ハッカーがテスラの自動運転（FSD）プログラムを解析→ゴッドモードを発見。これは「イーロンモード」と社内で呼称され、より高次の自律運転を実現するようだ

｜　テスラの「自動運転（FSD）」はなかなか思うようなレベルに達しないことで議論を呼んでいる　｜

現在はレベル2にとどまり、ホンダとメルセデス・ベンツ（いずれもレベル3）には水をあけられた状態

さて、ホワイトハッカーが、テスラの完全自動運転のベータ版（FSDB）ソフトウェアに隠された「ゴッドモード」を発見し、これがテスラ社内で「イーロンモード」と呼ばれていることを自身のTwitterにて明かしてちょっとした話題に。

なお、この「ゴッドモード＝God Mode」という言葉はゲーム業界に由来するもので、いわゆる「無双モード」でもあり、ソフトウエア業界だとWindows 10での「機能や設定への無制限アクセス」モードとしても知られていますね。

テスラの自律運転における「ゴッドモード」とは？

そこで今回発見された自律運転プログラムにおけるゴッドモード＝イーロンモードについてですが、実際にこれを発見しテストしたハッカーによれば「前方衝突警告がより頻繁に作動する」「ステアリングホイールのナグが大幅に減少する」もよう。

ちなみにこの「ナグ（nag）」というのは、自律走行中、ステアリングホイールから手を離すと「ステアリングホイールに手を戻すよう注意を促す警告」のことで、テスラの自律運転（自動運転）”レベル2”であれば、（自動車技術会＝SAEが定めた自律走行レベルの基準に従うと）たとえ自律走行中であってもステアリングホイールから手を離すことは許されず、これが許されるようになるのは「レベル3」から。

なお、様々なプロモーションによって「テスラ＝自動運転」という印象があるものの、実際にはテスラの自動運転については「レベル2」にとどまっていて、この先を行くのがホンダ（はじめてレベル3の認可を受けている）、そしてメルセデス・ベンツです。

テスラはようやく「レベル3」の認可を取得？

つまり、テスラは当初「売り物にしていた」自動運転（フルセルフドライビング＝FSD）について”実は他社に先行されている”というのが実情ですが、上述のナグが減少している、ということはテスラがレベル3の認可に向けて動いており、（まだリリースされてはいないものの）ゴッドモードではレベル3を実現できるということを意味しているのかもしれません。

参考までに、テスラは2023年1月にもFSDの大幅アップデートを示唆するも実現せず、5月にも同様に大きな期待を抱かせるツイートを行うも「やはり実現せず」。

よってテスラファンは「イーロン・マスクの主張する、画期的な自動運転の実現」については懐疑的（もともと期待していないので、アップデートが小規模にとどまっても、大きな失望はないようだ）というのが基本的な姿勢となっています。

もうひとつ参考までに、このホワイトハッカー氏によれば「ゴッドモードで走った600マイルは快適だった」とのことで、このゴッドモード＝イーロンモードが解禁になれば、レベル3の実現に一歩近づくことになる可能性も期待でき、これによって”懐疑的であった”テスラファンを歓喜させることができるのかもしれませんね。

Impressions after nearly 600 miles on 11.4.3 with Elon mode (could not get a non-Tesla car to try in time).
It went much better than the prior experiment obviously.
Many contributing factors. I was not as late so I did not mind as much (still ended up 5 minutes late solely

— green (@greentheonly) June 17, 2023

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参照：Greeen（Twitter）