| これでタイヤ購入後にレターを入れなくて済む |
ピレリがレター入りタイヤを発売。
レター入りのタイヤはF1でもおなじみで、市販車だとランボルギーニ・アヴェンタドールLP700-4ピレリ・エディションに装着されたのが先駆けだと認識していますが、その後はアフターマーケットにてこの「レター入り」カスタムタイヤの人気が加速。
今回はピレリが公式にて市場の要望に応えてくれた、ということになりますね。
これはPゼロ、ソットゼロ(ウインタータイヤ)両方に対応するもで、まずは19インチ以上からのリリーズ。
サイズ的にはスーパーカー/ハイパーカーのみの対応ですが、今後はより一般的なサイズに拡大展開する、としています。
選べるカラーはレッド、イエロー、ホワイト、グレーですでに先行オーダーも受付中。
アフターでのレタリングだと剥がれたり色あせたりといったケースもありましたが、ピレリによるとメーカー純正だけに「対策は万全」だそうで、仕様による劣化がない新素材を用いてプリントされているそうです。
なおこの「レター入り」タイヤはピレリ特有とも言えるもので、他メーカー(ミシュランやブリジストン)が真似すると一発で非難の対象になりそうであり(ブランド価値が下がる)、これによってハイパフォーマンスカーのタイヤ市場においてピレリは圧倒的優位性を発揮できるかもしれません(ぼくもタイヤ交換することがあれば、これを選びたいと思う)。
加えてアプリ「ピレリ・コネッソ」を発表し、これはドライバーに「タイヤがどう働いているか」を教えてくれるというもの。
タイヤに内蔵されたセンサーが空気圧、温度、接地面積、走行距離などを教えてくれるもので、かなり有用そうですね(夏以降にアメリカ、欧州、日本で展開予定)。
関連投稿:ピレリがF1風カラータイヤ「Pゼロ・カラーエディション」を日本でも導入
ピレリが日本でもタイヤのサイドウォールにグラフィックとレターの入る「Pゼロ・カラーエディション」を導入する、と発表。
元はというと2014年に発表された「ランボルギーニ・アヴェンタドール・ピレリ・エディション」に装着されたレター入りのタイヤに端を発しますが、その後チューナーはこぞってこれを導入。
ただしこの時期はピレリがレター入りタイヤをオフィシャルで供給していたわけではなく、チューナーがレターを独自に入れていた、という状況。
↓ランボルギーニ・アヴェンタドール・ピレリ・エディション。実際の発売時には(当時の技術に起因してか)タイヤにおけるレッドの発色があまり良くなかった
日本でもタイヤにレターを入れる(タイヤプリント)ショップがありますが、やはり定着性に問題があり、しかし今回オフィシャルでピレリがレター入りタイヤを発売したのは画期的。
ピレリが標準で用意するカラーはシルバー、ホワイト、イエロー、レッドの4色で、これ以外にも受注生産で対応できる、としています。
欧州向けとしては3月のジュネーブ・モーターショーで発表されたのちにランボルギーニ、マクラーレン、パガーニへ装着され、その後はアストンマーティン、ベントレー、フェラーリ、ポルシェにも拡大予定。
日本でも随時対応を拡大してゆき(まずは19インチから予約受付開始)、アウディやフォルクスワーゲン向けも発売する、とのこと。
日本向けとして純正装着される第一号は「マセラティ・ギブリ・ステカナート」で、これはマセラティのF1優勝60周年記念限定車となり、タイヤに入るカラーは「レッド」。
ピレリは2011年からF1へのタイヤサプライヤーとして活動していますが、F1用タイヤへのプリント(カラータイヤ)を通じて「革新的なラベリングシステムを開発」としています。
これによって性能に影響を与えず、カラーの光沢を維持し退色も防ぐことが出来るようになった、とのこと。
F1へのタイヤサプライヤーは「割に合わない」事業としてブリジストンやミシュランが撤退していますが、ピレリの場合はF1に採用される技術を視覚的に市販の製品へと反映させることに成功しており、とくにハイパフォーマンスカーオーナーの間においては「F1公式サプライヤ」という安心感とともに絶対的な支持を集めることになりそうです。
タイヤ以外にも様々なサプライヤーやスポンサーがF1に参入していますが、「見てわかる」技術のフィードバックとしてはこれ以上のものは今まで無かったかもしれませんね。
ピレリが中国企業「China National Chemical Corp. (ChemChina)」に買収されることに。
買収金額は約9200億円、とのこと。
ピレリは世界第5位のタイヤメーカーとのことですが(もっと大きいと考えていただけに意外。ブリジストン、ダンロップ、ミシュラン、グッドイヤーあたりが上?コンチネンタルは??)、イタリアンスポーツ御用達のタイヤであっただけに、今後はなんらかの変化があるかもですね。
また、VWアウディグループにおいて発表されていた「ピレリ・エディション(VWゴルフやランボルギーニ・アヴェンタドール)」も今後はもう無しかもしれません。
BMW iシリーズのバッテリーはサムスン傘下の企業が供給しているとのことですが、同じく韓国企業のハンコック(タイヤ)製品が純正装着される車も増えていますね。
ここへきてピレリが中国企業になると、中国製品や韓国製品が車に占める比率がぐっと上昇しそうで、さらに中国企業は欧米の企業(日本も)の買収も進めそうであり、ちょっと怪しいことになりそうです。
ちなみに中国は国策として外国企業の買収を進めており、世界中の産業を牛耳る計画を持っているようで、一定のシェアを獲得した後は値段を吊り上げたりしそうでもあり、今後の動向は非常に気がかりです。
今のところは外国企業を中国へ誘致し、しかし現地法人設立時には過半数を中国側に持たせなくてはならず議決権は中国側に残すようにしており、それによって技術移転を図っているように見えます。
現地法人で作ったものは価格が安いので内需に向けて、そして今回のピレリのように、買収した外国企業は外需に向けて販売するのでしょうね。
ピレリは今回の買収によって上場廃止となりますが、中国企業が持ち株会社となりピレリの利益を中国側で参入する(貿易黒字幅の縮小に貢献できる)のかどうかは不明。
中国の動きを見ていると、「予想しているよりも世界は悪い方向へ動きそうだ」という印象をぼくは抱いています。