ダイヤモンド・オンラインにて、「日産の米国販売が危ない」という記事が掲載。
日産自体は米国での販売を重視しており、そのため投入する新型車も米国市場中心のものであったりと日本市場はあまり考慮されていないケース(二の次)が見られますが、その主戦場が危機、ということですね。
記事によると、米国市場での販売が伸びているのに「利益が大幅減少」している点に焦点を当てており、その理由は大きく二つで、1)値引き、2)法人販売としています。
値引きについては文字通り販売にあたって安売りをしているとのことで、これが利益を圧縮している、と指摘。
ただ値引きをするのはディーラーなので日産本体には影響がないようにも思いますが、どうやら日産本体が「値引きの原資」を提供しており、これをもとにディーラーが値引き販売をおこない、「台数を伸ばして」いる模様。
もちろんこれは「健全」ではなく、商品力によって販売が伸びているわけではないので、非常に危険な傾向、と言えます。
値引きをストップすると売れなくなりますし、継続すると体力を削がれる、ということですが、麻薬と同じで、いっときの快楽に溺れると、抜け出せなくなるという現象のように思います。
二つ目の法人販売ですが、これは何が危険かというと、法人向けの大口契約(フリート販売)を獲得するために「審査を甘く」したり契約終了後の買い取り条件を有利にしたり価格を引き下げているとのことですが、フリート販売は一定期間経過後に車両の買戻しが生じるために収益性が低く、そして日産におけるこの比率はトヨタの10%に比べて15%と高く、直近だと30%にものぼる、とのこと。
買い取りの費用はもちろんですが、これを中古市場に放出すると中古相場の下落が生じるほか、そもそも法人が「倒産」したときの未払いリスクが高くなっていることを指摘しています。
要は「とりあえず販売台数を伸ばす」ために相当に危ない橋を渡っているということですが、この「ツケ」を払わなばならないときが迫っているということに。
日産本体ではありませんが、ルノーにおける排ガス不正(これも販売台数を稼ぐため)は25年前から行わており、カルロス・ゴーン前CEOもこれを認識していたとされ、穿った味方をすると「目前に迫ったルノー・日産の崩壊」を目前に、カルロス・ゴーンや中村史郎氏が「逃げ出した」とも考えられますね。
VIA DIAMOND ONLINE