| 「トヨタ、ホンダ」と「日産、スバル、マツダ、スズキ」との間には越えられない壁がある |
スズキ、マツダ、ヤマハについても「排ガス検査不正」が発覚。
これはSUBARU、日産と続いて燃費/排出ガス検査不正が判明した問題に絡み、国土交通省がその他のメーカーにも同じような事例がないかどうかを調査し報告するように指示していた結果、「やっぱり不正ありました」という報告が上がってきたことから判明。
スズキは8/9の午後1時、ヤマハは同日午後3時、マツダも同日午後3時と時間をずらして会見を行っていますが、各社の内容について見てみましょう。
スズキの場合は半数の検査が不適切
スズキでは燃費/排ガスの抜き取り検査において、本来「無効」な測定を「有効」としていたという問題が発覚。
静岡県内にある湖西、相良、磐田の3工場にて、2012/6~2018/7までの間に抜き取り検査を行った12,819台のうち、6,401台が「不適切」。
車種としてはアルトやスイフト含む30モデルだそうですが、「排出ガス・燃費への影響はなく、リコール(回収・無償修理)の予定はない」とのこと。
スズキによると”規定の走行モードに合わせられず車速が規定の範囲から逸脱し、その逸脱時間が許容範囲を超えた(「トレースエラー」した)ため本来無効とすべき試験結果を、有効なものとして処理した事案がある”とのことですが、現実的な数値に変わりはなく、他の検査や、二輪車の検査においては問題はなかったようですね。
スズキからのプレスリリースはこちら。
ヤマハは7件が不適切
ヤマハの報告書によると、スズキ同様、「トレースエラー」を有効として処理したものがあり、これは「7件」とのこと。
同じく「環境性能に変化はない」ようです。
ヤマハからのプレスリリースはこちらで、国土交通省への報告書もアップされています。
マツダは72件がデータ取扱不正
マツダが発表した内容だと、調査台数1,472台のうち(本社広島工場において、3年9ヶ月)、データの取扱不正があったのは72台。
いずれもカタログ性能との誤差はなく、データの改ざんもなかった、とのこと。
加えて、不正の見つかった検査以外では「不正ゼロ」との報告が出ており、原因や今後の対策についても言及されています。
マツダからのプレスリリースはこちら
トヨタ、ホンダには不正はなかった?
なお、国土交通省から各自動車メーカーへの指示は7/8になされ、「一ヶ月以内に」報告を義務付けていたため、8/8には各社からの報告が出揃っていた、ということに。
その中でトヨタ、ホンダの「不正」に関する発表がなかったところを見ると、この二社については不正はなかったのだと考えて良さそう。
こういった例は「リコール」にも見られ、以前にアップしたとおり、SUBARUとマツダは「リコール率」が高く、その内容もあまりよろしくはないようです。
内容がよろしくないのは「リコールの程度」という意味ではなく、不具合の発見が遅く、発見してもなかなか動いていない、ということ。
たとえば不具合を消費者からはじめて指摘されて気づき、しかもそれが何十件も重なったり、何ヶ月も経過しないとリコールを行っていない、ということですね。
反面、トヨタやホンダはリコールの発見も消費者からの報告ではなく自社のテストで発見する例が多く(つまり発売後にもテストを自社で継続して行っている)、ユーザーのクルマに不具合が起こる前に、ただちにリコールしていることが報告内容からも判断できます。
つまりは検査体制や報告体制、対応速度に差があると考えてよく、「トヨタとホンダ」、そして「SUBARUとマツダ」との差はここにある、と考えて良いかもしれません(ぼく自身、トヨタとホンダは何台か購入したものの、スバルとマツダの購入になかなか踏み切れない理由もここにある)。
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