| 1台はスチールボディ、2台はアルミボディ |
ジャガーは1961年から1975年にかけてジャガーE-Typeを生産していますが、その歴史の中で3台のみ「ロー・ドラッグ・クーペ」を作成。
これは文字通り空気抵抗の低減を目的としてオープンボディをクーペ化し、ボディ鋼板を軽量化のために「薄く」作ったもの。
そして、そのうちの一台はスチールボディ(49FXNとして知られる)、残る二台はアルミボディだとされていますが、エンジンは4.2リッター、出力は300馬力以上だとされています。
現在、その3台の消息は明らかではない
49FNXは個人ユーザーへと売却され、残り二台の消息も明らかではありませんが、今回「ディエス・コンセプト」代表、マルコ・ディエス氏がこのジャガーFタイプ・ロードラッグコンセプトのレプリカ”OWL662”を作成しています。
外装と機関についてはオリジナルモデルである49FXNを再現すること、インテリアにおいては49FXNをリファインすること(もとの49FXNはレーシングカーなのでスパルタンすぎるのかも)を目的に8年が費やされることに。
そしてディエス・コンセプトはクラシックジャガーのスペシャリスト、ファストカーズとRSパネルの手を借り、外装はRSパネルによる叩き出し。
もちろん当時のパーツは手に入らないため、ボディパネルを接合するビス類もこの車両のためだけに削り出されている、とのこと。
ジャガーE-Typeロードラッグクーペ”OWL662”に採用されるエンジンは380馬力を発生する直6エンジンで、オリジナルの49FXN同様にラムエアインテーク、ウェーバー製キャブレターも装備。
さすが「ロードラッグ」というだけあって、ナンバープレート取付部にも透明のカバー付き。
ホイールやスピナーも高い質感を持っていることがわかりますね。
サイドビューはある意味では「未来的」。
マルコ・ディエス氏は、ジャガーF-Typeロードラッグ・コンセプトについて「自動車史上、最も美しいクルマ」と表現していますが、それも頷けるスタイリングだと思います。
お披露目はモンタレー・カーウィーク中となりますが、会期が終了したのちは一般にも公開する、とされています。
実際にこれを見たコレクターから相当数の作成依頼が舞い込むことになりそうですね。
なお、ベース車両については今回明かされておらず、なんらかのベースがあるのか、それともオリジナルのシャシーを持つのか、はたまた「通常の」E-Typeをベースにしているのかは不明です。
インテリアは美しく仕上げられ、日常の使用にも十分耐えうる仕様を持つように思います。