| ただしオマージュ元のBMW 327のグリルもデカかった |
欧州ではけっこう他社のクルマをデザインするインハウスデザイナーが多いようだ
さて、現在様々な議論を巻き起こしているBMWのデザインですが、今回はアルファロメオのデザイナーであるジェフリー・ディセンブリー氏、ピニンファリーナにてインテリアデザインを担当しているピエール・セネレ氏が共同にて「BMW327-2オマージュ」を作成して公開しています。
このプロジェクトの目的は「1930年から1950年のBMWを再発見すること」で、文字通りのデザインスタディであり、現在のBMWデザインを批判したり、代替案を提案したりすることではない、と主張しています。
BMW 327とは?
そしてオマージュ元となるのはその名からかわるとおり「BMW 327」ですが、これは1938年に発表されたラグジュアリーモデルで、「328の車体に、326のフロントサスペンションとエンジンを組み込んだ」という、まさに328と326との中間に位置しています。
全長4500ミリ、全幅1600ミリ、全高1420ミリというサイズを持ち、搭載されるエンジンは2リッター6気筒(80馬力)で、ボディ形状はクーペとカブリオレの2種が製造されたようですね(2年間のライフのうち、総生産台数は1396台、うちカブリオレは410台)。
BMW 327-2オマージュ・カブリオレはこんなクルマ
そしてこちらがアルファロメオとピニンファリーナのデザイナーによって考案された「BMW 327-2オマージュ」。
まずはカブリオレ版を見てみたいと思いますが、全長4,475mm、全幅1,900mm、全高1,330mmという比較的コンパクトなサイズを持っています。
大径ホイール、大きなヘッドライト、BMW327を意識したと思われるバーチカルキドニーグリルを備え、基本パーツのすべてが「大作り」。
コンセプトカーのレンダリングにしては珍しくナンバープレートが装着されていて、アルファロメオのように「フロントバンパーの片側に」寄せて取り付けられています。
非常に短いフロントオーバーハングを持っていますが、タイヤサイズがかなり大きく、ある意味ではSUVのようにも。
ちょっと面白いのはヘッドライトの両端がボンネットとフェンダーとの境界線を形作っていることで、さらにそのラインはドアミラーにまで続いていること。
リアタイヤの直径が大きいため室内空間が圧迫されるのか、リアシートは2人がけ、そして中央に寄っています。
テールはランプ含めて「Z4的」。
テールパイプを確認できるため「ピュアエレクトリックモデル」ではなさそうですね。
BMW 327-2オマージュ・クーペはこんなクルマ
そしてこちらは BMW 327-2オマージュ”クーペ”。
屋根がついただけですが、結構雰囲気が変わることには驚かされます。
Aピラーや三角窓、Bピラーが後方へ向けて傾斜しており、ホフマイスターキンクとの関連性が感じられるのが面白いところ。
ルーフはかなり長く、リアウインドウが小さいために「Z3クーペ」「Z4クーペ」「Mクーペ」を連想させますね。
ちなみにテールエンドのデザインはカブリオレとクーペでは全く異なり、クーペではテールランプがリアウインドウ脇に内蔵され、テールエンドはコーダトロンカ風に。
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こちらはドアやハッチを開いた状態。
BMW 327-2オマージュのインテリアはこうなっている
そしてこちらはBMW 327-2オマージュのインテリア。
「ブランドの過去と未来をつなぐものとして、レガシーとオーダシティの間に橋を架けたい」というデザイナーの思いが込められており、未来的なステアリングホイールに加えデジタルコックピットが採用されています。
なお、センターコンソールにはあえて大きなディスプレイを配置せず、つまりこれは「ドライバーオリエンテッド」ということを示しているのでしょうね。
一方、助手席前にあるグローブボックスには透明の扉が装着され、収納物が見えるように。
BMW 327-2 Hommageは、もちろんデジタルワールドのみに存在するデザインスタディに過ぎませんが、二人のデザイナーが過去に触発されながらもそれを真似ることなく、未来の自動車にレトロな要素を吹き込んでいることを示しています。
ま最新のM3/M4に採用されて話題となったBMWのバーティカル・グリルを別の形で取り入れていることも注目に値し、なかなかに面白い作品でもありますね。
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参照:decembry, pierre_snlt_design