| これだけ大ぴらに報じられて全数リコール、そしてメーカーが不具合を認めたとなると今後の販売はかなり苦しいだろう |
場合によってはEVは自動車メーカーの首を絞めることになりかねない
さて、日本では無縁の話ではありますが、アメリカでいまホットな話題が「シボレー・ボルトの火災」。
シボレー・ボルトはここ最近バッテリーが原因と見られる火災が相次いでおり、GMはすべてのシボレー・ボルトEVとボルトEUVとをリコールすることに決め、10億ドルの対策費を捻出しています。
加えてGMはボルトの使用者に対し、「ボルトを建物内に駐車しないように」そして「夜間の充電を行わないように」「充電する場合は充電ステーションを離れないように(ずっと見ておくように)」ということをアナウンスしていますが、またあらたなるボルトが燃えており、その注意喚起はけして大げさではなかったということですね。
今回の火災はこうやって起きた
そして今回の火災について、現地消防署の投稿によると、このボルトのオーナーは自宅に設置した煙探知機の警報によって火災に気付いた、とのこと。
その後消防に連絡し、消防隊員は家に火が燃え移らないようにボルトをガレージから引っ張り出して消火活動を行ったそうですが、これは消防隊員の勇気ある行動に拍手を贈りたいところ。
その甲斐あって自宅に大きな被害はなく、負傷者も出なかったそうですが、ガレージに収まっていたもう一台のダッジ・ラムには被害が及んだとされています。
ボルトはおそらく今後の販売が難しい
なお、シボレー・ボルトについて、バッテリーモジュールの欠陥による火災が報告されており、そのために2020年からリコールが行われていたものの、今年8月下旬に再び炎上した車両が報告されています。
よってGMは再度リコールを開始し、バッテリーサプライヤーのLG Chemと共同で火災の根源となる問題を追求するとし、現在はボルトの生産を停止することとなっていますが、さらに「立体駐車場に駐車する場合には、最上階や、屋根がない”開けた”ところで、他のクルマから15メートル以上離れた場所に駐車するように」という警告をオーナーへと送っており、これによって「火災が発生した場合に、構造物や他の車両の被害を軽減できる」とも。
さらにはリコールの規模を14万台にまで拡大すると追加にて発表し、これによってリコール費用は当初計画の10億ドルから18億ドル以上に膨らむものと見られています。
こういった状況になってしまうと、もう「ボルト=燃える」というイメージが一般に定着してしまい、「夜、寝ているときに燃えるのでは」という恐怖が人々の間に芽生えてしまえばもう誰も買わなくなってしまいそうです。
となれば今後「ハマーEV」「キャデラックのEV」「コルベットのPHEV」にて一気にエレクトリック化を進めるGMにとってはかなりな痛手になるのかもしれません。
「燃える」メーカーがあれば「燃えない」メーカーも
なお、ボルトやヒュンダイ・コナEVのように「けっこうな確率で燃え、全数リコール」となるメーカーもあれば、BMWやメルセデス・ベンツ、ポルシェのように「まだEVが燃えたという話を聞かない」例も。
テスラもいくつかは燃えているものの、販売台数を考慮すればさほど高い比率でもなく、かなり優秀な部類だと言って良さそうです。
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