| このモデルが発表されるまで、フェラーリのオープンモデルは「ワンオフ」扱いだった |
1958年製の「フェラーリ250GT カブリオレ(シリーズ1)」がグッディング&カンパニー開催の競売に登場予定。
フェラーリによると、フェラーリのカブリオレは1950年台までに大きな成功を納めていたものの、このフェラーリ250GT カブリオレが1957年にジュネーブで発表されるまで、「顧客の求めによって製造したワンオフ」がメインで、レギュラーモデルとしては存在しなかった、とのこと。※フェラーリによる250GTコンバーチブル(カブリオレ)の紹介はこちら
しかしながらこのフェラーリ250GT カブリオレが発表されるやいなや大人気となり、ここからはじめてオープンモデルが通常モデルとして生産されるようになって、シリーズ1(生産40台)に続いてシリーズ2も生産されることに。
当時、クルマは「オーダーメイド」が常識だった
なお、この時代の常として多くの車体は顧客の好みに応じて「オーダーメイド」にて製造され、うち4台がピニンファリーナによってカスタムされることに(ボディと内装をピニンファリーナが架装し、その後にフェラーリがメカニカル・コンポーネントを組み込んでいる)。
これらの特徴はヘッドライトカバーや新形状のサイドベント/バンパレットなど。
この個体のシャシーナンバーは0789GTですが、250GTカブリオレのシャシーナンバーは0655GT から1475GTまで。
そしてこの時代のフェラーリ製ロードカーの常として、末尾が奇数のナンバーが使用されています。
当時この250GTカブリオレを購入したのはフェラーリのVIPオーナーで、イタリアではプレイボーイとして知られたプリンス・アレッサンドロ・ラスポリ。
ソーシャライト(社交界の名士)としても有名であったようですね。
ボディカラーはソリッドのブラック、そしてクロームのアクセントが特徴ですが、1970年代から1980年代にかけてイタリア国内にて数名のオーナーの手を経た後アメリカへと輸入されてレストアを受け、再びその輝きを取り戻すことに。
1994年にペブルビーチで開催されたコンクール・デレガンスではクラス優勝を飾ったと紹介されていますが、そこから時を経た現在でも「新車のような」コンディションを保っているように見えますね。
その後もサンタバーバラ・コンクール・デレガンス、ニューポートビーチ・コンクール・デレガンス、そして1996年のFCAヴィンテージ・コンクール、ロデオドライブ・コンクール等でも賞を獲得するなど錚々たる経歴を誇ります。
このフェラーリ250GTコンバーチブル最大の特徴はインテリアにあり
そしてなんと言っても特徴的なのはこのインテリア。
クラシックフェラーリはもちろん、現代のフェラーリでもこんなカラー見たこと無いといったグリーンを使用しています(90年代に、MCMがカスタムしたフェラーリには、ミントグリーンというものがありましたが)。
そしてレザーの張り、表面を見ても「新車」といっても通用するほどのコンディションでもありますね。
そしてエンジンもやはり完璧にレストアされていて、とても1958年製というのが信じられないほど。
現在予想落札価格については算出されていないものの、相当な金額となるのは間違いなさそう(クラシックフェラーリとしては5指に入る可能性も)。