| 今後マツダとトヨタとの提携はますます深くなり、世界中でOEM化が加速しそう |
さて、先日マツダは巨額赤字とともに「中期計画の練り直し」を公表していますが、その中で出てきたのが「トヨタとの協業の強化」。
この協業の中には「トヨタから供給を受けるヤリスハイブリッドを、欧州市場にて、マツダブランドにて販売する」というものが見られます。
これについて、マツダ全体のCO2排出量引き下げに大きく貢献すると思われるものの、ちょっと気になるのが「ブランニューモデルなのか、そうでないのか」。
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ヤリスハイブリッドのマツダ版はマツダ2と被る?
マツダはすでに欧州市場にてマツダ2を発売済みで、「ヤリスハイブリッドのマツダ版」は、考えようによればマツダ2と被ってしまい、となると「マツダ2」との入れ替えなのかとも考えてしまいますが、マツダ2は「マツダの最安ラインアップ」として残しておき、その上、もしくは別路線としてヤリスハイブリッドのマツダ版を展開すると考えるのが妥当かもしれません。
となるとこれは「追加」ラインアップということになり、そこでまた気になるのがネーミング。
マツダはすでに「(CX系について)10~90」までの商標を世界各地で出願していて、おそらくは今後発売されるであろう「縦置きV6エンジン搭載のラージ商品群」はこの”2ケタ数字”を車名に採用するのではと考えています(CX-50やCX-80といった感じで)。
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これにあわせ、CX系以外のクルマであっても電動化されたクルマ、新世代商品は「2ケタ」を名乗る可能性もあるんじゃないかと考えており、つまり「ヤリスハイブリッドのマツダ版」は”MAZDA20”になるんじゃないかと勝手に推測しているわけですね。
一方、北米では逆転現象も
そして面白いのが北米市場における「トヨタ・ヤリス」。
これは日本市場のヤリスとは全く異なり、マツダから(トヨタが)MAZDA2のOEM供給を受けて「ヤリス」を名乗るクルマです。
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つまり北米だとマツダがトヨタにMAZDA2を提供して「ヤリス」となり、欧州ではトヨタがマツダにヤリスを供給するという、まったくの逆転現象が起きているわけですね。
ただしこれは両者の強みを活かした結果であり、ここまでやってこその「効率化」なのだと思います。
トヨタはヤリスクロスに「GR」を設定しない
トヨタはラリー競技用のホモロゲーション用モデルとしてGRヤリスを発売していますが、現在デリバリーが世界中にて開始されているようで、ネット上には多数のレビューが登場。
なお、ホモロゲーションの取得には「年間25,000台」という基準をクリアせなばならず、トヨタとしてはなんとしてもこの数字を達成する必要があり、よって世界中のメディアにGRヤリスを貸し出しているのかもしれません。
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そこで囁かれるのが「GRヤリスクロス」のウワサ。
もちろんこれはGRヤリスのホモロゲーション取得に寄与するわけではないものの、GRブランドを推進するトヨタだけに「(ヒュンダイ・コナNや、フォルクスワーゲンT-ROC Rへの対抗として)ヤリスクロスにもGRを設定してもおかしくはない」と言われているわけですね。※画像はKDesignAGによる予想レンダリング
ただ、今回トヨタのオーストラリア法人代表、ショーン・ハンリー氏が現地カーメディアに語ったところでは「GRヤリスクロスの計画は存在しない」。
つまり公的にGRヤリスクロスが否定されたということになりますが、トヨタとしてはあくまでも「GRブランドは、あくまでもモータースポーツに直結する車両のみに設定する」という基準を貫くのかもしれません。