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マセラティがレオナルド・ダ・ヴィンチの誕生日、そしてメイド・イン・イタリーの記念日に「グランカブリオ・フォルゴーレ」発表。芸術性を強調した発表イベントも

マセラティがレオナルド・ダ・ヴィンチの誕生日、そしてメイド・イン・イタリーの記念日に「グランカブリオ・フォルゴーレ」発表。芸術性を強調した発表イベントも

Image:Maserati

| 現在ステランティス傘下のブランドは生き残りをかけて新しい方向性を模索中。マセラティでは「芸術性」を強調することに |

ただしアルファロメオやプジョーのように明確なメッセージは発信されていない

さて、マセラティが先日予告した通り、グランカブリオの電動版「フォルゴーレ」を公開。

マセラティは現在「同一モデルにガソリンエンジンバージョンとピュアエレクトリックバージョンの両方を用意する」という戦略を採用しており(これは親会社であるステランティスが抱えるほかのいくつかのブランドと同じである)、そしてマセラティではピュアエレクトリック版を「フォルゴーレ(Folgore=雷電)」と呼んでいるわけですね。

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マセラティはグランカブリオ・フォルゴーレの発表を最大に祝う

なお、マセラティはこのグランカブリオ・フォルゴーレの発表に際し盛大なイベントを開催しており、会場で上演するための序曲「メイド イン サンダー」を作曲のうえ初披露したそうですが、発表の日付である4月15日はイタリア史上最大の天才、レオナルド・ダ・ヴィンチが生まれた日、そしてメイド・イン・イタリーを祝う国民の日でもあった、とのこと。

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よってマセラティはこのイベントにて「変革、革新的な勢い、創意工夫、創造的なインスピレーション、そして世界へのエキサイティングな新しい旅を予感させる」ことを意識したとアナウンスされており、これは芸術性を重視するマセラティらしい演出だといえそうです(多くの芸術家が参加したそうだ)。

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参考までにですが、各自動車メーカーの発表するプレスリリースにはそのメーカーの特性が良く現れていて、たとえばドイツやイギリスの自動車メーカーだとまず最初に環境性能や環境への取り組みが記載され、そのあとに機能や性能が(かなり長い文章で)紹介されることに。

その他特徴的なのはフェラーリで、フェラーリはご存知のとおりエンジンにトッププライオリティを置いているため、何よりもまずはエンジンの話から始まります。

そして今回のマセラティについては、その芸術性のアピールを詩的な文章で行うことになり、それはプレスリリースというよりはひとつの物語のようで、こういった面も含めて「マセラティ」ということになりそうですね(ドイツのメーカーとは逆に、機能や性能の解説は非常に少なく、むしろそこから得られる体験にフォーカスした説明がなされている)。

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意外と「電動4座オープン」は市場に少ない

なお、このグランカブリオ・フォルゴーレは「ピュアエレクトリックパワートレーンを積む4シーターオープン」ですが、マセラティいわく「高級セグメント初の100%エレクトリックコンバーチブル」。

ドライブトレインには3つのラジアル磁束永久磁石モーター(リアに2つ、フロントに1つ)が搭載されており、それぞれに独自の炭化ケイ素インバーターが搭載されています。

ピーク出力は900kW (1,207馬力) ではあるものの、平時では751馬力、「MaxBoost」モードでの出力は818馬力にとどまっており、これは制御上の「安全装置」なのかもしれません(のちのアップデートでフルパワーが開放されることがあるのかもしれない)。

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バッテリーにはT字型のリチウムイオンパックを採用し、乗員の間と乗員の後ろに配置されますが、 これにより(フロアに設置された場合に比較して)シート高を上げる必要はなく、そのためにグランカブリオ本来が持つ美しいプロポーションを維持できていると考えて良さそうです。

なお、このバッテリーパックの容量は92.5kWhではあるものの、走行に使用されるのは83kWhのみであり、これはマセラティが各セルの最大充電電圧、そしておそらくは最小放電電圧を制限しているのだと考えてよく、バッテリーパック全体の寿命を延ばすための手法である可能性を意味しているのかもしれません。

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そのほか、回生ブレーキ作動時には400kWという驚異的な電力を回収でき(パドルにてその度合を調整できる)、連続充電に関しては(270kWの環境下で)18分で20~80パーセントを実現でき、内蔵される「DC Booster」は(設置時期が)古いステーションからの低電圧をフォルゴーレのパックの充電に必要な800ボルト以上に変換できるDC-DCコンバータとして機能するもよう。

WLTPサイクルにおける一回の満充電あたり航続距離は720kmという高い実用性を誇り、これを実現するためにも様々な機能が内蔵されているようですね。

外装に関しては前後バンパー、グリル、ホイール、バッジ等の相違が(ガソリンエンジン搭載モデルと)あるものの、基本的には両社ともに共通であると考えて良いかと思います。

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インテリアについてはより両者の近似性が高くなっており、両者で大きな差別化を行わない、というのもまたマセラティの方針のひとつです(アルファロメオもまた、ガソリン版と電動版とで差別化を拡大しないという方針を打ち出している)。

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現時点ではまだ新型グランカブリオ・フォルゴーレの納車時期や価格についてはアナウンスされていないものの、追って発表がなされるものと思われます(恐ろしく高価な値付になりそうである)。

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新型マセラティ グランカブリオ フォルゴーレ発表イベントの様子を収めた公式動画はこちら

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参照:Maserati

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