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納車が開始されたばかりの米新興EVメーカー「リヴィアン」に暗雲!テスラのライバルと目されるも、解雇した女性幹部から「男性優位のマッチョ文化」だと訴えられる

2021/11/13

納車が開始されたばかりの米新興EVメーカー「リヴィアン」に暗雲!テスラのライバルと目されるも、解雇した女性幹部から「男性優位のマッチョ文化」だと訴えられる

| リヴィアンは唯一、テスラに対抗できる可能性を指摘されていた自動車メーカーだったが |

女性役員が車内の問題を指摘したところ、報復のために解雇したと訴えられている

さて、米国ウォール・ストリート・ジャーナル紙が報じたところによると、アストンマーティンを辞して米EVスタートアップ、リヴィアン社の営業・マーケティング担当の元副社長に就任したローラ・シュワブ氏(すでにリヴィアンによって解雇されている)が、男女差別と報復を理由に、リヴィアンをオレンジ郡高等裁判所に提訴したのこと。

これによると、ローラ・シュワブ氏は、それまでアストンマーチン・オブ・ジ・アメリカズの社長を5年間務め、ジャガー・ランドローバーでも10年以上働いていた経験を買われ、2020年11月にリヴィアンへと入社しています。

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リヴィアンは「女性を疎外」

しかしながら、ローラ・シュワブ氏はブログ記事にて、リヴィアンに入社して「ほとんどすぐに、女性を疎外する有害なブ男性優位社会を経験した」と主張。

ローラ・シュワブ氏は、Rivian社の創業者であり最高経営責任者であるR.J.スカリンジ氏が「常に緊密な男性グループに囲まれていた」と語り、それらトップエグゼクティブには自動車業界関連の経験が不足していると指摘。

シュワブは、自分が出席すべき数多くの会議から外され、車両の価格や製造期限について何度も懸念を示したものの相手にされず、逆に経験の浅い男性の同僚が同様の懸念を表明して初めて、リヴィアンのチーフ・コマーシャル・オフィサーが対応することになった、とも。

つまり、リヴィアン社の重役やCEOは、(十分な経験を持つものの、女性である)自分の訴えには耳を貸さなかったものの、ほかの(経験が浅く、しかし男性の)意見には耳を傾けたということになり、この「あからさまな疎外感」により、シュワブは別の女性上級幹部に「販売計画や数量に関する会議に参加するよう」求めるも、この女性幹部もそのような会議から排除されていると聞かされ「男女差別」を思い知ることになります。

その後、彼女は人事部のビジネス・パートナーに懸念を訴えるも、わずか2日後、チーフ・コマーシャル・オフィサーとの会議に呼ばれ、その場で「組織再編」を理由に彼女だけが解雇された、というのが訴えにおけることの流れです。

ローラ・シュワブ氏は、ブログの中で「2人の高級女性役員が、自分たちの仕事に直接影響するこのような会議から外されるなんて信じられません。これはリヴィアンが誇りにしていた文化ではなく、それを変えるためには私が声を上げる必要があると悟りました」とコメントし、彼女が解雇された理由の「組織再編」については「単純に信用できない」と述べており、現時点ではその事実関係については不明です。

欧州と米国では労働環境が異なる?

なお、ビジネスにおいて、欧州だと女性はもちろん人種問わず「多様化」を歓迎する文化があるようですが、意外や自由の国アメリカでは男性偏重社会といった傾向もあるようで、ちょっと前にもハリウッドにて大きな問題が提起されていますね(もちろんすべての米国企業・団体がそうではない)。

そして、ローラ・シュワブ氏の場合は「アストンマーティン」「ジャガー・ランドローバー」という、英国ベースの企業にて働いてきたということもあり、いっそうアメリカの文化になじめなかった可能性もありそうです。

もちろんリヴィアンについてもその言い分がああるはずで、彼女を解雇するに値する正当な理由があるのだと思われますが、納車を開始したばかりのリヴィアンにとっては大きなイメージダウンとなる可能性があり、とくに期待していた「企業の大口発注」については影響が出る可能性もありそうです(アメリカのビジネスシーンでは、リスクコントロールの観点にて、実際はどうであるかに関係はなく、問題を指摘された企業との取引を嫌がる傾向がある)。

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参照:The Wall Street JournalMedium

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