| もちろんフェラーリは自然吸気V12エンジンを存続させるために最大限の努力をしたのだと思われるが |
もしそうなれば現在のV12エンジン搭載モデルの価格は大きく上昇することになりそうだ
さて、フェラーリはV12エンジンを存続させるために様々な手段を講じているとされますが、最新の報道だと「V8エンジン同様、V12エンジンもターボ化する」という報道。
なお、フェラーリは「V12エンジンはフェラーリのDNA」「V12エンジンは自然吸気のまま存続させる」「V12とハイブリッドとの組み合わせは無意味」と語っており、V12エンジンを自然吸気のまま単独で生き残らせる方法を模索していたと言われます。
今回の「V12エンジンターボ化」説については、フェラーリの本社に近い筋のコメントだとされていますが、これについて裏付けは取れておらず、よって現時点ではあくまでも「ウワサ」のまま。
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ターボ化によって排気量ダウン?
なお、このウワサによると、4.5リッター自然吸気V8エンジンが「2.9リッターターボ」へとダウンサイジングしたのと同様、ターボ化されるV12エンジンは排気量がダウンする、とも(それは当然だと思う)。
これが実現すれば大きな議論を呼ぶことは間違いなく、というのもフェラーリは1947年に「最初に作ったフェラーリ」からずっとV12エンジンをラインアップしているため(V8エンジン搭載のロードカーの登場は1973年まで待たねばならない)。
加えてフェラーリ創業者、エンツォ・フェラーリは「V12エンジンを積んでないフェラーリはフェラーリとは呼ばない」と言いきったほどで、とくに自然吸気エンジンを重視しています。
それだけフェラーリにとって重要な「自然吸気V12」エンジンが失われるとなるとこれは「大問題」に発展しかねず、(V8モデル同様)現行の自然吸気エンジン搭載V12モデルの大きな値上がりを招く可能性も。
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なぜ「ハイブリッド」を積まない?
なお、フェラーリはSF90ストラダーレ、296GTBにてハイブリッド化を行っており、マクラーレンやランボルギーニに比較してもハイブリッド化に対しては「一日の長」を持っています。
それを考えるとターボ化よりもハイブリッド化を行うほうが「妥当」とも考えられますが、フェラーリは以前に「V12+ハイブリッドはナンセンス」とコメント。
その意図としては、ハイブリッド化は「トルクが小さくなりがちな」小排気量エンジンの不足を補うためのもので、大排気量そして大きなトルクを持つV12エンジンとハイブリッドとを組み合わせることはあまり意味がない、というものです。
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たしかにこれは「もっとも」であり、フェラーリとしてはV12エンジンを存続させるため、「あまり意味のないハイブリッドと組み合わせる」よりも「ターボ化にて環境規制をクリアする」ことを選んだということになりそうですね(2017年には、当時のセルジオ・マルキオンネCEOが「ターボは絶対にNO」と言っていたこともある)。
参考までに、フェラーリはこれも「絶対にNO」と言っていたSUVについても発売を決めているので、「絶対になかった」はずのターボチャージャーに手を出す可能性も無いとはいえないのかも。
なお、ターボ化について、当時と事情が異なるのはフェラーリ初のSUV「プロサングエ」の発売が控えていること。
おそらくこのプロサングエの重量は「かなり重い」のは間違いなく、よって強大なトルクを発生するターボエンジンと非常に相性がよく、プロサングエの発売決定が「ターボ化」にフェラーリをシフトさせたのかもしれません。
そして「V12ターボ」搭載のSUVとなるとメルセデス・ベンツ、BMWはもちろんランボルギーニやアストンマーティンすらもラインアップしていないので(ベントレーにはW12、ロールスロイスにはV12ターボがある)、ライバルに対しては大きなアドバンテージとなる可能性がありそうです。
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