミニクーパーS(R56)、ポルシェ911カレラ(997)、レンジローバー・イヴォーク、ランボルギーニ・ウラカンなどがありますが、たとえばレンジローバー・イヴォークは納車が日本でももっとも早い部類で、売却したのはその7か月後。
その時期だとまだ新車ですら「納車待ち」で、よって早く乗りたい人が高いお金を払って中古車を購入していたために中古相場が非常に高く、売却時には新車の車両本体価格と同じ額で売却できています。
これは極端な例ではあるものの、ミニクーパーSにしても発表と同時に納車され、その一年後に下取りに出そうと価格を調べた際も「新車価格と同等」で売れるということが判明していて、「発表されたばかりのクルマを購入し、1年以内に売ってしまえばほぼ損は出ない」という状況があるわけですね。
上述のように売却価格は「オークション相場」によりますが、発表から1年位だとオークションに出てくるタマ数も少なく、極端に安い価格で取引されることがなく、そのために新しい車の売却価格は比較的高い、ということに。
これが崩れるのは2年目、そして3年目。
2年目になると供給が需要に追いついてしまうためで、たとえばアウディTTは2年目で大きく買取相場が下がるクルマ(一定の人しか購入しないクーペにこれは多い)。
3年目はもちろん「車検」「多くのメーカーで保証が切れる」タイミングとなり、このときもオークションにドバっと数が出てきます。
そして数が出ると当然落札価格も下がるので、それにつられて売却価格が下がることに。
こういった現象は価格帯やクルマの性質、ボディ形状によって異なるものの、ぼくが好むクルマは「需要が少ない」類のクルマばかりで、需要が一巡する前に購入し、売ってしまうのがもっともスマートな方法ではないかと考えています。
そして最近だと多くのクルマのフェイスリフト(マイナーチェンジ)は3-4年で、そのまた3-4年後にモデルチェンジ。
最初の世代をAとして、フェイスリフトモデルをBとし、フルモデルチェンジ版をC、そのフェイスリフト版をDとした場合、たとえばAを購入し、BやCの時点ではあまり価格が下がらなくても、Dの時点でガクンと価格が下がることがあります(987ボクスターはその例の一つ)。
これも同じ理論で、フルモデルチェンジ直後はまだ「行き渡らず、かつ売り物も少ない」ものの、ちょっと時間が経ってフルモデルチェンジ後モデルの売り物が増えてくれば、その前の世代で、かつフェイスリフト前モデルが急激に色あせてくるのかもしれません。
そういったこともありぼくは「古くなる前に」売れるよう、発売されてすぐの新型車を購入するようにしています。
なお、輸入車はモデル末期のほうが不具合が潰されていていいという意見もありますが、ぼくはこれには同意できず、というのも最近のクルマは不具合はほとんどなく、あったとしても保証で解決できるわけですね。
そしてお金のないメーカーであれば「モデル末期までトラブルが改善しない」ケースもあり、そうなると売るときに安いわトラブルが出るわで踏んだり蹴ったりになるので、ぼくはモデル末期のクルマだけは買うまい、と考えています。
2.デモカー落ちを狙う
こちらの「デモカー落ち」ですが、これもときどき使う方法で、これまでだとフォルクスワーゲン・シロッコ、アウディTT(8J)、ポルシェ・ボクスターS(981)がこの方法で購入。
この目的について、「新車だとあまりに高いが、中古になると安く買えるであろう」と踏んだ時。
フォルクスワーゲン・シロッコは新車だと異常に高い価格設定で「一体誰が買うんだ」というものでしたが、一年経ってデモカーが出てくる頃には割安に。
上で記載した理論と矛盾するようですが、「新車の価格設定が、同スペックのクルマと比較してかなり高い場合」はこういった現象が発生し、シロッコの場合は「ゴルフとの比較」によってゴルフ同等の相場に落ち着いたということになります(中古車は新車価格とは関係なく、需要と供給だけで決定される)。
アウディTTも同様で、ほかのアウディに比べると「割高」かつ一部の人しか買わないようなクルマなので「適正価格」に落ち着きやすい車種だと言えます。
その意味では、「1.新型車をまっさきに買う」の理論が当てはまるケースとしては、”比較対象が無いクルマ”という但し書きをつけたほうがいいのかもしれません。
なお、デモカー落ちを購入する副次的メリットとして、「オプションがたくさんついている」というものも。
中古相場に「オプション価格」はあまり反映されないケースが多く、つまりオプションがたくさんついていてもそうでなくとも販売価格にさほど差がない(中古の場合は走行距離やボディカラーのほうが価格形成要因として大きい)という実情があり、であればオプションてんこ盛りのデモカー(試乗車は、それをより魅力的に見せるようにオプションがたくさんついている)のほうがお買い得、というわけですね。