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VWグループの新車4000台を載せた貨物フェリー火災がようやく鎮火。ポルシェ、アウディ、ベントレー、ランボルギーニも積まれており、被害総額は最小でも323億円

VWグループの新車4000台を載せた貨物フェリー火災がようやく鎮火。ポルシェ、アウディ、ベントレー、ランボルギーニも積まれており、被害総額は最小でも323億円

| 現在は鎮火するもさらに船舶は漂流中。もう少し状況が落ち着けば曳航も可能だというが |

4000台のうち1100台はポルシェ、うち200台程度がベントレーという情報も

さて、先週末にアメリカへと向かってフォルクスワーゲングループの完成済み新車4000台を輸送中だった貨物船、フェリシティ・エース。

ポルトガル沖にて船庫から火災が発生し、幸いにも22名の乗組員が救助されたものの、その後消火活動が難航し、船そのものは「漂流中」だと伝えられています。

そして今回最新の報道がなされており、それによると現在火災は「沈静化」。

火災の原因そのものもわかってはいませんが、積んでいたクルマの中にはEVやハイブリッド車が含まれていたといい、これらのバッテリーが燃えたために消化が非常に困難であったと伝えられています。

まだまだ船には手を出せない

なお、フェリシティ・エースが漂流しているアゾレス諸島の最寄港(ファイアル島)の関係者によれば、「火はここ数時間でおさまっている」と述べ、「燃える材料はほとんど残っていない」とも。

加えて、「船内には大量の燃料と自動車のバッテリーが積まれているため、公害が心配だったが、今のところ公害の温床にはなっていないようだ。火災が燃料タンクに向かって進行していたため、その懸念は高まっていたが、今ではその懸念は薄れている」という見解を示しています。

今のところはまだ様子を見守るしかないそうですが、完全に火災が収まれば、ヨーロッパかバハマへの曳航準備を進めることができるようになるとも報じられており、その後に火災の原因などが究明されることになりそうです。

Felicity-Ace (4)

正確な被害台数も現時点では不明

なお、このフェリシティ・エースには、フォルクスワーゲンはもちろん、ランボルギーニ、ベントレー、アウディ、ポルシェといった同じグループの車両が積まれており、その数およそ4000台(3965台という説もある)。

正確な数は現時点で公開されていないものの、ポルシェの広報によると「約1100台」のポルシェが積まれていたといい、これらはアメリカ国内で販売される予定だったクルマたちで、現地のポルシェ広報担当者いわく「何が起こったのかを確認するにはまだ早いですが、我々はポルシェAGと一緒に、私たちの顧客とアメリカのディーラーが解決策を見つけるためにできる限りのサポートをしています」とコメントするとともに、「この事件、そして注文した自身のクルマへの影響について心配している人は、ポルシェディーラーに連絡してください」と付け加えています。

そして今のところほかブランドからの発表はなく、「うち189台がベントレー」という報道もあるようですね。

Felicity-Ace (3)

米国のエコノミスト、パトリック・アンダーソン氏によると、販売店での損失を考慮せず、純粋に車両の原価だけだと約2億8200万ドルが失われたと推定。

この根拠は「貨物全体の4分の3が全損」、そしてポルシェ、フォルクスワーゲン、ベントレー、アウディの原価を平均した数字から算出したそうですが、約323億円が「焼失し」、しかもその対応や処理にもコストが掛かり、船の修理にもお金がかかると考えると「とんでもない額」を失うということになりそうです(もちろん、保険に入っているのでフォルクスワーゲングループに金銭的な損害は出ないとは思われるが)。

やっぱりEVはちょっと怖い

現時点ではまだ火災の原因は特定できていないものの、「バッテリー」から出荷した可能性も否定できず、もし「そう」だったとしたらけっこう大きな問題となるのかも。

バッテリーはガソリン車のように「熱」からではなく「化学反応」から出火することがあるので、走行していなくても燃えることがあり、よって今回のように(走行していない)輸送中であっても燃えることがあるわけですね。

実際のところモバイルバッテリーであっても危険物として取り扱われ、飛行機への持ち込みや航空便での輸送も制限されているという状況であり、しかし電気自動車やハイブリッドカーのバッテリーはもっと容量が大きいためにリスクもそのぶん「大きい」ものと思われます。

Felicity-Ace (2)

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そしていざ「燃えた」となるとその炎は鎮火が難しく、さらに近くのバッテリーまで文字通り飛び火してしまうことになりますが、そういった状況が多発すると、いかに保険に入っていたとしても自動車メーカーの受ける被害は甚大であり、当然保険料もかさむものと思われます。

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