| たしかに日本国内でEVが走っているのを見る機会はそれほどない |
来年は米国、欧州ともさらにEV販売比率が大きく伸びると言われているが
さて、米国と欧州ではEVの販売が好調に進んでいる、とのこと。
JATO Dynamicsによれば(興味深いことに)これら両市場のEV販売比率の伸びは”EV先進国”中国を越えているといい、たしかに中国は充電インフラの関係にて、都市部以外はEVの普及が難しいとも言われていて、(都市部でEVが普及した後の)一定のところからは伸び率が鈍化するのかもしれません(実際に、EV化を強力に進めるメルセデス・ベンツ、フォルクスワーゲングループですら、中国はガソリン車を販売し続ける最後の国にになるだろうとコメントしたこともある)。
アメリカではこれくらいEVのシェアが伸びた
そこでまずはアメリカ市場について数字を見てみようと思いますが、アメリカにおけるバッテリー電気自動車(BEV)の市場シェアは、2022年1月から10月にかけて5.1%へと伸長。
ガソリン、ディーゼルといった内燃機関搭載車の強い存在感に比べればまだ規模は小さいものの、以前と比べればその伸びは目を見張るものがあるといい、ちょうど1年前の同じ期間(2021年の最初の10カ月間)だと、BEVは市場全体のわずか2.9%だったというので、わずか1年で倍とまではゆかずとも、それに近いところまで伸びたということになりますね。
参考までに、2年前の2020年1月~10月の新車販売台数に占めるBEVの割合はわずか1.7%にとどまり、2019年通年だとBEVは市場全体の1.3%だったそうなので、いかにこの数年でBEVの販売が伸びたかがわかろうというもの。
もちろんこの伸びについては、テスラの生産能力増強、そしてマスタング・マッハEVやフォードF-15ライトニング、GMCハマーEVなど人気EVのデリバリー開始が関係していると考えられますが、ここからさらに各社とも積極的にEVを投入してくるものと思われ、この傾向はますまず加速するものと思われます。※アメリカでのEV販売伸長の理由について、環境意識の高まりからというよりは、魅力的なEVが登場したためだと考えられる
欧州だともっとEVの販売が伸びていた
そして欧州市場に目を移すと、電気自動車のヨーロッパ23市場における(1−10月の新車販売全体に占める)シェアはなんと12%で、つまり10台の新車のうち1台以上がBEVということを意味します。
なお、この数字はアメリカにおけるEVのシェアに比較して「倍くらい」ということになりますが、驚くべきことにEVシェアの伸び率だとアメリカのほうが高いといい、つまりアメリカは「遅ればせながら」欧州市場のEV販売比率を追い上げているということに。
それでも当然ながら昨年よりシェアを伸ばしていることは間違いなく、その理由はインフラが整備され、消費者の選択肢が増え(欧州ではルノーやプジョーなどの小型EVの選択肢が増えている)、優遇政策が充実していることだといい、さらには「ガソリン車の新車」よりも電気自動車の新車のほうが納期が短く済む場合が多く、これは自動車メーカーが優先的にEVを生産していることに起因しているようですね。
この2つの市場において、来年はさらに電気自動車の販売台数が増えると予想されており、供給能力の拡大、そして選択肢の増加によって「2022年の倍」くらいになるのではという見方もあるもよう。
ちなみにですが、日本だと10月単月で「BEVの新車販売におけるシェア」はわずか1.5%にとどまっていて、欧州どころか米国にも圧倒的に突き放されている状態であり、これは選択肢の少なさ、インフラの未発達、消費者側の理解不足(販売側の情報提供不足)といった三重苦によるものかもしれませんね。
合わせて読みたい、EV関連投稿
-
米国の第1四半期にてEVシェアが初の5%を突破!EVの選択肢は昨年の18車種から32車種に増え、しかし販売の75%はテスラ。結局は「テスラの後ろで」群雄割拠状態に
| ただしテスラの優位性がどこまで続くのかはわからない | テスラが「売れる」のは生産設備や充電設備への先行投資の影響が大きいとされている ケリー・ブルー・ブック(KBB)によると、米国では2022年 ...
続きを見る
-
テスラはなんとカリフォルニアではEV販売のうち73%のシェアを持っていた!ただし昨年の75%、一昨年の79%から緩やかに減少している
| しかしながら市販されているEVの数は1年で18車種から32車種へと増えている | むしろこの状況においてこれだけのシェアを維持していることのほうに驚かされる さて、テスラが1−9月において、カリフ ...
続きを見る
-
欧州の2022年上半期ではEV販売が31%増加!ただしテスラはシェアを失い、かわりにヒョンデとステランティスが伸びる。テスラはモデルYがモデル3の販売を食ったようだ
| 加えて、ほかメーカーの既存EVがシェアを失い、販売は新発売のEVへと集中 | この傾向を見るに、まだまだEV市場のモデル別構成は安定しなさそう さて、2022年上半期の新車販売状況が公開され、前年 ...
続きを見る
参照:JATO Dynamics