| ただし承認を得ることができたらば、それは4シーターGTもしくはSUVになる |
ここ最近、様々な報道がなされるブガッティ。
今回、ステファン・ヴィンケルマンCEOがブルームバーグに語ったところによると、「現在、シロンとあわせて販売する第二のモデルについて、親会社であるフォルクスワーゲンと話をしているところ」。
なお、ブガッティが現体制になった後に発売した第一弾「ヴェイロン」について、以前にビジネスインサイダーが報じたところでは、なんと1台売るごとに6億2400万円の損失があった、とのこと。
それでもこの数字は「さほど問題視されなかった」とされ、というのもその後「シロン」を発売した後にようやくブガッティは(計画通り?)黒字転換することとなったためだと言われます。
ブガッティはもともと「黒字化」を長期戦と捉えていた?
シロンの価格は1台3億5000万円程度なので、ヴェイロンの赤字を埋めるのは難しいとは思うものの、おそらくはヴェイロン時代に投資した開発費用や生産設備の「元が取れ始めた(償却できてきた)」ということなのかもしれません。
つまりヴェイロンは、ブガッティブランドを成長させるために赤字覚悟で販売していたということ、長期戦にて黒字転換を計画していたということになりますが、年間100台しか生産しないという小規模の割に「世界最高の性能」をもたせようとすると、どうしても赤字が出るのでしょうね。
実際のところ、ヴェイロンとシロンとはエンジンや車体はじめ多くを共有しており、そしてシロンの価格は「ヴェイロンの倍」。
つまりシロンはヴェイロンに比べるとより「利益が出やすい」ということになり、しかし希少性を保持するために販売台数を(予定の500台から)増やすことはできず、それでもブガッティは営利企業である以上利益を伸ばす必要があるわけですね。
となると、すでにブガッティを所有している顧客に「買い増し」してもらえるような(シロンとは異なるジャンルの)クルマを投入するのが好ましく、現在ブガッティが投入を考えているのは4シーターレイアウトを持つエレクトリックSUVもしくはグランドツアラーだと言われます(6000万円〜1億2000万円くらい)。
なおブガッティ・シロンは総生産台数500台を予定しているものの、ステファン・ヴィンケルマンCEOはニューモデルの追加によって「プラス600台」を見込むといわれます。
しかしながら、おそらくフォルクスワーゲンは、開発コストに対してのリターン(利益総額)が小さく、投資効率が良くないということでブガッティへの資金の提供を渋っているのか、ステファン・ヴィンケルマンCEOいわく「(VWとの資金獲得)交渉はかなりハード」。
おそらくこの交渉を容易にするには「フォルクスワーゲングループ内のほかブランドとのプラットフォーム共有」によって開発コストを下げるという方法を採用するしかなさそうですが、それでもブガッティの8リッターW16エンジンを搭載したり、ブガッティの名に恥じない性能を持たせるには相当な改修が必要だと思われ、「新型ブガッティ」の投入はなかなかにハードルが高そうですね。
ブガッティ「シロンに続くモデルを考えている。日常的に乗れる4ドアが候補だが、そのための資金がない」。親会社であるVWはエレクトリック化偏重で資金を回してくれない?
VIA: Bloomberg