| やっぱり「専用」と銘打たれているからには、専用タイヤを装着すべき |
加えてタイヤは常に進化し、そして製造されたタイヤは劣化してゆく
さて、スーパーカーはじめハイパフォーマンスカーでよく聞くのが「タイヤメーカーとの共同開発による専用タイヤ装着」。
ただ、銘柄は「ピレリPゼロ」であったり「ミシュラン・パイロットスポーツ4S」など市販のものと変わりはなく、ぼくはこれまで「一体どこが違うのか」と考えていたものの、その相違について解説するありがたい動画が公開に。
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同じ銘柄でも認定タイヤとそうでないタイヤには明確な違いがあった
そこで今回、ユーチューバー「タイヤレビュワーズ」が公開した動画では、その差異について解説を行うことになりますが、まず彼が出向いたのはフランスのミシュラン。
同社の施設にて「純正装着される、認証タイヤのパイロットスポーツ4Sと、認証タイヤではない一般のパイロットスポーツ4S(フロント275/35 R19、リア285/30 R20)」とを比較しているわけですね。
そして同氏によると、同じ名称を持つこの2つのタイヤの相違とは「コンパウンド」の差。
一般向けのミシュラン・パイロットスポーツ4Sを構成するコンパウンドとBMW M3用の認証タイヤではこういった差があるようですが、よくよく見ると、溝やトレッドについても若干の差異があり、これはタイヤに掛かる重量やトルク、キャンバー角・キャスター角などを考慮したものだと思われます(BMW M3用は、ショルダー部のグリップを強めているのかもしれない)。
なお、BMWとミシュランはこの専用タイヤの開発において、ニュルブルクリンクを含む5つのサーキットで30種類の試作品をテストし、その結果選んだのが現在のコンパウンドやトレッドを持つ仕様なのだそう。
ただしノーマルのパイロットスポーツ4Sとてけして性能が劣るわけではなく(むしろ高性能タイヤとして有名)走行に問題はないものの、追い込んでゆくと若干のアンダーステアが顔を覗かせることがあるようですね。
しかしBMWスペックだとアンダーステアが解消され、しかもステアリングのレスポンスがシャープに、そしてコントロール性が向上することになり、実際にサーキットを走るとラップタイムに相違が出る、とも述べています(テストコースだと、70秒と72秒という差がでている)。
ちなみにBMWスペックは「ドライ性能」を重視しているということもこの「差」となって現れているそうですが、もちろんノーマルのパイロット4Sが「オールラウンダー」として設計されていることは言うまでもありません。
タイヤは常に進化している
なお、ここで重要なのは「タイヤは常に進化している」ということ。
ミシュランがBMWとの共同作業によって得たノウハウは今後のタイヤ開発に活かされる可能性があり、ノーマル版のパイロットスポーツ4Sの改良時には、その一部が反映される可能性も。
そして製造されたタイヤは「(絶対的にゴムが)どんどん劣化してゆく」ことになるので、いかに「より高性能な」その車種専用版タイヤと言えども、その後に製造されたフレッシュなノーマルタイヤに対して優位性を発揮できない可能性もあり、よってタイヤは「認証タイヤ」を選ぶことはもちろん、「常に最新」のタイヤを選ぶ必要もありそうです。
ノーマルタイヤと認証タイヤとの差異を比較する動画はこちら
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参照:Tyre Reviews