| BMWはフェイスリフトを待たずにこれらの改良を実施する気だ |
BMWはフェイスリフト版となる新型5シリーズ/6シリーズGTを発表し、X2にプラグインハイブリッド「X2 xDrive 25e」を追加したところですが、これらに共通するのは「ハイブリッドシステムのアップデート」。
マイルドハイブリッド、プラグインハイブリッドシステムともにバージョンアップがなされており、マイルドハイブリッドは出力(11馬力)が変わらないまでも効率と加速が向上し、プラグインハイブリッドは+40馬力という大幅なパワーアップがなされています。
BMWはずいぶん思い切った策に出た
そして今BMWが発表したのが、「BMWは夏に、37車種にわたってマイルドハイブリッドを標準搭載する」という衝撃事実。
これは3シリーズ、5シリーズ、6シリーズ、7シリーズが対象となり、X3、X4、X5、X6、X7に積まれるマイルドハイブリッドシステムもリニューアルされる、とのこと。
加えて3リッター6気筒ディーゼルエンジンも新世代に切り替わるとされ、「30」を下二桁に採用するディーゼルモデル、すなわち730d、730d xDrive、730Ld、730Ld xDrive、X3 xDrive30d、 X4 xDrive30d、 X5 xDrive30d、 X6 xDrive30dのエンジンが変更されるということになりますね(日本だと”35”に相当するようだ)。
この新しい6気筒ディーゼルターボはタービンそしてインジェクターの最適化によって従来比+21馬力の286馬力を発生すると伝えられていますが、これはけっこう大きなアップデート。
そのほか発売されたばかりの2シリーズ・グランクーペもアップデートの対象となるようで、BMWはずいぶん思い切った判断を行ったわけですが、BMWはピュアエレクトリックモデルの拡充から一転し、既存モデルのエレクトリック化によってCO2排出規制や時代の要求に応える、ということになりそう。
加えてBMWはプラグインハイブリッドモデルもアップデートするとしており、こちらにはeDrive Zoneなる機能が追加され、欧州80都市にて設定される「ローエミッションゾーン(LEZ=環境性能の低いクルマが乗り入れできない区域)」に入ると自動的にEVモードへと切り替わる、とのこと。
そのほかモデルごとの変更だと、3シリーズはインフォテイメントシステムが第7世代に進化してBMWライブコクピット装備に、そしてボディカラーにはフィトニックブルーが追加され、オプションにてMスポーツシートが選べるようになる、とアナウンスされています。
3/5/6/8シリーズ、X5/X6/X7/M5/M8にはドライビングアシスタント・プロフェッショナルが標準化され、これは「アクティブナビゲーションガイド(道案内時に車線変更までも指示してくれる)」、「エマージェンシー・レーンアシスト」「アクティブクルーズコントロール」「ストップ&ゴー(ハイブリッドシステムを活用したアイドリングストップ)」等が内蔵されるもの。
細かいところだとアンドロイドオート対応、GoogleマップとGoogleアシスタントにも対応することになり、利便性が一気に向上しそうですね。
BMWはコネクティビティとエレクトリックを強化
今回の変更を見るに、BMWは「コネクティビティとエレクトリック」を中心に改良を行うように見えますが、この路線は「i」ブランドが目指していたもの。
もとともとiブランドはBMWのエレクトリック化を牽引するはずだったものの販売が思うように伸びず、現在でも形式上iブランドは残っていますが、その思想は本体のBMWブランドの方へと引き継がれることになったと考えられそう。
加えて、5シリーズ/6シリーズGTのフェイスリフト、ミニ・クロスオーバーのフェイスリフトを見ても「ガソリンエンジンのパワーアップなし」、しかしハイブリッドシステムとディーゼルモデルではパワーアップがなされていることを鑑みるに、BMWはその未来を「ディーゼルとハイブリッド」に見出したと言ってよく、その方針を明確にするためにも、発売間もないニューモデルにまで改良の手を入れるのかもしれませんね。
これだけ大きな変更を行うと、新車を購入したばかりの人、とくにニューモデルを購入したばかりの人から恨みを買いそうですが、BMWは過去にもこういった「発売してすぐに変更」を行ったことがあり、ぼくが以前に乗っていたZ3 2.0は、発売から一年を待たずして「2.2」へとアップデートされ、「えぇ・・・」と感じたことを思い出します。