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グッドウッドでWV ID.Rを抑えコースレコードを打ち立てた超コンパクトなマクマートリー・スピアリングが市販化!「片田舎の小人がドイツの巨人を打ち倒した」

2022/06/30

グッドウッドでWV ID.Rを抑えコースレコードを打ち立てた超コンパクトなマクマートリー・スピアリングが市販化!「片田舎の小人がドイツの巨人を打ち倒した」

| まさかこのクルマがグッドウッドにて多くのライバルをなぎ倒すとは誰も予想だにしなかっただろう |

市販化に際しては多くの課題がありそうだが、多くの自動車メーカーの考え方を変えることになるかもしれない

さて、グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードにおいては様々な名車や珍車が登場し、特にヒルクライムではレーシングカー含む様々なクルマが走行を行います。

そんな中でもっとも大きな注目を集めたのがアイルランドの小規模ファクトリー、「マクマートリー」。

このマクマートリーはEVスタートアップであり、現時点では市販車を持ちませんが、今回はスピアリングなるプロトタイプでグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードのヒルクライム競技へと挑み、23年前に1998年のF1マシン「マクラーレンMP4/13」が記録した41秒6を破り、さらにパイクスピークとニュルブルクリンクにて記録を持つフォルクスワーゲンID.Rの39秒09を0.01秒短縮して見事その栄冠を勝ち取ることに。

「片田舎の小さなクルマが巨人を倒す」

このマクマートリー・スピアリングは日本の軽自動車(長さ3.4メートル、幅1.48メートル以下)くらいのサイズである全長3.2メートル、全幅1.5メートルという超コンパクトなクルマであり、他のレーシングカーやスーパーカー、ハイパーカーに交じるとまるで「おもちゃ」のよう。

ただし実際にヒルクライムを走った動画を見ると、誰しもが一瞬絶句し(スタートから100メートルで時速240km/hに達している)、その後どよめき、そして万雷の拍手に変わってゆく様子がわかりますが、とにかく画面越しにも「とんでもなく速い」ことがわかります(ここ最近見た動画では一番驚いた)。

そしてこの実績もない、名も無いマクマートリー・スピアリングが、「世界最大規模を誇る自動車メーカーであるフォルクスワーゲンが(ディーゼルゲートで地に落ちた名声を挽回するため)、その規模にモノを言わせ、巨費と持てるテクノロジーすべてを投じて開発し、実際にパイクスピークとニュルブルクリンクの両方でコースレコードを樹立した」VW ID.Rという巨人に勝利したという意味は非常に大きく、これもまた多くの人々を驚かせた部分なのかもしれません。

マクマートリー・スピアリングが「市販」されることに

そしてマクマートリー・スピアリングがこのとんでもない記録を達成したのちにアナウンスされたのが「公道走行バージョンの発売」。

マクマートリーのマネージング・ディレクターであるトーマス・イェーツ氏によると「生産台数はごくわずかに絞られ、価格は最低でも100万ポンド(日本円で約1億7000万円)となります。ロンドンの中心部を走ることができ、そのままサーキットに持ち込むことができるようなクルマを提供します」。

現在このマクマートリー・スピアリング(スピアリング、もしくはスペアリングとは、古いアイルランド語にて雷雨という意味があるらしい)のスペックは明かされていないもの、おそらく出力は1000馬力以上、車体重量は1000kg以下(ブガッティ・ヴェイロンなみのパワーで、マツダ・ロードスターよりも軽い)。

パワートレーンは2つのエレクトリックモーター(後輪に1つづつ装着)、そしてこの速さの源となるダウンフォースを発生させるのは、地面の下の空気を吸い上げて車体を地面に貼り付ける2基のファン。

ただ、このマクマートリー・スピアリングは現時点で公道走行が可能な要件を満たしておらず、よってここからヘッドライトやウインカー、ワイパーなどの保安部品を取り付けたり、衝突安全基準を満たす必要があるほか、後方確認のためのカメラなど細かい装備を追加する必要も。

ただしそのコンパクトさは失われない

そこで気になるのが「市販化するにあたり、大人の事情にて肥大化してしまうのでは」ということ。

ただしこれについてはまったくの杞憂に終わる可能性が高く、というのも前出のトーマス・イェーツ氏がコンパクトさとシンプルさをヨシとしていること。

ロータス創業者の目指した「不要なものを排し、可能な限り軽いクルマを作る」ことを実践しているといい、実際にこのスピアリングの「次」のクルマについては更に小さくなることをほのめかしていて、無駄なスペースやモノが何もなく、驚異的にコンパクトで軽量な仕様を持つことになる、とも述べています。

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参照:Carbuzz

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