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ポルシェ開発責任者「自然吸気エンジンをなんとしても残したい。それにはハイブリッド化が鍵となる」

2020/08/21

| 一方、ハイブリッド化したと仮定してもターボエンジンは自然吸気には戻らないようだ |

ポルシェは初のエレクトリックモデル「タイカン」を発売し、カイエンのトップレンジにPHEVを据えるなどエレクトリック化に熱心な自動車メーカーのひとつ。

そしてエレクトリック化のために1兆1500億円もの投資を行い、2025年までには販売の半分を「エレクトリック化」されたモデルにするとも公表しています。

現在のポルシェのスポーツカー部門開発責任者は「ポルシェオタク」

ただ、その一方ではガソリンエンジン、とくに自然吸気エンジンを残したいという希望も強く持っているようで、ポルシェのスポーツカー部門を率いるフランク・シュテファン・ヴァリザー氏によると「自然吸気エンジンを残すためのハイブリッド化は有用だ」。

ただ、このフランク・シュテファン・ヴァリザー氏はけしてエレクトリック推進派ではなく、自ら「シンプルで小型、軽量」なスポーツカーが好きだとも語っています。

そして何より、この人は自身の社会人人生すべてをポルシェで全うしてきたという根っからのポルシェオタク。

そして、そのフランク・シュテファン・ヴァリザー氏が「自然吸気エンジンを残すにはハイブリッドしか無い」というのであればまさにそのとおりなのだと考えられ、この発言の第一の目的は「自然吸気エンジンを生き残らせる」ことにありそうです。

なお、現在ポルシェはそのラインアップのほとんどに積まれるエンジンをターボ化しており、これはパワーアップが主目的ではなく「環境規制に対応するため」。

つまり自然吸気エンジンでは年々締め付けが厳しくなる環境規制に対応できないためにターボ化を選んだということになり、現在の技術であれば「ターボの代わりにハイブリッド」という選択が可能である、というのがフランク・シュテファン・ヴァリザー氏のいわんとするところでもあるようです。

そしてその「方法」についてですが、低回転(低速)はエレクトリックモーターに担当させ、高回転(高速域)は自然吸気エンジンに担当させるということになり、これによって双方のデメリットを(メリットで)補い、かつ環境規制にも対応できる、ということに。

ただ、同氏は「ターボから自然吸気には戻らない」ともコメントしているので、この方法は「現存する自然吸気エンジンを(消滅から)守る」ためのものだということになりそうですね。

ただ、自然吸気エンジンを搭載する「911GT3」「ケイマンGT4」の開発を担当するGT部門のボス、アンドレアス・プルニンガー氏は「GT系にエレクトリック化は無い」と断言しており、このあたりは社内での(フランク・シュテファン・ヴァリザー氏との)調整が必要なのかも。

そして現在、ポルシェは911のハイブリッド化を進めている最中で、予定では「992世代の後半、つまりフェイスリフト時に」911ハイブリッドを投入するとしてきたものの、現時点ではなかなか思った通りの性能を実現できず苦労している、という話も。

もちろんポルシェは様々な問題を解決するために可能な限りに技術や可能性を試しているということになりそうですが、今後どう動くのかはまだまだわからない、というのが本音なのかもしれません。

参照: Autocar

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