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ブガッティCEO「あと10年はW16エンジンを存続させる。そうしてブガッティはコレクターズアイテムとなり、芸術品に昇華するのだ」

2020/02/03

| ハイブリッドはやがてその輝きを失うとブガッティは考えている |

Autocarによれば、ブガッティCEO、ステファン・ヴィンケルマン氏が「ブガッティはW16クワッドターボエンジンを即座に捨て去るつもりはない。このエンジンはブガッティがブガッティであるための排他性を持っており、ブガッティの将来につながる」と語った、とのこと。
加えて同氏は「W16エンジン以外にも、ブガッティは(所属する)VWグループの持つ他エンジンを使用できる」ということ、そして「W16エンジンの重要性については、フォルクスワーゲンブループ会長、ハーバート・ディエス氏も納得済み」ということについても言及しています。

ブガッティはクルマを超越した存在であり続ける

ブガッティはその将来について方向性が二転三転していて、とくにシロンに加えて追加する「第二のブガッティ」のパワートレーンについては”ピュアエレクトリック””ハイブリッド”等様々な憶測が流れることに。
つまりブガッティは将来的にエレクトリックに向かうのかどうかということが未だ固まっていないということですが、今回の報道を見るに「ブガッティはガソリンエンジンで行けるところまで行く」ことにしたのかも。

今回の報道によれば、ステファン・ヴィンケルマンCEOは「遅かれ早かれガソリンエンジンは消滅すると思われるが、仮に(W16エンジンが)あと10年存続することができれば、それはガソリンエンジンを搭載する”最後のスーパースポーツ”になる。そして最後が意味するところは、コレクションアイテムとしての価値が上がるということだ」とも語っていて、つまりはガソリンエンジンを使用し続ける理由は「パフォーマンス」よりも「資産価値」という判断となりそうです。

そしてなぜハイブリッドを使用しないのかということについては「ハイブリッドを採用すれば、いずれは劣化するバッテリーを交換しなくてはならず、そうなるとそのクルマは”オリジナル”ではない。だが、ガソリンエンジンは違う。ガソリンエンジン車を購入するということは将来に対する”投資”なのだ」。

さらには「たとえばブガッティEB110の価格はどんどん上がっている。ヴェイロンの相場も上昇に転じた。いずれシロンもそうなるだろう」と続けていて、この「資産」という考え方に転じたことと、「最高速競争から離脱する」と宣言したこととは無関係ではなさそう。

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つまりブガッティは「性能を追求すれば、その性能はいつかは抜かれ、そして抜かれたときにその製品は価値を失う」ということを言わんとしているのかもしれず、別のところに価値を見出そうとしているとも考えられます。

なお、走行性能=ブランド価値ではないことはフェラーリが証明していて、たとえば「フェラーリよりも速い車」を作ることは可能であり、世の中には実際にそういったクルマが存在しますが、「フェラーリよりも価値の高い車」を作ることは難しく、その「価値」とはフェラーリがこれまで築いてきた固有の歴史の上に成り立っているものであって、ブガッティはそれを作ってゆこう、ということなのかもしれません。

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ただ、現代の厳しい規制下において著しく燃費の悪いW16エンジンを存続させることは容易ではなく、このままだとブガッティは規制をクリアできずに多額の罰金を払うことになるのかも。
それをクリアするにはW16エンジンの燃費を改善するしかなく、しかしそれはほぼ不可能に近いため、そこでブガッティは「ブランド全体のCO2排出量を引き下げるため」にピュアエレクトリックSUVを発売し、これをシロンの2倍3倍と売ることで規制や世の中の批判をかわしたいのかもしれません(つまりW16エンジン存続のためにエレクトリックカーを作る)。

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