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ランボルギーニ初のピュアEVはアウディとポルシェとの共同開発、そして2+2となり2027年あたりに発売との報道。プラットフォームはVWグループ入魂のSSP

2021/09/28

ランボルギーニ

| ランボルギーニはフェラーリやマクラーレン、アストンマーティンと比較して「VWグループのシナジー効果」の恩恵に浴することができる |

おそらくはランボルギーニの今後の展開について、やや方向性が変わることになるのかも

さて、ランボルギーニは今年5月に「ディレッツォーネ・コル・タウリ」なる未来に向けたロードマップを発表しており、日本語にすると「コル・タウリに向けて」ということになります。

そしてこの「コル・タウリ」とは、ランボルギーニ創業者であるフェルッチオ・ランボルギーニの星座「牡牛座」のもっとも明るい星を指しており、ランボルギーニはここで再びそのルーツに忠実に、しかし着実に未来へ進むということを表明したわけですね。

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「第4のランボルギーニ」はやはり2+2?

このディレッツオーネ・コル・タウリの骨子は”、2024年までにはガソリンエンジンのみで走るクルマを廃止してランボルギーニすべてのモデルにハイブリッドを設定し、2025年以降には「第4のモデル」としてランボルギーニ初のピュアエレクトリックカーを投入する”というもの。

そこで今回報じられたのが「第4のモデル」についてのウワサとなりますが、報道によると「2+2レイアウトを持つGT」になるとのこと。

現在ランボルギーニが持つラインアップは「アヴェンタドール(2シーターミドシップ)」「ウラカン(2シーターミドシップ)」「ウルス(SUV)」であり、FRスポーツやクーペといったラインアップが存在せず、いわば「顧客の取りこぼし」があったわけですね。

加えてエクストリームなデザインに特化しており、「優雅」なデザインを持つクルマがないため、ここでも「販売機会の損失」があったと言われます。

反面、フェラーリは現行世代において「F8トリブートのようなエクストリームなデザインを持つスーパースポーツ」「ローマのように優雅なスタイルを持つGTカー」といった分類ができつつあり(さらに以前はGTC4ルッソ、今後はプロサングエ)、アストンマーティンもこれまでの「FRを軸にした優雅なスタイル」に加えて「ヴァルキリーを筆頭にしたスパルタンなミドシップシリーズ」を展開予定。

ランボルギーニ

そうなるとランボルギーニは現在の「偏りがある」ラインアップを見直す必要があり、そこで「2+2」という案が出てきたのかもしれません。

ただ、ランボルギーニがフェラーリやアストンマーティンと異なるのは「フォルクスワーゲングループという、多数のブランドを持つ巨大企業の傘下にある」ということ。

つまり、現在のランボルギーニの「取りこぼし」はフォルクスワーゲングループの他のブランド(主にはポルシェとベントレーということになりそう)で拾うことができ、であれば「グループ全体として見て」ブランド間で補完体制を構築できれば問題はなく、むしろ「ブランド間で競合する」ようなクルマを作る必要はない、という判断も働きます。

これが「今までランボルギーニがバリエーションを拡大できなかった」理由だと思われますが、ここへきてちょっと事情が変わってきているのでは、とぼくは考えています。

「第4のランボルギーニ」はグループ共通のプラットフォームを採用

今回の「第4のランボルギーニ」について、報道ではフォルクスワーゲングループの次世代電動プラットフォーム「SSP」を採用する模様。

この「SSP」は「スケーラブル・システム・プラットフォーム」の略であり、現在フォルクスワーゲングループが使用するMQB、MSB、MLB、MEB、PPE各アーキテクチャの後継となるものです(文字通り”スケーラブル”つまり伸縮自在であり、同グループの幅広いモデルレンジに使用されると思われる)。

フォルクスワーゲンはこのプラットフォームについて、2026年に生産を開始する予定であり、耐用年数の間に4,000万台以上の車両がこのアーキテクチャー上で製造されることになる、とも述べています。

そしてこのプラットフォームが発表されたとき、VWグループでもっとも電動化に熱心なアウディのCEO、マーカス・デュースマン氏は、「SSPの導入は、プラットフォームマネジメントにおける当社の強みを活かし、セグメントやブランドを超えたシナジー効果を最大限に発揮するための能力を構築することを意味します。長い目で見れば、我々のSSPはメカトロニクスの複雑さを大幅に軽減するだけでなく、MEBやPPEに比べてCAPEX(資本支出)、R&D(研究開発)、ユニットコストを低減し、グループが財務目標を達成することを可能にするのです」とコメント。

つまるところ、これは「ニューモデルの開発がより低コストで行えるようになり、幅広い顧客のニーズを拾うような素早い効率的な展開が可能となって、グループとしての利益を最大化できる」と捉えても良さそうです。

となると、これまでは”ランボルギーニの「穴」を埋めるには多大なコストがかかり、しかもグループ内でカニバリズムの可能性があるため発売に踏み切れなかった”という状態から、”コストを抑えた開発が可能となり、しかもランボルギーニというブランドバリューを活用して「高利益」が可能となる価格設定をできるのであれば、カニバリズムを考慮してもグループ全体のシナジー効果のほうが勝る”という判断に動いても不思議ではなく、よって今後は「第4のランボルギーニ」以外にも「第5」「第6」と続く可能性があるのかもしれません。※今まではフォルクスワーゲングループにとっての「お荷物」とされていたランボルギーニとブガッティがここで大きな「武器」へと転じることになる

今回の「第4のランボルギーニ」についてはなんらかの具体的な情報があるわけではありませんが、以前に公開された資料では「長くなったアヴェンタドール」風のシルエットを持っていて、現在のエクストリーム路線を追求したデザインが与えられる可能性もありそうです。

もしくは、これは単なる「事業計画」を示したプレゼンテーション用の資料だと捉えることもでき、実際に発売されるのは「現在のランボルギーニにはない、(アステリオンのような)柔らかいラインを使用して新しい顧客に訴える」可能性も。

なお、この新しいランボルギーニのピュアエレクトリックカーについては、アウディとポルシェとの共同にて開発されているといい、発売は2025~2027年だと見られています。

よって高い品質や先進性、安全性、耐久性を持つことは間違いなく、これもまたランボルギーニが設立された当初に掲げられた「信頼性の高い、最高のGTカーを作りたかった」というフェルッチオ・ランボルギーニの信念に回帰するものだと受け取ることできるのかもしれませんね。

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参照:Automotive News

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