| ランボルギーニは今回の移籍を歓迎しない? |
さて、先般よりウワサのあった「ランボルギーニCEO、ステファノ・ドメニカリ氏がF1のボスに就任」という件。
どうやらこれは事実であったようで、今回ランボルギーニから公式に「ステファノ・ドメニカリCEOが2021年1月からあたらしくプロフェッショナルな役割に就くためにランボルギーニを離れる」という声明が出されることに。
なお、ランボルギーニは直近のプレスリリースについて、ステファノ・ドメニカリCEOの名ではなく、ジョバンニ・ペロシノCCOの名を前面に出しており、ランボルギーニ内部では「ステファノ・ドメニカリ氏退任の準備」が進んでいるものと思われます。
F1関係者はフェラーリ出身者で固められることに
そして一方のF1からも正式に、「チェイス・キャリー氏の後任としてステファノ・ドメニカリ氏が就任する」というコメントが出されており、ステファノ・ドメニカリ氏自身も「F1は私の人生の一部であり、イモラで生まれ、今はモンツァに住んでいる」とも語っています。
なお、F1の会長であるジャン・トッド氏、マネージングディレクターのロス・ブラウン氏ともにフェラーリ出身なので、ここにステファノ・ドメニカリ氏が加わればF1のマネジメント要員がフェラーリ出身者で固められることになり、そうなるとF1にもなんらかの変化が現れるのかも。
フェラーリはちょっと前までは「独立して別のチャンピオンシップを立ち上げる」等現在のF1に反対する行動を示唆していましたが、もしかすると今後F1をコントロールするだけの力を「今」手に入れたということなのかもしれません。
ただ、ランボルギーニも同氏の「新たなる役職」つまりF1のCEO職について具体的に言及していないのは留意すべき点で、もしかするとランボルギーニは公的にそれをコメントできないのかもしれませんが、ランボルギーニとしてはそれを歓迎していない可能性もありそうです。
ステファノ・ドメニカリ氏はフォルクスワーゲングループの「F1参戦」を担当するはずだった?
ステファノ・ドメニカリ氏は1965年生まれで、幼少の頃よりモータースポーツに親しみ、ボローニャ大学卒業にはフェラーリへと入社。
フェラーリでは経理を担当した後にスポーツ部門、ロジスティクス部門等を経験しており、その後ジャン・トッド氏の後任としてスクーデリア・フェラーリ(F1チーム)CEOへ就任することに。
ただしF1においては華々しい実績を残せず、2014年にアウディに移っていますが、これは当時アウディ(もしくはフォルスクスワーゲンやポルシェなど、グループ内ブランドのいずれか)がF1参戦を考えていたからだと推察されていて、しかしその後発生したディーゼル不正事件によってF1参戦計画そのものが消滅しています。
そして現在もまだフォルクスワーゲングループとして「F1参戦」を諦めてはいないように見え、「ポルシェのエンジンを積んだマシンにて、フォルクスワーゲン名義にて参戦」というウワサも以前から絶えず、そしてその時に備えてステファノ・ドメニカリ氏を手元においておきたかったのかも。
さらに、いかにアウディに在籍しランボルギーニCEOを努めたといえど、ステファノ・ドメニカリ氏が「ランボルギーニよりフェラーリに忠誠を尽くす」だとろうということも想像に難くなく、よってランボルギーニ、そしてフォルクスワーゲングループにとって、今回の「ステファノ・ドメニカリ氏がF1のCEOに」という話は歓迎せざるものだとも考えられます。※実際に、ランボルギーニからの発表は事務的であり、極めて短い
参照:Lamborghini