| ポルシェといいアウディといい、ここへきてなぜか急激に「モータースポーツ参戦」の機会が増加 |
さて、すでにアウディはル・マン24時間レースへの復帰を公表していますが、今回はそのル・マン参戦のためのレーシングカーのスケッチを公開。
これはアウディ史上もっとも成功したレーシングカー「R18」シリーズの後継で、縦型ヘッドライトにバブル状のキャビン、シャークフィンそしてLEDランプ内臓のリアウイングを持っていて、デザイン的にはこれまでの同社製ル・マン・レーサーを踏襲することになりそうです。
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新型ル・マン・レーサーの多くはポルシェと共同開発
なお、このアウディによるル・マン・レーサーは「LMDhクラス」からのル・マン参戦を予定しており、ということはポルシェがル・マン参戦を目指しているのと同じクラスということに。
そして現在、ポルシェとアウディとは同じフォルクスワーゲン傘下に属するため、レーシングカー開発においてもリソースを共有してゆくことになりますが、実際にアウディも「ポルシェとの密接な協力関係のもと」、このレーシングカーが開発される、と語っています。
LMDhクラスのレギュレーションはこうなっている
このLMDhクラスは2022年から導入される予定で、現在決まっているレギュレーションは下記の通り。
くわえて、LMDhクラスは、2021年から導入されるル・マンのトップカテゴリ、ハイパーカークラス(LMH)への乗り入れも可能だとされているので、実際にはアウディそしてポルシェが、すでにLMHクラスへと参戦を表明しているプジョーやトヨタ、SCG、さらにはフェラーリと戦うということになり、ここ最近はいまひとつ人気の出なかったル・マン24時間レースも”再び”大きく盛り上がることになるのかもしれません。
LDMh規定
- シャシーコンストラクターはオレカ、リジェ、マルチマチック、ダラーラの4社のみ
- シャシーのコストは上限345,000ユーロ
- ボディはマニュファクチャラーによる開発が可能
- ダウンフォースとドラッグ比が4:1
- 出力は一律670HP
- ボッシュから供給される67HPのエレクトリックモーターを使用
- バッテリーはウィリアムズ・アドバンスト・エンジニアリングから共有
- ハイブリッドシステムには30万ユーロのコストキャップ
- ギアボックスはXトラックス製
- 車体重量は一律1,030kg
- ホイールベースは一律3,150ッm
- 全長5,100ミリ、全幅2,000ミリ以下
これを見ると「限りなくイコールコンディション」となることがわかり、ポルシェやアウディが「すべて自社開発」ではなく、他社の製造したシャシーを使用してル・マンを戦うのはちょっと意外でもありますね。
なお、アウディによると「シャシーのパートナーを選定済み」で、エンジンコンセプトも決定したとのべており、ここからはボディ形状のデザインに入り、来年はじめにはプロトタイプが完成する予定だと述べています。
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アウディはダカールサリーへも参戦
なお、アウディはル・マン24時間レースへの復帰だけではなく、2022年のダカールラリーに対し「初参加を行う」と表明。
現在は2022年1月のダカールラリーへの参戦に向け車両を開発中ですが、これまでには縁がなかったダカールラリーへと参加することとした経緯は不明。
もちろん明確な意図と目的をもって参戦するということになりますが、もしかするとアウディは、今後一部の市販車に対し「オフロード」イメージを反省させたプロモーションを展開したり、ハードなオフローダーを発売する意向を持っているのかもしれません。