
| 次期「ウルス」はPHEV継続、完全EV化はさらに先送り |
ランボルギーニCEO「PHEVの継続は顧客のために非常に重要」
ランボルギーニは、すでに「ブランド初となるピュアエレクトリックカー(ランザドール)の発売時期を1年後ろ倒しにする」と発表していますが、今回は「完全電動化モデルとなる予定であったウルス後継モデルの構成を見直し、ピュアエレクトリックカーではなくPHEVとして発売する」とコメント。
これは同じフォルクスワーゲングループに属するベントレーそしてポルシェ同様の動きでもあり、ランボルギーニCEO、ステファン・ヴィンケルマン氏が英Autocarの取材に対し明確に述べたものです。
ウルスSE:現行最強の789馬力PHEVモデル
ステファン・ヴィンケルマン氏は、「(PHEVの)継続は我々にとっても、そして顧客にとっても非常に重要なこと」と語り、「ウルスが引き続き内燃エンジンを搭載することに顧客も満足するだろう」と述べているものの、次世代モデルでの具体的なスペックについては明かしていない、というのが今の状況。

現在の最新モデル「ウルスSE」は、4.0リッターV8ツインターボ+電動モーターの組み合わせによって最大出力789馬力、最大トルク701lb-ft(約951Nm)を発生しますが、これはウルス史上最強のスペックであり、次期モデルもこのシステムをベースに進化する可能性が高いと見られています(ベントレー・ベンテイガ、ポルシェ・カイエンと多くを共有することになりそうだ。なお、同じV8といえど、ウルスの性格、コスト的制約を考慮するに、テメラリオのV8を流用するとは考えにくい)。
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EV版「ウルス」は2035年以降に登場か
現行のランボルギーニの計画では、次世代「ウルス」はEVとして2029年に登場する予定であったものの、今回の決定によって完全なEV化は少なくとも2035年以降にずれ込む見通しとなったことが明らかに(PHEVパワートレインを積むウルス後継モデルの登場時期は不透明)。
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また、ランボルギーニ初のEVモデルとして予定されていた「ランザドール」の市販モデルもまた2028年から2029年へと延期されており、ランボルギーニでは今まさに「電動化全体のスケジュール見直し」が進行中といったところですね。

欧州の規制緩和と合成燃料に期待する声も
なお、今回のランボルギーニの「見直し」の背景には様々な事情が見え隠れし、やはり最大の要因は「ピュアエレクトリック化に顧客がついてこない」ことだと思われますが、これに加えて「EUによる内燃機関禁止のスケジュール見直し」が関係していることは間違いなさそう。
この「内燃機関禁止」については2026年に再検討が予定されており、合成燃料(e-fuel)の可能性次第では、内燃エンジンの延命が正式に認められる可能性も考えられ、ランボルギーニは(そしてポルシェも)「今後しばらくは内燃機関の延命措置が図られる」と予想しているのだと思われます。
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実際のところ、ランボルギーニもこの技術(合成燃料、代替燃料、E-フューエル)に期待を寄せており、「電動化一辺倒ではなく、合成燃料という選択肢があることも重要」とコメントしていますね。
結論:ウルスのEV化は先送り、顧客ニーズ重視の現実路線へ
今回、「急激なEV化に対する消費者の反発やインフラ整備の遅れ、各国規制の不透明性など」を受け、ランボルギーニは「現実的な戦略」へと舵を切ったということになりそうで、
ウルスのEV版を楽しみにしていた層には残念なニュースではあるものの、内燃エンジンの魅力を維持しつつハイブリッド技術で次世代に対応するという選択は、現段階では最も合理的な道だと言えるのかもしれません。
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参照:Autocar