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ロータス・エリーゼとヴィッツGRMNは同じエンジンを積んでいたことがリコールから判明!なおヴィッツGRMNは150台限定なのに214台も作られていた

2020/01/29

| たしかにヴィッツGRMNのエンジンはロータスチューンだと言われていた時期があったが |

さて、今回は「トヨタとロータスとが同じ内容(燃料装置/デリバリパイプ取り付け用スペーサ)でリコールを届け出」という案件を紹介したいと思います。
いったいなぜこういった事態が発生したかということですが、これは「ロータス・エリーゼに積まれるエンジンがトヨタ製だから」。
今回リコール対象となるエリーゼSPORT、エリーゼSPRINT、エリーゼCUP250はトヨタ製の1.8Lスーパーチャージャーつきエンジンを積んでおり、リコールの届出内容によると「本国メーカーからの情報によって」、つまりロータスからの情報によって日本におけるロータスの輸入代理店が「エリーゼ」を、そしてトヨタは同じエンジンを搭載する「ヴィッツGRMN」のリコールを届け出た、ということになります。

ロータス・エリーゼのリコール内容はこうなっている

そしてこちらがロータス・エリーゼのリコール内容。
対策としては問題のあるスーパーチャージャーのスペーサーとボルトを対策品に、そしてロケーティングプレートを新品に交換する、としています。

スーパーチャージャ搭載車両において、燃料配管(デリバリパイプ)を取 付ける樹脂製スペーサの材質が不適切なため、熱等によりスペーサが変形 して取付ボルトが緩み、エンジン振動等により当該ボルトが折損すること がある。そのため、インジェクタ取付部がシール不良となり燃料が漏れ、 最悪の場合、火災に至るおそれがある。

国土交通省

なお、実際に国内で問題が発生したのは0件、事故もゼロ。
対象となるのは平成24年5月17日~令和元年8月20日まで製造されたエリーゼSPORT/エリーゼSPRINT220/エリーゼCUP250(モデルによって製造期間は異なる)。
対象台数は539台だと届け出られています。

トヨタ側のリコールはこうなっている

そしてこちらはトヨタ側(ヴィッツGRMN)。
ヴィッツGRMNは「GR」より150台限定にて発売されたヴィッツのトップレンジ。
ベースモデルの1.5リッターNA(109PS)から1.8リッター・スーパーチャージャーへとエンジンを載せ替え、倍近い「210PS」という出力を発生するクルマ。
2017年の発表ですが、パフォーマンスはもちろん、その価格「400万円」も大きな話題となりましたね。

このリコールの動機については「他社からの情報による」ということで、つまりこれはロータスを指していると考えて良さそう。
実際の不具合件数、事故ともにゼロとなり、その不具合内容としては下記の通り(車体構造の相違から、ロータスとはちょっとだけ内容が違う)。

スーパーチャージャ搭載車両において、燃料配管(デリバリパイプ)を取付け る樹脂製スペーサの材質が不適切なため、熱等によりスペーサが変形して取付ボ ルトが緩み、エンジン振動等により当該ボルトが折損することがある。そのため、 インジェクタ取付部がシール不良となり燃料が漏れ、最悪の場合、火災に至るおそれがある。

国土交通省
l

改善措置としては「全車両、スペーサおよび取付ボルトを対策品に、インジェクタホルダを新品に交換する」と発表されていて、これはロータスとほぼ同じ内容となっています。

ただ、ちょっと不思議なのはリコール台数が214台であること。
ヴィッツGRMNは150台のみの限定販売ですが、それ以上作っていたという可能性もありそうです(もしくは+64台はディーラーやメーカーのデモカーである可能性も)。
ちなみに対象となる車両の製作期間は平成29年7月18日~平成30年1月29日(形式はNCP131)。

トヨタとロータスとの縁は深い

参考までにトヨタとロータスとの関係はかなり深く、そもそもトヨタはロータスの株式を一部所有していて(今はどうかわからない)、2代目セリカXX(1981年)開発時にはロータスが協力し、CMにはロータス創業者、コーリン・チャップマンが登場したほど。
さらにロータス・エスプリのテールランプは(時期にもよる)ハチロクと同じで、ロータス・エクセルに至ってはトランスミッションなどもトヨタ製。

今回のリコールでは「ロータス・エリーゼのエンジンと、ヴィッツGRMNのエンジンが一緒(2ZR-FE)」という事実がわかったことになりますが、トヨタとロータスとの関係性を考慮しても、そしてよくよく考えると納得ではあるものの、これはちょっと驚きではありますね。

そのほかアウディもリコールを2件届け出

そして同時期に届け出られたのがアウディのリコール(トヨタ/ロータスの案件とは関係がない)。
1件目の問題の内容としてはパワステホースで、対策としてはホースそのものを良品と交換する必要がある、とのこと。
対象となるのは平成22年12月7日~平成25年12月13日に輸入されたアウディA8、A8L、S8、そして合計台数は1,413台。
不具合の状況は下記のとおりです。

低圧側パワーステアリングホースにおいて、製造工程管理が不適切なため、当該ホース の長さが短くなっているものがある。そのため、取り回し角度が大きくなることで車両 振動等により当該ホースが損傷し、最悪の場合、パワーステアリングオイルが漏れ、ハンドルの操舵力が増大するおそれがある。

国土交通省
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そしてもう一件が「スイッチの文字剥がれ」。
かなり珍しいものですが、文字が剥がれると「読めない」、読めないと「機能しないのと同じ」だということになりそうです。

エンジン始動/停止スイッチにおいて、表面に記載されている文字の字体が不適切なため、 手汗などの油脂成分が付着すると、表面に施されたクロームコーティングの接着性が低下し、 当該コーティングの一部が剥がれるものがある。そのため、スイッチを操作する際に文字の鋭角部分に触れると、指先が負傷するおそれがある。

国土交通省
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対象となるのは平成22年8月19日~平成25年9月18日に輸入されたA4、RS4、RS5、RS6系となり、台数は合計で1,668台。

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