| 一方トヨタは405台がリコール対象 |
今回は比較的リコールの届け出が珍しい、トヨタ、日産そしてボルボが国土交通省へとリコールを登録。
トヨタは「ヘッドライト」、日産は「ブレーキ」、ボルボは「冷却水系」とエンジンコントロール」。
ここでその内容を見てみましょう。
トヨタにしては珍しい「ヘッドライト」の不具合
今回トヨタが届け出たのは「クラウンのヘッドライト」。
トヨタは極めてリコールの少ない自動車メーカーですが、その理由としては自社のみならず、サプライヤーに対しても品質管理を徹底しているため。
しかしながら今回はトヨタの威信をかけたクラウン、しかもヘッドライトという安全性に大きく関わる部分でのリコールです。
内容としては下記の通り「ヘッドライト内部のリフレクターが剥離して、照度が低下する」というもの。
対応としては、リフレクターを対策品に、そしてレンズもあわせて新品に交換する、としています。
前照灯において、タクシー用途等で使用する際、想定を超えて長時間点灯し続 けると、バルブからの熱と紫外線により反射板のアルミ蒸着が剥離することがあ る。そのため、そのまま使用を続けると、集光不足となり、光度が徐々に低下し、 最悪の場合、保安基準第32条(前照灯の基準)を満足しなくなるおそれがある。
国土交通省
なお、実際に生じた不具合件数は0件、これによる事故も0件。
対象となるのは平成25年1月7日~平成27年9月18日に製造された車両で、リコール台数は合計405台となります。
ボルボは「エンジンコントロール」「冷却水系」
そしてボルボは今回二件のリコールを届け出ており、1件目はエンジンコントロールモジュール。
驚くべきことにこの不具合は日本国内で117件も発生している、とのこと。
幸い、これに起因する事故はゼロだそうです。
対象となるのはS60、V60、V60クロスカントリー、XC60、V90、V40、V40クロスカントリーで、輸入期間は平成27年6月16日~平成31年2月6日。
対象台数は20,510台となります。
対策としては「プログラムの書き換え」。
ボルボの販売台数は1,500台前後/月ですが、これは最近ぐっと伸びてきたもの。
数年前の販売台数がここまで大きくないということを考えた場合、該当期間内に販売した車両の「ほとんど」が該当するということになりますね。
エンジンコントロールモジュールのプログラムが不適切なため、酸素センサーに煤 が堆積することがある。そのため、酸素センサーの応答時間が長くなり、エンジン の警告灯が点灯して、排出ガスが基準を満足しなくなるおそれがある。
国土交通省
そしてボルボの「もう一件」は冷却水系で、こちらは国内での問題発生はゼロ、事故もゼロ。
本国メーカーからの情報に基づいてリコールを届け出たようです。
対象となるのはXC90、輸入期間は平成年12月25日~平成28年6月24日、対象台数は318台。
対策としては「ブリーダーホースを交換」。
エンジン冷却装置において、ブリーダーホースの材質が不適切なため、耐熱性が不 足しているものがある。そのため、熱により当該ホースに亀裂が生じ、冷却水が漏 れ警告灯が点灯して、最悪の場合、火災に至るおそれがある。
国土交通省
日産はエルグランド/ムラーノの「ABS」
そして最後は日産エルグランド。
ABSに起因するもので、最悪は制動距離が長くなる恐れがあるといい、この問題が発生したのは131件(事故はゼロ)。
対策は点検、そして問題があればABSアクチュエータを対策品に交換する、というもの。
ABSアクチュエータにおいて、指定されている種類以外など性質が不安定なブレ ーキ液への耐性が不足しているため、バルブ表面の亜鉛メッキにゲル状物質が生成さ れ、バルブの摺動性が悪化する場合がある。そのため、バルブが正常に閉じない場 合、液圧が低下しブレーキペダル操作時にペダルストロークが深くなり、制動距離が 長くなるおそれがある。
国土交通省
対象となる製造期間は平成20年9月1日~平成27年7月23日で、これに該当するのは2車種あわせて90,222台。
けっこう長い期間にわたりますが、一時期エルグランドは非常に人気があっただけに台数も「かなり」多くなっていますね。