| ヒュンダイは中身が伴わないまま、プロモーションによって「実際よりも良いクルマ」に見せようとしてきたツケを支払っている? |
ヒュンダイの高級ブランド「ジェネシス」。
元ランボルギーニ、ベントレーのチーフデザイナーを招き入れてデザインの刷新をはかり、新デザインを身に纏って発売されたセダンのG70、G80、SUVであるGV80は販売が絶好調だと伝えられます。
そしてつい最近では、韓国において(ジェネシスブランドのスタート直後以来)4年ぶりにメルセデス・ベンツとBMWを抜き「プレミアムカーブランドでナンバーワンの」販売台数を記録したと報じられたばかり。
ただしジェネシスは大きな品質問題を抱えていた
ただ、ジェネシスについては明るい話題だけではなく、お膝元の韓国では品質問題に苦しんでいる、とも報じられています。
フラッグシップセダンのG80については納車後6日でクルマが燃えたオーナーが話題となり、フラッグシップSUVたるGV80についても、発売わずか45日でリコール対象となり、その後の8月6日には別件にて韓国の国土交通部がリコールを命じた、という報道も。
さらにヒュンダイの内部分析では「マイナーチェンジモデルにおいては、発売3ヶ月の間で100台あたり2~3台の割合で品質問題が発生している」「新車だと100台あたり5台が品質に難あり」という結果も出ており、これは北米でいつも話題となっている「ヒュンダイ及びジェネシスはトヨタやレクサスを抜いて品質トップレベルに躍り出た」という報道とは相反するもの。
当然ながら韓国国内でもこれ(米国での調査結果)について疑問を呈する声も多く、「なぜアメリカ向けのヒュンダイ/ジェネシスは問題が起きないのか」「韓国向けの車両は手抜きなんじゃないか」という声もある模様。
加えて、韓国では「ヒュンダイの品質はあまり良くない」という認識があるようで、ジェネシスについても「高いプライスタグを掲げ、高級を標榜していても、中身はヒュンダイ車と一緒なんじゃないか」と言われる始末。
なお、G80およびGV80については、下記の問題がこれまで報じられています。
・リアコンビランプの点灯が左右非対称(G80/画像) ・遠隔スマート操作駐車補助機能異常(G80) ・エアコン作動時の冷却ファン騒音(G80) ・アンビエントランプ不良(G80) ・突如警告灯が点灯し走行不能(G80/GV80) ・走行中にカーナビ、ヘッドアップディスプレイ、その他カメラが作動しなくなる(GV80) ・エンジンの激しい揺れ、突然の放電で走行不可(GV80) |
今回の問題は燃料ポンプ
そして今回のリコールはGV80の燃料ポンプに欠陥があるとされ、およそ8800台がリコール対象に。
韓国国土交通部によれば、この燃料ポンプには製造過程にて発生した傷によって内部に異物が発生し、そのため燃料供給に支障が出てエンジンがストールする可能性がある、とされています。
ちなみにこれは上に挙げた「エンジンの激しい揺れによる走行不可」とはまた別の問題だとされ、GV80はまさに「問題だらけ」だと言えそう。
なお、「エンジンの激しい揺れ」については「ハンドルを握る手が震えるほど」の振動があるといい、原因は低回転数のまま長時間走行した際に(エンジン内部へ)堆積するカーボンだとされています。※この問題については出荷停止となるほどの影響があった
加えて、今回の件についてはジェネシスG70、傘下にあるキアより発売されるスティンガーも同様の問題にてリコール対象となっており、しばらくヒュンダイは品質問題に悩まされることになりそうですね。
ヒュンダイは自動車の本質を見落としている
ヒュンダイは上述の通り「デザイン」にトッププライオリティを置き、デザイン重視の戦略を採用する一方、競合他社に比較して2倍から3倍の宣伝広告費をかけている、とも言われます。
つまり、自動車にとって重要な部分である操縦性、安全性、環境性能や品質といった部分を高めることができないままデザインや露出を高めようとしていて、つまり現実が追いつかないままに知名度を高めようとしている、と考えることもできます。
言い換えれば現在のヒュンダイは「虚像」を作り上げようとしていて、実力が伴わないままに販売を拡大してきた歪みがヒュンダイを苦しめている、ということなのかもしれません。
実際のところ北米のテスト結果では、ヒュンダイ車は燃費性能が大きく劣るというものがあるそうで、これが事実だとすると「エンジン含むドライブトレーンの効率は高くない」ということにない、イメージよりも実際の品質を高めてゆかねば、韓国での「プレミアムカーセグメントでナンバーワン」の座もあっけなく失ってしまうことになりそうですね。
参照:朝鮮日報