
この2年ほどでニュルブルクリンクのラップタイムは大きく短縮
この記事のもくじ
ニュルブルクリンクのラップタイム「最新版」。
このランキングも当初「ベスト50」から始めるも、なんどか更新してゆくにつれ、ついに「ベスト100」にまで延長されています。
ニュルブルクリンクのラップタイムについては、ポルシェ918スパイダー登場以前までは大きな変動はなく、しかしポルシェ918スパイダーが市販車初の「7分切り」を達成したのち、どんどんタイムが短縮されることに。
現在の「最速モデル」はメルセデスAMG GTブラックシリーズです。
ニュルブルクリンクのタイム計測方法は2020年から変更
参考までに、ニュルブルクリンクのタイム計測については複数方法があり、これまで一般的だったのは「グランドスタンドT(ターン)13の終わりから計測を開始し、T13の始まりで計測を終了する(20.6km)」。
これは走行距離はちょっと(約232メートル)短くなるのでタイム計測的に有利であり、多くの自動車メーカーそしてカーメディアが採用する方法です。
ただし2019年にニュルブルクリンクGmbHは旧来の方法ではなく、「T13の同じところを計測開始と終了のポイントとし、この方法にて計測したタイムを公式として認定する(20.8km)」と制定しており、現在のランキングには複数の計測手法が混在している、ということになります。※旧来の計測方法だと、速いクルマでおおよそ4秒ほど短いタイムが出ているようだ

参考までに、ニュルブルクリンクは明確にセグメント分けを行っていて、これによると「コンパクトカー(アウディRS3が最速)」「ミッドレンジカー(ジャガーXEプロジェクト8が最速)」「エグゼクティブカー(メルセデスAMG GT 63Sが最速)」「SUV、オフロード、バン、ピックアップ(ポルシェ・カイエンターボGTが最速)」、「スポーツカー(ポルシェ911GT2RSが最速)」、「改造車( ポルシェ911GT2 MRが最速で、ニュルは911GT2MRを改造車とみなしている)」 「プロトタイプ(ポルシェ919ハイブリッドEVOが最速)」となっています。
それではニュルブルクリンクのラップタイム「トップ100」を見てみよう
こちらが現時点でのニュルブルクリンクのラップタイム最新版。
同じ車種で、同年式のクルマを複数メディアがアタックしたりしている場合は「もっとも速かったタイム」を採用し、ほかのメディアの記録はノーカウントとしています。
加えて、同一形式のクルマが複数記録を持つ場合も「一番速いタイム」を採用(フェイスリフト前後は”別の”クルマとしてカウント)。
一方で、改造車や市販されていないクルマもノーカウント。
よって、アヴェンタドールSVJを超えるタイムを出したポルシェ911GT2 RS"MR”、マクラーレンP1 LMといったクルマの記録も除外していますが、上述の通りニュルブルクリンクのタイム計測方法は2020年を境に変更され、新旧方法で計測されたタイムが混在します。
- ポルシェ911GT2 RS (3656万円)6:43.3(2021) オンボード
- メルセデスAMG GTブラックシリーズ 6:43.616(2020)オンボード<<NEW!!
- ランボルギーニ・アヴェンタドールSVJ 6:44.97(2018)オンボード
- Next EV NIO EP9(?万円)6:45.90(2018)オンボード
- ラディカルSR8LM(1780万円) 6:48.00(2009)オンボード
- ランボルギーニ・ウラカン・ペルフォルマンテ(3418万円) 6:52.01(2017) オンボード
- ポルシェ911GT3(992) 6:55.34(2021)オンボード※20.8kmのタイムは6:59.927
- ラディカルSR8 6:56.08(2005)オンボード
- ポルシェ911GT3 RS(?万円/2018)) 6:56.4 オンボード
- ポルシェ918スパイダー(9500万円) 6:57.00(2013)オンボード
- ランボルギーニ・アヴェンタドールSV(5179万円) 6:59.73(2015)オンボード
- フェラーリ488ピスタ 7:00.03 (2019)オンボード
- ダッジ・ヴァイパーACR 7:01,30(2017)オンボード
- ポルシェ718ケイマンGT4 RS 7:04.511(2021)オンボード ※20.8kmのタイムは7:09.3
- メルセデスAMG GT R Pro 7:04.632(2018)オンボード
- マクラーレン720S 7:08.34(2018)オンボード
- 日産GT-Rニスモ(1500万円) 7:08.68(2015)オンボード
- マクラーレン600LT 7:08.82(2019)<<NEW!!
- メルセデスAMG GT R 7:10.92(2017) オンボード
- グンペルト・アポロ・スピード(3800万円?) 7:11.57(2009)オンボード
- ダッジ・ヴァイパーSRT-10 ACR(1500万円?) 7:12.13(2010)オンボード
- ポルシェ911GT3(2115万円) 7:12.7(2017)オンボード
- シボレー・コルベットZ06(C7) 7:13.9(2017) オンボード
- レクサスLFA ニュルパッケージ(4450万円?) 7:14.64(2012)オンボード
- ドンカーブートD8 RS(1000万円?) 7:14.89(2005)オンボード
- BMW M4 CSL 4:15.677(2022) オンボード ※20.8kmのタイムは7:20:207
- シボレー・カマロZL1 1LE 7:16.04(2017)オンボード
- ポルシェ911ターボS(991.2)7.17.00(2018)
- ポルシェ911GT2RS(997.2 / 2800万円?) 7:18.00(2010)
- ジャガーXE SV プロジェクト8(?万円) 7:18.361(2019)
- ポルシェ911GT3(991.2) 7:18.00(2018)
- ラディカルSR3ターボ(1350万円) 7:19.00(2003)オンボード
- 日産GT-R 7:19.10(2013)
- シボレー・コルベット ZR1(1490万円) 7:19.63(2012)オンボード
- フェラーリ488GTB 7:21.63(2016) オンボード
- ダッジ・ヴァイパーACR 7:22.01(2009)オンボード
- シボレー・コルベット Z06(1265万円) 7:22.68(2011)
- メルセデスAMG GT 63S 7:23.009(2020) オンボード
- グンペルト・アポロ・スポーツ 7:24.00(2007)
- ポルシェ911 カレラGTS 7:24.00(2017)
- 日産GT-R 7:24.22(2011)オンボード
- マセラティMC12 7:24.27(2004)オンボード
- パガーニ・ゾンダF クラブスポーツ 7:24.44(2005)オンボード
- ランボルギーニ・アヴェンタドールLP700-4(4317万円) 7:25.00(2011)
- フェラーリ エンツォフェラーリ 7:25.21(2002)オンボード
- KTM X-BOW R 7:25.72(2012)オンボード
- メルセデスSLS AMGブラックシリーズ 7:26.40(2014)オンボード
- 日産GT-R 7:26.70(2008)オンボード
- ポルシェ911GT3RS 4.0 7:27.00(2011)オンボード
- フェラーリ812スーパーファスト 7:27.48(2019)オンボード
- BMW M4 GTS(1950万円)7:27.88(2016)オンボード
- ポルシェ カレラGT 7:28.00(2003)
- フェラーリ458イタリア(2920万円) 7:28.00(2009)オンボード
- マクラーレン MP4-12C(2869万円) 7:28.00(2010)
- ランボルギーニ・ウラカンLP610-4(2970万円) 7:28.00(2015) オンボード
- ポルシェ911 GT3RS(991)7:28.00(2015)
- BMW M5 CS 7:29.57(2021) オンボード
- シボレー・カマロZL-1 7:29.6(2016) オンボード
- ポルシェ・パナメーラ・ターボ(2020) 7:29.81 オンボード
- メルセデスSLS AMG GT 7:30.00(2012)
- ポルシェ911カレラS 7:30.41(2019)
- BMW M4コンペティション 7:30.79(2021) オンボード
- ポルシェ911GT2(997) 7:31.00(2012)
- アルファロメオ・ジュリア・クアドリフォリオ 7:32.00(2016)オンボード
- ポルシェ718ケイマンGT4 7:32.00(2019)
- アウディR8 V10 Plus 7:32.00(2015)
- ポルシェ911ターボS 7:32.00(2010)
- フォード・シェルビーGT350R 7:32.19(2015)
- BMW M8 コンペティション 7:32.79(2021)オンボード
- パガーニ・ゾンダF 7:33.00(2005)
- ポルシェ911GT3 RS(997.2) 7:33.00(2010)
- ポルシェ911GT3(997) 7:33.00(2007)
- ケーニグセグCCX 7:33.55(2006)オンボード
- ポルシェ911(991.2)カレラS 7:33.67(2015) オンボード
- ケーニグセグCCR 7:34.00(2004)
- レクサスLFAニュルブルクリンク・パッケージ 7:34.00(2012)
- アウディR8V10 Plus(2742万円) 7:34.00(2018)オンボード
- 日産GT-R V-spec 7:34.46(2009)
- メルセデスAMG GT S 7:35.00(2016)
- ルーフRT12 7:35.00(2005)オンボード
- マクラーレン650S スパイダー 7:35.00(2015)
- テスラ モデルSプレッド 7:35.579※新方式。旧方式だと7:30:909 オンボード
- BMW M5コンペティション 7:35.90(2019)オンボード
- シボレー・カマロZ28 7:37.47(2014)
- ポルシェ911カレラS 7:37.90(2011)
- ポルシェ・パナメーラ・ターボ 7:38.00(2016) オンボード
- ポルシェ911ターボ(997) 7:38.00(2006)
- レクサスLFA 7:38,00(2010)オンボード
- BMW M4 CS 7:38.00(2017)
- ランボルギーニ・ガヤルドLP570-4スーパーレッジェーラ 7:38.00(2010)
- ポルシェ・パナメーラ・ターボ 7:38.00(2017)
- シボレー・コルベット C6 ZR1 7:38.00 (2009)
- BMW M5(F90) 7:38.92(2018)
- フェラーリ430スクーデリア 7:39.00(2007) オンボード
- ポルシェ・カイエン・ターボGT(2021) 7:39.925 オンボード
- ランボルギーニ・ムルシエラゴ LP640 7:40.00(2006)
- メルセデス・ベンツSLRマクラーレン 7:40.00(2003)
- ブガッティ・ヴェイロン16.4 7:40.00(2005)
- ポルシェ911GT3(997) 7:40.00(2009)オンボード
- ルノー・メガーヌR.S.トロフィーR 7:40.1※新計測方法だと7:45.39(2019)オンボード
- フォードGT 7:40.6(2018)
- アウディRS3セダン(2021) 7:40.748※新計測方法による。旧計測手法だと7分35秒522 オンボード
- ポルシェ・ケイマンGT4(981) 7:42.00
- アウディRS Q8 7:42.253(2019) オンボード
- ポルシェ911GT3 RS 7:43.00(2003)
- ホンダ・シビック・タイプR 7:43.80(2017) オンボード
- パガーニ・ゾンダ C12S 7:44.00(2009)
- アウディR8 V10 5.2FSI 7:44.00(2009)
- ブガッティEB110 SS 7:44.00(1993)
- メルセデスCLK 63ブラックシリーズ 7:45.00(2007)
セグメントごとの「ニュルブルクリンク最速マシン」は?
このランキングを見ても分かる通り、やはり(メルセデスAMG GTブラックシリーズを除くと)ミドシップスポーツが上位を占めているのは間違いなく、それ以外にもスポーツカーが有利なのは否めない状態。
つまり最近のセダンやSUVがいくら速くなったといえどもスポーツカーには到底太刀打ちできないという状況です(SUVはトップ100に1台しか入っていない)。
ここで、各セグメントごとの最速マシンを見てみましょう。
ニュルブルクリンクFF車最速は?
まずはFF。
これはルノー・メガーヌR.S.トロフィーRの7:40.1(90位)で、続くのはホンダ・シビック・タイプRの7:43.80(94位)。
ちなみにルノー・メガーヌR.S.トロフィーRの上はポルシェ911GT3、その下はフォードGTなので、これは「相当に速いクルマ」ということになりそうです。

ニュルブルクリンクにおけるコンパクトカー最速は?
そして次はFF含むコンパクトカー最速。
フルモデルチェンジを受けた新型アウディRS3が7分40秒748という(ルノー・メガーヌRSトロフィーよりも速い)タイムを記録し、王座に就いています。
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ニュルブルクリンクにおけるサルーン最速は?
そしてサルーン最速はジャガーXE SVプロジェクト8。
これは最近、自身の記録を上書きすることでランキングを上げていますね(7:18.361 / 26位)。
ジャガー唯一のランキング入りということになりますが、これは並み居るスポーツカーを押しのけての堂々たるタイム。
ただし、このジャガーXE SVプロジェクト8は後席を取り除いたりという、なかば「反則」とも言えるクルマであり、これを除くと現在のサルーン最速はメルセデスAMG GT6 S 4MATIC+となります。

ジャガーがXE SVプロジェクト8にて「ニュル最速セダン」タイムを3秒更新!991.2世代のポルシェ911ターボSとほぼ同じタイム
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ニュルブルクリンクにおけるSUV最速は?
SUVにて今回はじめてトップ100に入ったのがアウディRS Q8ですが、現在はポルシェ・カイエン・ターボGTが(7分39秒925秒にて)これを更新して王座についています。
アウディRS Q8、ポルシェ・カイエン・ターボGTともにランボルギーニ・ウルスと多くを共有するスーパーSUVですが、ひとつの新しい時代の幕開けと言えるかもしれません。

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ニュルブルクリンク最速EVは?
現在におけるニュルブルクリンク最速EVはテスラ・モデルSプレッド。
新計測法式(20.8km)にて7分35秒579を記録し(旧計測方法だと7分30秒909)、それまで最速だったポルシェ・タイカンの7分42秒を破っています。
ニュルブルクリンク最速の改造車は?
ニュルブルクリンクには多くの改造車が挑戦しており、現時点での最速は2021年6月に記録された「ポルシェ911GT2RS MR改(オンボード映像はこちら)」。
市販モデルのポルシェ911GT2RSに対し、エアロパッケージ変更を中心とした「MRキット」を組み込み、さらにはサスペンションやブレーキを強化したのがこの911GT2 RS MR”改”。
6:43.616というメルセデスAMG GTブラックシリーズをも凌駕するタイムを記録していますが、いかにこの「MRキット」がポルシェ純正オプションとしてラインアップされ、装着後も保証を受けることができるといえど、これについては「改造車」だと捉えられ、「市販車」だとは考慮されないケースが多いようです。

ニュルブルクリンクでのプロトタイプ最速は?
市販車ではなくプロトタイプだと驚異的なタイムを出すクルマも。
ポルシェ919ハイブリッドEVOはその筆頭で、5:19.546という驚異的なタイムを出し、ポルシェがそのレーシングカー「956」でずっと持っていたタイムを更新し、現在のところ「ニュルブルクリンクで最も速い車」。
これに次ぐのはパイクスピークにて歴代最速のタイムを出したフォルクスワーゲンID.R(6:05.336 / EV最速)、そして中国のLynk & Co 03 Cyan Concept(7:20.143)。

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