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マツダが930億円の損失を受け「中期計画練り直し」!スポーツカーの「ス」の字もない優等生的電動化路線を歩むようだ

| マツダの現状を考えれば、たしかにスポーツカーどころではないかもしれないが」

さて、マツダが2021年3月期における第二四半期の累計実績を発表し、これとともに中期計画の見直しを公表。

まず実績としてはグローバル販売台数は前年比21%減の578,000台、売上高は35%減の1兆1158億円。

営業損失は529億円、純損失は930億円にのぼり、当然ながら中間配当が見送られています。

通期での見通しは?

そして通期の取り組みとしては「需要回復に合わせた在庫コントロール下の販売・生産の着実な回復」「徹底した支出抑制・効率化による固定費削減」「成長投資は効率化を織り込みながら継続」を掲げ、見通しとしては「第1四半期から第2四半期にかけて回復傾向」「第2四半期は、販売回復や固定費抑制が想定以上の進捗」といったところ。

今回のコロナウイルスは自動車メーカーにとって大きな痛手ということにはなりますが、この危機によってどの会社も「経費の見直し」を迫られることになり、その効果として経営が効率的になっているのもまた事実。

とくにトヨタは大きく利益構造が変わることになり、予想以上の利益が出ていると報じられたところです。

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そのため、「雨降って地固まる」ではないですが、短期的に見ると苦しい状況ではあるものの、長期的に見れば企業を強くしたとも言えそうで、これもまた時代が与えた試練だったのかもしれません。

中期計画はこう見直される

そこで中期計画の見直しについてですが、「変わらない」部分は下記の通り。

1.独自価値を生み出す成長投資を効率化しながら維持(商品技術開発領域、グローバルIT領域、米国ビジネス強化)
2.CASEへの対応

そして見直しの位置づけ(方向性?)は下記の通り。

1.「人と共に創る」独自価値を持ち続け、ブランド価値を高める
2.マツダとの強いつながりを持ち続けていただける商品、顧客体験によるブランド価値経営へのシフト
3.次の100年に向けた1stステージ

見直す契機となった想定外の要因(コロナ禍)、それによってもたらされた外部環境の変化については下記を挙げています。

1.グローバルの環境規制強化と加速
2.CASE時代の新しい価値創造競争
3.働き方の変化と効率化の両立
4.販売やサービスへの顧客要望・行動の変化

これらを踏まえ、見直される中期計画は下記の通り。

1.ブランド価値向上への投資(独自の商品・技術・生産・顧客体験への投資、段階的な新商品/派生車の導入、継続的な商品改良の実行)
2.ブランド価値を低下させる支出の抑制
3.固定費/原価低減を加速し損益分岐点台数を低減
4.遅れている領域への投資、新たな領域への投資開始
5.協業強化(CASE対応、新たな仲間作り)

ここで注目したいのは独自の商品や生産技術等への投資ということですが、内容を見ると横置きアーキテクチャー、直6エンジン、PHEV、ロータリーエンジンを活用したマルチ電動化技術とありますが、これに費やすのはここから2年、つまり2022年まで。

そして2022年以降からはCASE対応と協業の強化を行うとしており、協業についてはいっそうトヨタとの関係性を深め、欧州ではヤリス(THSハイブリッドモデル)のOEMを受ける、とのこと。

そのほか日本では、すでに報じられた「利益の出やすい」ラージ商品の拡充、それと同時に小型車をハイブリッド化することで派生展開を行う模様。

ブランド価値向上については新生代店舗を加速させるとともに店舗の多様化も許容し、さらに店舗で働く人々への投資(マツダは自動車業界の中でも給料が高くないことで知られる)、ローンやリースの強化、中古車販売やオンライン販売の強化を掲げています。

全体的には「当たり障りのない」計画であるようにも

そして今回の計画全般を見て思うのは、こういった状況なのでやむを得ない部分もあるものの、「あまり積極的ではなく、当たり障りのない」計画だということ。

優等生的だと言い換えてもいいかと思いますが、利益の出るSUVはじめラージ商品への投資、開発済車種の派生展開によって新車開発コストを抑える、そしてCASE対応にエレクトリック化という、ある意味ではお手本のような計画であり、しかしこれはほかの自動車メーカーも採用する手法(マツダらしい、そしてマツダにしか採用できない戦略という感じがしない)。

加えてマツダより大きなメーカーは基本的にこの方向にて進んでおり、そんな状況下ではマツダにとって「勝てる武器」が非常に少なく(弱く)、今後に渡り競争力を発揮するのは難しいかもしれません。

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参照:MAZDA

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