Forbsによると、超高級車の販売が世界的に増加している、とのこと。
「超高級車」の定義は不明ですが、調査会社の統計では2016年における超高級車の販売台数は前年比+15.9%、過去最も多い28,500台になった、としています。
なお地域別だと最も増加したのは当然のように「中国(前年比+54.2%)」。
超高級車のシェアで最も多いのはベントレーの37%、フェラーリの24%、そしてランボルギーニ11%、ロールスロイス10%、アストンマーティン10%。
モデル別でもベントレーがコンチネンタル。フライングスパー、ベンテイガとトップ3を独占している、とのこと。
伸び率とは別に「販売数」を見ると米国が最も多く、世界販売の30%(8,377台)、2位は英国で4,600台、次いで中国の4,400台。
中国経済「失速」とは言われますがこの数字を見る限りではその勢いは衰えを知らず、各メーカーが中国市場を重視するのも良くわかりますね(とくに今年の上海モーターショーは盛況)。
同じくフォーブスが毎年公開している「長者番付」においても多くの中国人がランクインしており、当面この勢いは続きそうです。
ちなみに日本でもベントレーの販売は非常に好調で5年連続で伸びており、2016年の販売においてはベンテイガが20%を占めた、としています。
世界や日本におけるベンテイガの販売状況を見ると「超高級SUV」に確かな需要があることが見て取ることができ、各メーカーともこのカテゴリを目指すのは当然のことかもしれません。
ランボルギーニはウルス、ロールそロイスはカリナン、アストンマーティンはそれぞれDBXを投入することになりますが、あと2年後あたりの統計だと今回の順位が大きく変動しているかもしれませんね。
なおフォーブスによると超高級車市場の販売と億万長者の増加には因果関係があるとしており(当然と言えば当然)、ここ6年の億万長者の人数と超高級車の販売台数は下記の通り。
2011年 / 1,210人 / 19,454台
2012年 / 1,226人 / 21,908台
2013年 / 1,426人 / 23,525台
2014年 / 1,645人 / 24,848台
2015年 / 1,826人 / 24,585台
2016年 / 1,810人 / 28,493台
フォーブスが日本版長者番付公開。1位はトランプ効果の孫正義氏
世界のビリオネア番付公開。中国から多数がランクイン、日本からは33人
ベントレーによると、ブランドの若返りと永続を考え、より若いユーザーを獲得したいという意向を持っているようです。
具体的には30歳からの富裕層を狙っているとのことですが、実際にその年齢層のファンを獲得するにはより低価格帯の車やスマートなデザインが必要かもしれません。
より若いファンの獲得というところはどのブランドも頭を悩ませているところで、メルセデス・ベンツはしばらく前からこの課題に取り組んでいますね。
ジャガーも同様だと思われ、マセラティの不振においては若い顧客層を獲得できなかったことが原因かもしれず、ベントレーも今後の飛躍を考えると「他人ごと」ではないのかもしれません。
ファッションブランドでもそうですが、ブランドが歴史を積むにつれて顧客層も歳をとり、そのまま若返りができずに販売が落ちるというのが一般的な老化サイクルだと思われ、ベントレーがどういった手を使ってくるのかは(CEOがキレ者のデュラハイマー氏だけに)今後注目だと思います。