| まさかアウディがここまで早くエレクトリック化を進めるとは |
一方、フォルクスワーゲングループと世界1、2を争うトヨタは「今後30年はガソリンエンジンを捨てない
さて、アウディは積極的に電動化を進めるブランドの一つですが、ここ最近だと「e-tron GT」、「Q4 e-tron」、「Q4 Sportback e-tron」を発表済み。
こういった方向性はフォルクスワーゲングループ全体として顕著になっており、しかも電動化が「加速」しているようにも思えます。
そして今回、ドイツのメディアが報じたのは「アウディは2026年以降、ガソリンエンジンおよびディーゼルエンジンを搭載したクルマの発売を行わない」という報道。
つまり、2025年に発売されるクルマたちが、アウディにとって「最後のガソリンエンジンおよびディーゼルエンジンを搭載した新車」ということになりそうですね。
ただし既存車種にはガソリンエンジンおよびディーゼルエンジンは継続搭載
ただ、この「ガソリンエンジンおよびディーゼルエンジン廃止」は2026年以降の新車に限ったことだとされ、つまり2026年よりも前に発売された「ガソリンエンジンおよびディーゼルエンジンを搭載車」について、モデルライフを終了しない限りは2026年以降も継続販売される模様。
しかしそれらのモデルについても数年後には販売が終了され、アウディCEO、マーカス・デュースマンCEOによれば「2026年以降、数年を経過した頃には、我社のラインナップは電気自動車だけになる」とも述べており、当初の予定であった2030年を前にして完全電動ラインナップ化を達成することになりそうですね。
加えてアウディは2026年辺りに(ガソリンエンジンとディーゼルエンジン同様に)ハイブリッドそしてプラグインハイブリッドも廃止すると言われているので、文字通り「ピュアエレクトリックブランド」へと移行するということになり、しかもそれがあと5年くらいのうちにそれが実行されるというのはちょっとした驚きです。
この方向性はトヨタとは全く異なる
なお、フォルクスワーゲングループは上述の通り「急速な電動化」を進めていますが、これと正反対を行くのがトヨタ。
もちろんトヨタは「いつでも電動化にシフトできるよう」その準備を進めてはいるものの、実際に発売されるEVはごくわずか。
これについては多くの株主や評論家から「電動化対応への遅れ」として指摘されている部分ではありますが、トヨタは「今後30年、ガソリン車、ハイブリッド車、燃料電池車、電気自動車と、さまざまなパワートレインの選択肢を用意し、それぞれの時代にあわせ、それぞれの優位性を競い合いながら、最良のものを残してゆく」と述べており、つまりはガソリンエンジン廃止を今のところ明確には示していない状態です。
その理由としては「EV市場には不確実性が多いから」だとしており、消費者がEVを欲しがらないうちから会社あげて全車EV化を進めることは非常に危険だと考えているようですね。
加えてEVには「モーター用の希少金属不足」「充電インフラ不足」といった懸念事項もあるため、ラインナップを全部EVにしてしまうと、何かあった際に経営が不安定になるということも考慮に入れていそう。
このあたり、「トヨタ」「フォルクスワーゲングループ」という、世界で1、2を競う自動車メーカーがまったく反対の戦略を取っているのは非常に興味深いところで、こういった違いが吉と出るか凶と出るかは「あと数年もすれば」答えが出るのかもしれません。
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