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フェラーリが車両を「ゲーミング」化?インテリアにLEDを大量に仕込み、それらの色や光り方で「最適なライン」「最適なアクセル/ブレーキ操作」を示す特許を出願

フェラーリが車両を「ゲーミング」化?インテリアにLEDを大量に仕込み、それらの色や光り方で「最適なライン」「最適なアクセル/ブレーキ操作」を示す特許を出願

| テクノロジーの進歩によって「今までできなかったこと」が車両、そしてドライバーとも可能に |

そしてリアルとバーチャルとの境界が限りなく近づく

さて、フェラーリは様々な、しかも独特な特許(パテント)を数多く出願していることでも知られますが、今回は「スキルの高くないドライバーでも、より速くサーキットを走ることができる」という特許を(米国特許商標庁に)出願。

ただしこれは車両の運動性能を向上させるものではなく、ドライバーに「最適なブレーキングポイントやアクセルのオン/オフを知らせる」ためのもので、いわば各種レーシングシミュレーターに表示されるガイドのようなものだと考えるとわかりやすいかもしれません。

フェラーリは常に「速く走ること」を考える

フェラーリが今回の特許を考案した背景としては「高性能な自動車が、たとえサーキットであってもその性能をフルに発揮することはほとんどない」からだといい、そしてこの特許によって、経験やスキルが豊富ではないドライバーであっても、サーキットにおいてその性能をフルに引き出すことが可能になる、と述べています。

そして今回フェラーリが採用したいと考えるのが「LEDライトによって、ブレーキングポイントやアクセルのオン/オフ、最適なラインを知らせる」というもの。

そのためフェラーリは、ウィンドスクリーンの下部、上部、側面(Aピラー)にLEDライトを組み込むことを特許にて示しており、これらLEDライトはレーシングシミュレータ同様に「レッド、イエロー、グリーン」へとカラーを変えることができ、レッドだとブレーキング、イエローだとパーシャル、グリーンだとアクセル全開といった具合に「直感的に」必要な動作をドライバーへと知らせることが可能となるわけですね。

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さらにこれらLEDライトは「奥行き」を示すことができるようで、おそらくはARのような感じで「手前がグリーン(アクセルオン)、ちょっと先がイエロー(パーシャル)」といった具合に、まさにレーシングシミュレーターと同様の表示ができるのだと考えていいのかも。

ただし異なるのはそれがLEDライトの光で行われるということであり、その理由としてフェラーリは「レーシングラインから目を離さなければならないような、従来のような補助装置を使用しない」「常に路上を見ることができるよう」「感覚的に運転できるように」ということを掲げていますが、フェラーリは一貫して「両手はステアリングホイールに、視線は路上に」をドライビング時のコンセプトとしており、実際にそれを実践できるよう、ウインカーの操作スイッチまでもステアリングホイール上に配置したり、エンジン回転数を示すためのLEDバーをステアリングホイール上部に(オプションですが)組み込んでいるわけですね。

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ただしフェラーリの特許は「インタラクティブ」

ただしフェラーリの今回の特許で注目すべきはそれが「インタラクティブであること」で、つまりは情報を表示するだけではなく、現在の車両の姿勢、そして行った操作に対して刻々と表示される情報が変わるということで、たとえば「クルマがオーバーステアに近づいている」と判断すれば次に必要なアクションをLEDライトにて示しすなど、単に「ラインやアクセル、ブレーキの操作を示すだけ」にとどまらず、そのドライバーのスキルや操作にあわせて変化するという「インストラクター」のような役割を果たすもよう。※視覚的、機能的な意味で「ゲーミング」車両に近づくといえる

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さらにこの特許では、触覚フィードバックについても触れており、シートやステアリングホイールの片側または両方が振動し、アンダーステアで左に曲がる必要があること、またはオーバーステアで右に修正する必要があることを知らせるといい、「右に曲がるべき」「右に寄り過ぎないように」といった振動も設定できるそうですが、LEDライト、そして触覚フィードバックは非常に細く設定ができるとされ、ドライバーが必要なときに必要な情報だけを得られるように調整できる、と説明されています(触覚式フィードバックはアクセルペダルにも組み込まれ、オーバーステア時にはアクセルペダルが重くなったりするようだ)。

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この特許はかなり複雑な制御を持つものの、GPSシステムはじめ現在フェラーリの車両に内蔵される各種センサーを活用できるとされ、かつ表示も簡素なLEDにとどまるために「追加で重いデバイス、視覚的にじゃまになるデバイス」を追加する必要がないといい、先般考案された「車体内蔵ジャッキ」のように、複数の機能を単純そして最小限の構成にて実現できるという考え方がその根底にあるようですね。

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参照:CARBUZZ

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