| おそらくは海外の自動車メーカー含め「ほとんどのEVは中国で製造され、世界中へと輸出」されることになるだろう |
家電や電子機器同様、この流れを避けることは難しいものと思われる
さて、中国では「販売される新車のうち、約32%がEVになった」と報じられていますが、さらにEVに対する需要は増え続けているといい、4月だけでも20車種ものEVが発売された、とのこと。
なお、この20車種というのは中国ブランド、そして海外の自動車メーカーが中国企業との合弁経由にて発売するブランドの製品を含むそうですが、中国の消費者にとっては文字通り「日ごとに」その選択肢が増え続けているということになりそうです。
現在中国で購入できるEVは90車種以上
現在中国で購入できるEVは90車種以上あるといい、その中でも高い人気を誇るのがSUV。
もともと中国ではSUVの人気が高く、電気自動車だけではなくガソリン、ハイブリッド、PHEVなどすべての動力源を含めた新車販売においても、およそ40%がSUVだとされ、となるとEVの人気がSUVに集中するのもごく自然な流れであり、かつ最近発売されるEVも「SUVばかり」となっていそう。
「電動SUV」のみに絞った統計だと、モデルYを有するテスラがシェアナンバーワン、しかし次いでBYD、アイオン(Aion)、ネタ(Neta)、フォルクスワーゲン、ニオ(Nio)がそれに次ぎ、(昨年のデータではありますが)電動SUVの販売は上位10ブランドが84%を占めているというので、それ以下にとってはかなり厳しい状況だといえるかもしれません。※中国のEVメーカーで黒字化しているのはBYDだけだと言われていたが、最近の報道ではNioも黒字化を果たしたようだ
なお、現在の中国市場は「アメリカと欧州を足したくらい」の規模にまで成長しつつあるので、「数%」であっても相当に大きな規模であるのは間違いなく、多数のEVメーカーがシェアを競ったとしても「十分に市場規模が残されている」可能性もありそうですね。
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中国のEVメーカーは「輸出」に活路を見出す
なお、この中国における「EV需要の急増」につき、テスラが一連のモデルを値下げした後に生じたものだとされ、現在では「再値上げ」トレンドに移りつつあるものの、それでも現在のテスラ・モデルYの価格は昨年10月に比較すると20%ほど安い状態なのだそう。
よってXpeng、Leapmotor、BYDといった現地自動車メーカーも値下げによってテスラに対抗して、Geely(吉利)傘下のZeekrも最近、中国でコンパクトクロスオーバー「X」を発売し、テスラ「モデルY」より約28%安い価格からスタートすることを明らかにしています。
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つまり現在は「いかに市場が大きいといえど、中国国内でのEV販売競争が激化している」状況であり、そのため中国の自動車メーカー、そしてフォードやルノーなど中国でEVを製造している(もしくはする予定がある)外国の自動車メーカーが次の一手として捉えているのが「輸出」。
つまり中国でEVを生産したとしても中国内では「売れない」可能性があり、しかし生産しないことには設備を遊ばせておくことになり、よって生産したEVをなんとかしないといけないわけですが、まだ”中国よりは競争が緩い”海外市場にて販売することでバランスを取るということになりそうですね。
なお、中国は自動車のみならず、家電や電子機器においても「世界の工場」として機能しており、そのため自国での生産をやめてしまった家電メーカーや、そもそもそのジャンルから撤退してしまったメーカーも存在します(日本の家電メーカーでも、テレビや白物家電から撤退したところが少なくない)。
よって、そのうち(中国外の)自動車メーカーも「自国での生産を終了させる」「そもそも自動車ビジネスから撤退する」といったところが出るのかもしれません。※セアトは数日前に(自動車メーカーなのに)自動車事業から撤退すると報じられている
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参照:Reuters