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ポルシェ718ケイマン/ボクスターに”発煙の恐れ”として改善対策。「リコール」「サービスキャンペーン」とどう違うの?

2018/10/18

| ポルシェ718ケイマンは718ボクスターに比べて1.5倍の販売だった |

ポルシェが718ケイマン/ボクスターに「改善対策」を公表。
改善対策とはリコールの「ちょっと手前」というイメージで、これに似たものとしては「サービスキャンペーン」というものもあります。
国土交通省のサイトでは、「リコール」「改善対策」「サービスキャンペーン」につき、それぞれ下記のように定義していますが、それぞれ重要度や意味合いが異なる、ということですね。

リコール
リコールとは、同一の型式で一定範囲の自動車等又はタイヤ、チャイルドシートについて、道路運送車両の保安基準に適合していない又は適合しなくなるおそれがある状態で、その原因が設計又は製作過程にあると認められるときに、自動車メーカー等が、保安基準に適合させるために必要な改善措置を行うことをいいます。

改善対策
改善対策とは、リコール届出と異なり、道路運送車両の保安基準に規定はされていないが、不具合が発生した場合に安全の確保及び環境の保全上看過できない状態であって、かつ、その原因が設計又は製作過程にあると認められるときに、自動車メーカー等が、必要な改善措置を行うことをいいます。

サービスキャンペーン
サービスキャンペーンとは、リコール届出や改善対策届出に該当しないような不具合で、商品性・品質の改善措置を行うことをいいます。

最悪の場合は「発煙」のおそれ

今回ポルシェが公開した「改善対策」については下記の通り。
簡単に言うと、718ケイマン/ボクスターの横についている給気口から煙草の吸殻など火気を含むものを吸い込むと、その中に溜まっている異物があれば、それに着火するかもしれない、ということですね。

なお、本件に起因する問題、事故はともにゼロ。
本社からの指示に従い改善対策を施すとされ、あくまでも「実害はなかったが、未然に問題を防ぐ」ための措置だと言えそうです。

不具合状態にあると認める構造、装置又は性能の状況及びその原因:エアインテークの空気吸入口に保護ネット等の装備がないため、走行中に運転者席等からタバコ等を投げ捨てた場合、リヤホイール前部にあるエアインテークに吸い込まれ、エアインテーク内部に蓄積された枯葉等の異物が発煙するおそれがある。

改善対策の内容:全車両、エアインテーク部を清掃し、保護グリルを取り付ける。

対象となる車両一覧はこちら

なお、対象となる車両は下記の通りですが、同じボクスターでも形式が年度によって二種類あること、末尾の数字が「2」になると「SもしくはGTS」になること、そして(おそらく対象は販売した全てなので)ケイマンのほうがボクスターの1.5倍の販売台数があることがわかります。

 

718ボクスター/ボクスターS/ボクスターGTS(1008台)

形式:ABA-982H1(718ボクスター)
車台番号:WP0ZZZ98ZHS210120~WP0ZZZ98ZHS215437
輸入期間:平成 28 年 4 月 21 日~平成 29 年 8 月 6 日
対象台数:561台

形式:ABA-982H2(718ボクスターS)
車台番号:WP0ZZZ98ZHS230109~WP0ZZZ98ZHS233671
輸入期間:平成 28 年 4 月 5 日~平成 29 年 8 月 21 日
対象台数:178台

形式:ABA-982J1(718ボクスター)
車台番号:WP0ZZZ98ZJS200063~WP0ZZZ98ZJS203211
輸入期間:平成 29 年 8 月 6 日~平成 30 年 7 月 11 日
対象台数:177台

形式:ABA-982J2(718ボクスターS)
車台番号:WP0ZZZ98ZJS220075~WP0ZZZ98ZJS222146
輸入期間:平成 29 年 8 月 6 日~平成 30 年 7 月 11 日
対象台数:46台

形式:ABA-982J2(718ボクスターGTS)
車台番号:WP0ZZZ98ZJS220901~WP0ZZZ98ZJS222265
輸入期間:平成 30 年 3 月 28 日~平成 30 年 7 月 11 日
対象台数:46台

 

718ケイマン/ケイマンS/ケイマンGTS(1593台)

形式:ABA-982H1(718ケイマン)
車台番号:WP0ZZZ98ZHS260084~WP0ZZZ98ZHS261892
輸入期間:平成 28 年 6 月 23 日~平成 29 年 8 月 6 日
対象台数:336台

形式:ABA-982H2(718ケイマンS)
車台番号:WP0ZZZ98ZHS280092~WP0ZZZ98ZHS281610
輸入期間:平成 28 年 7 月 19 日~平成 29 年 8 月 6 日
対象台数:143台

形式:ABA-982J1(718ケイマン)
車台番号:WP0ZZZ98ZJS250065~WP0ZZZ98ZJS250578
輸入期間:平成 29 年 8 月 6 日~平成 30 年 7 月 11 日
対象台数:854台

形式:ABA-982J2(718ケイマンS)
車台番号:WP0ZZZ98ZJS270071~WP0ZZZ98ZJK271970
輸入期間:平成 29 年 8 月 6 日~平成 30 年 7 月 11 日
対象台数:220台

形式:ABA-982J2(718ケイマンGTS)
車台番号:WP0ZZZ98ZJS270280~WP0ZZZ98ZJK271919
輸入期間:平成 30 年 4 月 26 日~平成 30 年 7 月 11 日
対象台数:40台

なお、ボクスター/ケイマンについては発売当初からこの位置にエアインテーク(987世代までは右側が排出)があるのですが、今回こういった改善対策が施されるのはちょっと意外で「ポルシェらしくない」と考えています。
つまりこれまでの(20年以上の)ノウハウが蓄積されていたはずで、予め予見できた問題ではないかということですが、とりあえず問題が起きていないのは何より。

ちなみに初代ボクスターにおいて、フロントの排水口に「枯れ葉」が溜まり排水できなくなってフロントコンパートメント内に水が溜まり、そこへ収まっているバッテリーがオシャカになるということでリコールが出たようにも記憶していますが、やはりクルマというのは実際に発売し、色々な環境で色々なユーザーが使用し、そこで「はじめて」わかることも多い、ということなのでしょうね。

VIA:国土交通省

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