
| ポルシェのクルマは製造した7割が今も現役で走っている |
ポルシェにとって100万キロは単なる通過点にしかすぎない
さて、ポルシェのクルマは非常にタフなことで知られ、創業以降に生産したクルマの70%以上が現役にて路上を走っていると言われます。
これはポルシェにおける各パーツの品質、製造品質が「オーバークオリティ」とも言えるレベルにあることに起因するものと思われますが、今回米国にて「100万キロを走破した」996世代のポルシェ911ターボが報じられ、その耐久性の高さが立証されることに。
ポルシェは高い信頼性を誇ることで知られる
ポルシェは一般的にそのライバルよりも高い耐久性を持つことで知られ、メルセデス・ベンツとともに「非常に頑丈」であると認知されており、そして今回その素晴らしい耐久性を自ら証明したのがトム・タルマンさんというポルシェ911ターボのオーナー。
新車にてこのポルシェ911ターボを購入し、日常的にドライブすることで676,000マイル(1,087,916km)以上を走破することとなっています。

なお、996世代のフラットシックスはベアリングの不具合によってエンジンが破損してしまうという報告がありますが、幸いなことにトム・タルマンさんの911にはそういった問題が起こっておらず、しかしそれは予防的メンテナンスを行ってきたからだとも語っています。
実際のところ、同氏は383,000キロの時点でオイル漏れを経験し、その際にエンジンのオーバーホールを行っていて、これが「結果的に長寿の秘訣」だったと説明。

オイル漏れ修理の際にエンジンの一部を開けてみると「非常にきれいな状態だった」といい、しかしこの際には「念には念を入れ」オーバーホールを行うことに。
その際にはタービンの交換も行ったそうですが、このほかに2つほどごく軽い損傷のあるベアリングを発見して補修を行い、これが結果的にエンジンの寿命を伸ばすことになったのだと述べています。
さらにこのオーバーホール時には「エンジン内部のほぼすべてが製造時の品質を保っており、あらゆるパーツが設計時の寸法通りにエンジン内に収まっていたことがわかった」とも語っていて、やはりポルシェのエンジンは設計や製造において非常に優秀であるということがあらためてわかったということになりますが、トム・タルマンさんは日常のドライブの他にサーキット走行も定期的に楽しんでいるといい、常人よりはクルマに不可のかかる状況で使用していて、なおかつこのクルマは高温になるターボエンジンを積んでいるにも関わらず健康な状態を保っているということになりますね。
このほかにも「100万キロオーバー」のポルシェは存在する
なお、このトム・タルマンさん以外にも「100万キロオーバー」のポルシェが過去に報じられたことがあり、こちらはポルシェが直々に取り上げたポルシェ356で、なんと100万マイル(160万キロ!)を達成しています。
オーナーはカリフォルニアに済むジム・ニューマークさんという人で、同氏はこの356を(大学卒業記念として)父親から譲り受けた、とのこと。

その後もジム・ニューマークさんはずっとこの356に乗り続け(”ブルー”というニックネームをつけている)、72歳となった今も、仕事のほか日常的な用事もすべてこの車に乗ってこなし、3000マイルごとの定期メンテナンスは欠かしていない、と語ります。
なお、エンジンは「(父親が新車で購入し、乗っていたときから)載せ替えなし」だそうで、ポルシェのタフさは比較的最近のモデルだけではなく、昔からということがわかりますね。

「100万マイル」を記録する瞬間も動画に収められており、メーターが「99999」から・・・。

「00000」へと切り替わる瞬間を見ることができますが、メーターの桁が全然足りておらず、設計したポルシェ自身もここまで走ることを想定していなかったのか、もしくは当時の(メーターの)サプライヤーは「6桁」も走るクルマが存在するわけはないと考えていたのかも。

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参照:CARSCOOPS