| 一時はすべての自動車メーカーが「フルデジタル」へと移行するかのように見えたが |
一部の自動車メーカーではデジタルからアナログに戻した例も
さて、アウディのインテリアデザイナーであるマクシミリアン・ナウカ氏は、先日行われたグランドスフィア・コンセプトの発表会において、「アウディが今後のインテリアをデザインする際に過去のモデルを参考にする」とコメント。
この意図としては、(他の多くの自動車メーカーがタッチスクリーン採用を拡大しているにもかかわらず)将来のアウディには物理的なボタン、スイッチ、ダイヤルを引き続き採用するということのようですが、これはわずか1年ほど前に「物理スイッチをなくす」と言っていた方針とは真逆であり、どこかで方針の転換があったようですね。
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「操作する楽しみ」をクルマにも
マクシミリアン・ナウカ氏によると、「未来を見据えるときには、常に過去を振り返る必要があり、再確認したり、過去に本当に良かったものを見つけたりする必要があるのです。アウディは、今も、そして過去にはもっとそうだったかもしれませんが、ボタンを押したり切り替えたりするときの触感など、使う喜びで知られていました。これはまさに私たちが自動車に復活させたいと思っていたもので、タッチレス(ジェスチャーコントロール)による車とのインタラクションと組み合わせています。私たちは…これは高価な時計のようなもので、本当によく使い、友人にも自慢できるものだと信じています。将来的には物理的な操作ができるようになることは間違いありません」とのこと。
たしかに、スマートフォンやスマートウォッチが全盛となった現代において、むしろ高級機械式腕時計が価値を上げていることでもわかるとおり、機械的な動きをするモノというのはドライバーを惹きつけてやまないのかもしれず、アウディの言い分にも「納得」でもありますね(マニュアル・トランスミッションを求める傾向もこれと同様なのかもしれない)。
実際にアウディは物理ボタンを併用
実際に、(おそらくは)A8後継モデルとして発表されたグランドスフィア・コンセプトは物理的なボタンと複雑なスクリーンを組み合わせたインターフェースを持っており、フロントドアパネルには物理的なダイヤルが設置され、これを用いて直感的な操作ができるとアナウンスされていて、これが現在のアウディが考える「ベスト」なのかもしれません。
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このほか、物理的な操作系とタッチスクリーンを組み合わせるという「アウディの哲学」はe-tron GTのインテリアにも顕著に表れており、他のアウディと同じように、大きなインフォテインメントスクリーンとデジタルメータークラスターを備えているものの、空調含め多くの物理ボタンが用意されています。
これはメルセデス・ベンツEQS(オプション)のように、ダッシュボードに巨大な1つのスクリーンがあって、物理ボタンがほとんどないというインテリアとは対照的で、このあたりはメーカーの考え方がよく現れている部分なのかもしれませんね(メルセデス・ベンツは一部モデルにて、ステアリングホイール上のモードボタンにも液晶を採用したり、スポーク面積を”ダブルデッカー”化で増やしてまでタッチ式スイッチを取り入れている)。
正直、「タッチ式」がいいのかどうかはわからない
なお、タッチ式による操作方法は一見するとカッコいいとは思うのですが、実際に操作してみると「機能を呼び出す」というアクションが物理ボタンに比較して多いと感じる場合があって、使い勝手という点ではイマイチだと感じることも。
参考までに、フェラーリはSF90ストラダーレ以降「タッチ式」操作へと大幅にそのインターフェースを移行させていますが、けっこう「間違ってスイッチに触れてしまう」こともあったりして、多少の慣れを要する場合もあり、タッチ式と物理式とのどちらがいいのかは判断がつきかねるところ。
ただ、エアコンやオーディオのボリュームなど、操作する頻度が高いものについては物理式スイッチのほうがいいんじゃないか、とも思います(もしくは一部メーカーがそうしているように”併用”か)。
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参照:Drive