| けっこう割り切った、面白いコンセプトを打ち出してきた |
さて、グラフィックデザイナー、Shijie Yu氏が2028年のアストンマーティン、「DBE1コンバーチブル」を公開。
名称から分かる通り2028年モデルそしてフルエレクトリックという想定ですが、面白いのは「シニア向け」というコンセプトです。
ターゲットは1960-1970年代始めに生まれた、そして比較的裕福な人々で、「クラシックなフィーリングと最新テクノロジー」との融合を目指した、とのこと。
ただ、「乗って欲しい」人々は”裕福なシニア”というだけではなく、ヤングアットハートな人、そしてドライビングを通じて若かりし日の情熱を呼び覚ましたい人たちだとしています。
ここまでドライバーに配慮されたスポーツカーは今までになかった
イメージとしてのインスパイア元は当然ながらアストンマーティンDBR1(左)。
DBR1とDBE1とを並べてみると、そのイメージをうまく現代(未来?)風に表現しているということがわかります。
なお、DBE1に採用されるホイールは「ワイヤースポーク風」。
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そして同氏の考える問題がこちら。
シニアが乗り降りするにはサイドシルが幅広すぎ、そしてシートポジションが低すぎる、ということですね。
そこで、変形する家具にヒントを得て、「シートを(乗降時に)変形させれば乗り降りが楽になるんじゃないか」と考えたそうです。
具体的にはこんな感じ。
運転中は低いシートポジションを持つものの、乗降樹にはシートバックの角度が立ち上がり、座面が持ち上がることで乗り降りしやすく。
同時にステアリングホイールも前方に格納されることで、膝を動かしやすくなっているようですね。
加えて「エレクトリックカー」なのでフロントにエンジンはなく(モーターの位置は明記されていないが、おそらくは前後アクスル)、バッテリーはフロア下に。
そのため前後にはラゲッジスペースを設けることができて日常遣いにも対応しています。
スポーツカーとしてはリアオーバーハングが長い部類ですが、これはDBR1へのオマージュ、そして「本気でタイムを削る類のスポーツカーではない」ということなのでしょうね。
そしてBDBE1のコクピットはこんな感じ。
シンプルで優雅、そしてテクノロジーよりも懐かしさを感じさせるデザインです。
ダッシュボード、メーターあたりの造形もエレガント。
ダッシュボード、ドアパネル、トノカバーの一部は「ウール」のようなテクスチャですね。
セクシーそして優雅、なによる美しいスポーツカーですが、ターゲットを「シニア」と割り切ったことで実現できたコンセプトカーだと言えそう。
加えてアストンマーティンの雰囲気もよく捉えており、非常に秀逸なレンダリングです。
ちなみにアストンマーティンは「超高級エレクトリックブランド」として”ラゴンダ”ブランドの再起を予定していましたが(ローレンス・ストロール氏が経営権を握ったことでボツになった)、このDBR1こそ、「ラゴンダ」ブランドから登場させるべきクルマなのかもしれませんね。
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VIA:Shijie Yu