ヴァルキリー似の外観ながらもコクピットは「大幅に快適に」
アストンマーティンが突如そのミドシップハイパーカー「AM-RB 003」を発表。
これは先日ティーザー画像が公開された新型車ではありますが、まさかこんなに早く公開されるとは、という感じですね。
なお、アストンマーティンのクルマとしては珍しく「名称」を持たず、「型番」のみでの公開となっています。
AM-RB 003のサマリーは下記の通り。
- AM-RB003はレッドブル・アドバンスト・テクノロジー(RBAT)が開発に参加
- AM-RB003はヴァルキリー、ヴァルキリーAMR Proに次ぐ第三のミドシップ・アストンマーティン
- レッドブルはAM-RB003のシャシーとエアロダイナミクスを担当
- AM-RB003は新開発のV6ターボ+ハイブリッドを採用
- ドライビングダイナミクスのセットアップはマット・ベッカー氏とクリス・グッドウィン氏(マクラーレンから引き抜いたテストドライバー)
- AM-RB003全体の開発を率いたのはフレイザー・ダン氏
- 開発チームはレッドブルのモデリング技術とシミュレーションテクノロジーを活用
- AM-RB003はアストンマーティンのアドバンスト・パフォーマンス・センターにて開発
アストンマーチンAM-RB003のターゲットはフェラーリやマクラーレンのハイパーカー
アストンマーティンによるとAM-RB003はもともと「プロジェクト003」として進められていたもので、現段階では「デザインコンセプト」(よって市販時には何らかの名前が与えられるのかも)。
AM-RB003はいわばヴァルキリーの弟分ということになりますが、開発にレッドブルが参画していることでもわかるとおりF1直結の技術を採用。
なお、生産台数は500台に制限される、とのことで、激しい争奪戦が繰り広げられることになりそうです(すでに完売しているのかも)。
アストンマーチンのデザインディレクター、マイルズ・ニュルンベルク氏によると「AM-RB003はヴァルキリーの影響を強く受けている」とのことで、それはフロントの”キール(竜骨のような部分)”、リアの巨大なディフューザーに顕著。
なお、リアウイングは航空機における次世代モーフィング技術を採用しているといい、ということは単なるアクティブエアロではなく「連続変形」すると考えて良さそう。
マクラーレン・スピードテールもリアエンドが連続変形しますが、今後のハイパーカーにおいてはこの技術が主流になるのかもしれません。
ちなみにこの技術は「FlexFoil(フレックスフォイル)」と名付けられ、開発したのはNASAにも技術を提供しているFlexSys社。
解説によると「物理的にその構成部品の全体的な角度を変えずに」ダウンフォースを増加させ、パフォーマンスと効率を向上させながらも風切り音を低減させることができる、としています(となるとやはり表面がうねるように変形するのかも)。
そのほかヴァルキリーとの共通点としては「小型ヘッドライト(ただしグラフィックは異なる)」が挙げられ、これはデザイン上の特徴となるだけではなく軽量であり、さらにはヘッドライトとテールランプとをあわせても「アストンマーチンDB11のヘッドライト1個にも満たない重量」。
AM-RB003とヴァルキリーとの最大の相違は「コクピット」
AM-RB 003とヴァルキリーとの最大の相違は(エンジンを除くと)コクピットのサイズだといい、AM-RB003はヴァルキリーに比べて快適で、ドアの開閉方法も「LMP1スタイル」で乗降がしやすい、としています。※ヴァルキリーでも世界中の成人男性の体型のほとんどをカバーできる、とされていた
更にはセンターコンソールも広く、ドライバーと助手席とのスペースも大きく、シート後方には荷物を入れるスペースも(センターコンソールには財布を置くスペース、ダッシュボードにはスマートフォンを装着する場所もある)。
そのほか、内装については3Dプリンタを使用したパーツが多用され、これらは軽量化に貢献するとともにデザインの自由度が高いパーツの採用が可能となったようですね。
現時点ではAM-RB003のスペックについては未公開ですが、これは「開発が完了した後に公開する」とのこと。
ちなみに使用されるV6エンジンはアストンマーチンの内製となり、これによって現在DB11やヴァンテージに採用されるV8ツインターボエンジンの使用を今後(DB11やヴァンテージでも)見送る可能性も出てきそうで、というのもアストンマーチンは常々「AMG製のV8ツインターボエンジンは、代替手段を確保するまでの暫定」と述べているため。
まだまだ開発に時間はかかるかもしれませんが、続報を待ちたいところですね。
VIA:Astonmartin