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シャープがメルセデス・ベンツを特許侵害で訴えた裁判にて勝訴!ドイツ国内にて車両販売差し止めの権利を得たとの報道

2020/09/13

| 最近の自動車は使用される技術が「自動車業界」の枠にとどまらない |

さて、最近の自動車は多くの部分がエレクトロニクス化されており、これまで以上に技術開発争いが激化しています。

そして開発した技術を守るために行うのが特許の出願・登録ですが、これについては今まで以上に自動車メーカーそして異業種間での争いが激化しているのもまた事実。

最近だとメルセデス・ベンツ(ダイムラー)とノキアとの間の訴訟が報じられたばかりではあるものの、今回もメルセデス・ベンツがらみの裁判沙汰が明るみに出ています。

シャープは複数の自動車メーカーと訴訟案件を抱えている

今回のケースだと、メルセデス・ベンツを訴えたのは「シャープ」。

先般のノキアのケースとよく似ていると報じられており、対象となるのはモバイルテクノロジー(LTE企画特許)。

シャープが持つ技術を「許可なく」使用したとしてシャープがメルセデス・ベンツを相手取って訴訟を起こし、メルセデス・ベンツのお膝元であるドイツにてシャープが勝訴した、とのこと。

ちなみにシャープは日本でもテスラを相手取り、特許侵害を理由にテスラの輸入差し止めを裁判所に対し申し立てていますが、そのほかにも米TVブランドのVisio、中国のスマートフォンメーカーOPPOに対しても訴訟を起こしている、と以前に報じられたところです。

そしてシャープはドイツ国内にてメルセデス・ベンツの新車販売を差し止める権利を得たということになり、シャープが55億ユーロの保証金を支払えば実際に販売差し止めが可能になると報道されています。※なぜ勝訴したシャープが権利執行に際し多額の保証金が必要となるのかは不明

加えて、メルセデス・ベンツはこれを不服として別途「このシャープの特許は無効」とする訴訟をミュンヘンの連邦裁判所へと起こしている、という報道も見られます(つまり徹底抗戦の姿勢を見せており、事態は泥沼化する)。

これからの自動車メーカーは知的業務分野担当の拡大が急務

こういった訴訟を見るに、現在の自動車メーカーは「特許回避」「法務」といった分野の強化が急務だと思われ、これを怠ると投じた研究開発費がすべて無駄になる可能性も。

ただ、すべての特許を網羅することは不可能に近く(しかも車両開発中に、他社からどんどん特許が出願される)、しかし安全に先端技術を使用するには、「その分野のリーディングカンパニー」から技術を買うのが一番安上がりなのかもしれません。※特許を回避して新技術を開発することは難しく、コストもかかり、しかし結果的に役に立たない可能性も

こういった傾向は、自動車会社がこれまでとは異なる考え方を導入せねばならないという事実を示しているとともに、先端技術開発の重要性、そしてトップを走る企業の有利さを示しているとも考えられ、「トップに富が集中する」傾向をさらに加速させるのかもしれません。

これはSNSや検索エンジン、その他インターネット上のサービスにおいても同様のことが言え、「トップとその他」との差が大きく広がるということ、二極化傾向の拡大をあらわす事象のひとつだとも言えそうです。

参照: Automotive News

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