
| この買収案は誰にとっても損はないように思われる |
この記事のもくじ
きっとマクラーレンにとっても「救いの手」となるはずだ
さて、BMWとアウディが「マクラーレンの買収を目論んでいる」とのこと。
ただし両者の目的はちょっとずつ異なっていて、BMWはマクラーレンの乗用車部門(マクラーレン・オートモーティブ)を、そしてアウディはマクラーレンのF1チーム(マクラーレン・レーシング)を狙っている、と報じられています。
なお、マクラーレンはコロナウイルスのパンデミックによって急速に業績が悪化しており、すでに本社を売却したほか、テクノロジー部門(マクラーレン・アプライド)も民間投資会社へと売却済みだと報じられていますね。
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なぜBMWがマクラーレンを?
そしてなぜマクラーレンがBMWを欲しがるのかということですが、これについては「BMWがスーパーカーを作りたいと考えているから」。
BMWはかつて「M1」にてスーパーカー市場へと参入していて、このときに手を組んだのがランボルギーニ。
つまり乗用車メーカーが(いかに実績があるといえど)スーパーカーを発売することは技術的に容易ではなく、スーパーカーメーカーの力を借りる必要があるという事実を示唆しており、実際にBMWは当時ランボルギーニの買収を計画していた、とも。
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ちなみにBMWは(当時)同社初となるSUV、X5を開発・発売するにあたり、その分野での豊富な経験を持つランドローバーを買収したことがありますが、開発終了後はフォードへと(ランドローバーを)売却しています。
参考までにですが、フェラーリが初のSUV「プロサングエ」を発売するに際し、もっとも苦労しているのは「車高が高く、荷物を載せたり載せなかったり、乗員数の変化が大きい」SUVならではの特性だといい、つまりこれは今までフェラーリが積んできたノウハウを活かしにくいということになり、つまりは「ひとつの分野を極めた自動車メーカーであっても、その他の分野ではほぼゼロベースでのスタートとなる」ことを意味しています。
そしてBMWに話を戻すと、BMWはかねてより自社開発のスーパーカーを発売したいと考えていると報じられ、とりわけライバルたるメルセデスAMGが「GT」を発売している状況において、なおさらその意向が強くなっているのかもしれません。

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BMWの役員「一生に一度は胸を張れるスーパーカーを作りたい」。やはりBMWはここに手を出すか
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ただ、現在のBMWには自社にてスーパーカーを開発するだけのノウハウそして余力がなく、ちょっと前には「BMWはスーパーカーの開発をマクラーレンに委託する」といったウワサも。
さらにBMWはかつてマクラーレンにエンジンを供給していたこともあって、両者のつながりは皆無ではなく、いまの状況において、マクラーレンがBMWに吸収されるというのはある意味で理想的な解決策なのかもしれません。
そうすることでBMWは自社にてスーパーカーを開発するためのリソースを確保することになり、マクラーレンは資金的なバックアップを得ることになり「SUVを作らずに存続する」ことが可能となる可能性もありそうです(マクラーレンがエンジンやノウハウをBMWに”売ったり”、開発請負にて収入を得ることになる)。
なぜアウディがBMWを?
そしてアウディのほうに視点を移してみたいと思いますが、アウディ含むフォルクスワーゲングループは以前からF1に対して非常に強い関心をいだいており、前ランボルギーニCEOであるステファノ・ドメニカリ氏をグループに招き入れたのも、同氏が「スクーデリア・フェラーリの代表を努めていた」、つまりF1に関するノウハウを持っていたからだと考えて良さそう。
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加えてアウディ、フォルクスワーゲン、ポルシェはたびたびF1への参戦が報じられており、ポルシェに至ってはF1用エンジンを開発していたという事実もあって、フォルクスワーゲングループとしては「マクラーレンの買収」が理にかなった選択だ考えてよく、現在上り調子のマクラーレンF1チームを「安く買える」であろうこの機会を逃さないかもしれませんね。
現在マクラーレンのF1マシンはメルセデスAMG製のパワーユニットを積みますが、これをアウディもしくはポルシェに積み替えることで、F1においてもその存在感を強めることができそうです。
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