| フェラーリの利益率は自動車業界ではブッチギリ |
BOERSE EXPRESS報じたところによると、フェラーリは2018年前半で「もっとも利益の厚い自動車メーカー」であった、とのこと。
これによるとフェラーリは1台あたり900万円の利益を得ているとのことで、その次はポルシェの210万円、そしてメルセデス・ベンツ、BMWそして、アウディはおよそ110万円、マセラティは55万円、ボルボは50万円、ジャガー・ランドローバーは10万円。
なお、「1台売るごとにマイナス」なのはベントレーで、1台毎に210万円の赤字が出ていると報じています。
これについて同メディアは「ベントレーはエレクトリック化のための投資が大きい」ことを理由として挙げ、現在稼いでいる利益以上を、将来のために投資している、ということになりますね。※ベントレーはもともと非常に利益率が高いブランド
さらにテスラもこれと同じ状況で、1台あたり140万円の赤字が出ている、としています。
ロールスロイス、ランボルギーニは利益について公表していないので今のところ「1台売ってナンボの儲け」は計算できず。
2017年通じての各メーカーの利益はこうなっている
なお、2017年通年にて計算した各自動車メーカー「1台あたりの利益」は下記の通り(主にブルームバーグの公表したデータから算出)。
フェラーリが今年(2018年)ちょっと落としているのは、「ラ・フェラーリ・アペルタ」や、70週年記念限定モデルの出荷が昨年に多く計上されていて、今年は大きな利益を得られるモデルがなかったからではないか、と考えています。
ベントレー・・・215万円
ポルシェ・・・194万円
BMW・・・48万円
メルセデス・ベンツ・・・47万円
アウディ・・・41万円
ランボルギーニ・・・52万円
トヨタ・・・26万円
フォルクスワーゲン・・・12万円
三菱・・・12万円
日産・・・7万円
ホンダ・・・5万円
ちなみにフェラーリのこういった「厚い利益」は限定モデル、そして1台「3億円から」と言われるワンオフモデル”フォーリ・セリエ”が貢献しているとされ、そのためにマクラーレン、アストンマーティンも個人からのオーダーによるワンオフモデル(いずれも1台3億円とされる)の受注を受け付けたり、ロールスロイスも「スウェプテイル」のようなオーダーメイドによるカスタム(こちらは15億円)を拡大したいと考えているのでしょうね。
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なお、こういった統計で注意する必要があるのは、これらの数字は「その自動車メーカーが稼いだ利益を、販売台数で割っただけ」である、ということ。
つまりフェラーリは世界中に展開している「フェラーリストア」や、アブダビにある「フェラーリ・ワールド」等から得られる利益やライセンス収入も算出のベースとなる「利益」に含まれているわけですね。
ポルシェだと「自動車業界最多」と言われる特許からの収入もあるでしょうし、他社からの開発や設計請負、コンサルタント料、ポルシェデザインの収益など、「自動車販売以外」の利益もここに入ります。
よって、そういった「自動車以外」のビジネスから得られる収益が大きければ大きいほど、「1台あたりの利益」も大きくなるということですが、これはもちろん「高いブランド価値や技術力があるからこそ」と断言できるところ。
その意味では「製品(クルマ)がブランド価値を作る」ため、こういった「副業」における収入を「1台あたり利益」算出のベースとして加えるのは妥当と言えるのかもしれません。
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VIA:BOERSE EXPRESS