| やっぱり高級車はフロントが長くないと優雅さが感じられない |
さて、中国出身、そして現在はロサンゼルス在住のカーエクステリアデザイナー、ジャッキー・ハン氏の考えた2030年のアストンマーティン、「ヴィゴラス(Vigorous)」が公開に。
これはDBXをさらに「クーペ風へと」変更した流麗なスタイルを持つクロスオーバーで、一見すると4ドアのように見えるものの、2枚はラゲッジ用、そして残る2枚のみが乗員用という構成を持つ「事実上の2ドアクーペ」。
フロントに荷物を積むという逆転の発想
なお、多くのSUVはフロントにエンジンを搭載しているので車体後部に荷物を積まざるを得ず、よってキャビンが(乗員用空間と荷室空間とを拡大するために)前方に移動してしまい、その結果どうしてもミニバン的ルックスになってしまって優雅さが失われます。
反面、このアストンマーティン・ヴィゴラスはフロントの小さなドアが開いて荷物を収容することができ(専用ラゲッジでないと無理っぽいですが)、フロントを長く取ることでアストンマーティンらしいルックスを実現しているようですね。
上から見るとこう。
ジャッキー・ハン氏によると、「この革新的なリパッケージング・ソリューションは、電気モーターと特徴的なロングボンネットによって実現できた」といい、これを「ダッシュ・トゥ・アクスル・ラゲッジ」と命名。
ちなみに、同様の理由からか、かつて(2017年)に発表されたヴィジョン・メルセデス・マイバッハ6カブリオレもフロントへとラゲッジを収納するシステムを持っており、これもやはり電動パワートレーンが可能にした方法だと考えられそうですね。
未来のクルマは「高級パーソナルモビリティ」と「公共交通交通機関」に二分する?
ボディカラーはアストンマーティンらしいグリーンを採用していますが、これがなくとも各部の特徴が「アストンマーティンである」ことを語っていて、非常に秀逸なコンセプトモデルだと言えそうですね。
リアもやっぱり(現行モデルとは異なるデザインなのに)アストンマーティンだとひと目で分かるデザインですね。
なお、自動車業界自体がこれからどうなるのかは不明ですが、これまでのように「一人で複数台購入する傾向は少なくなるだろう」とも言われます。
その理由としては、自動車が「移動手段としてしか」見られなくなる傾向が強くなり、電動化されると「長期に渡って価値を維持できるコレクター向けの」クルマをリリースすることが難しいというもの。
たしかにこれらは十分にうなずけるもので、そのために各社とも公共モビリティに力を入れているのかもしれません(以前ほどではないような気もするが)。
あわせて、ブガッティのような自動車メーカーは、そういった時代であっても必ず富裕層が自分専用の「高級な移動手段」を求めると考えており、来たるべき時代へと向けてブランド価値をいかに上げてゆくかを考えているようですね。
加えて、今回のレンダリングのように、エレクトリックパワートレインが「ガソリン車にできなかったことを実現させてくれる」可能性もあり、自動車の形も大きく変わってくるのかもしれません。
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参照:Behence