| エントリーモデルの「モデナ」でもそのスペックはスーパーカー並。新型グラントゥーリズモ恐るべし |
ピュアエレクトリックモデル「フォルゴーレ」の最高速度は320km/hを超える
マセラティがフルモデルチェンジ版となる新型グラントゥーリズモを公開。
構成としてはV6エンジンを積む「モデナ」と「トロフェオ」、ピュアエレクトリックモデルの「フォルゴーレ」といった3つのラインアップで、先代(2007年~2019年)のワイルドさから「洗練」といった方向性へとシフトし、ラグジュリーな4シーターGTとしての性格をいっそう強めることに。
なお、ボディサイズは4,959ミリ(トロフェオのみ4,966ミリ)、全幅1,957ミリ、全高1,353ミリ、ホイールベース2,929ミリなので全長、全幅、全高とも先代よりも大きくなっています。
新型マセラティ・グラントゥーリズモのデザインはこう変わった
まずは新型グラントゥーリズモのデザインから見てゆきたいと思いますが(このブロンズの個体は”フォルゴーレ”)、ヘッドライトが横長から縦長(フェンダーマウント)となり、ダクトを内蔵したクラムシェル型のボンネットを備え、ボンネットとベルトラインが低く抑えられています。
ダッシュ・トゥ・アクスルが延長されロングノーズが強調されていることもひとつの特徴ですね。
そしてリア(こちらは”モデナ”)だと筋肉質なフェンダー、そして横長の(やはりMC20的な)テールランプを採用しています。
新型マセラティ・グラントゥーリズモはグレード間でこう違う
モデル間でのデザイン的相違だは主にフロントに現れ、「トロフェオ」だとスポーティなインテークトリムとボディと同色部分を持つ専用スプリッターを持ち・・・
「モデナ」だとダーク仕上げのフロントエプロン。
「フォルゴーレ」だと吸気の必要がほぼないのでインテークが小さくなり、グリルも専用パターンに。
そのほか各モデルとも標準ホイールのデザインが異なり、トロフェオとモデナは5本スポークをアレンジしたもの、フォルゴーレでは3本スポークをアレンジしたものへ(空力特性を考慮している)。
リアもそれぞれ差異があり、トロフェオのトランクリッドにはリップスポイラーが装着さて、テールパイプ周辺が盛り上がってディフューザーも大型に。
フォルゴーレはもちろんテールパイプ「レス」。
新型マセラティ グラントゥーリズモはこういった構造を持っている
マセラティ グラントゥーリズモのプラットフォームは完全に新しく設計されたもので、アルミニウム、マグネシウム、スチールを使用した新しい軽量アーキテクチャーをベースにしており、フロントにはセミバーチャルステアリング軸を持つダブルウィッシュボーンサスペンション、リアにはマルチリンク、そして電子制御式エアスプリングが全車に標準装備されています。
搭載されるエンジンはマセラティ独自開発による3.0リッターV6”ネットゥーノ”ツインターボエンジン。
これはMC20と同じではあるものの、グランツーリスモでは、MC20とは異なってウェットサンプを採用し、さらには気筒休止技術も導入しています。
トランスミッションはZF社製の8速オートマチックギアボックス、駆動輪は後輪のみ(トランスアクスルレイアウトなのかどうかはわからない)。
ドライブモードはコンフォート、GT、スポーツ、コルサ、ESC-OFFの5つのにて構成されている、とのこと。
同じV6ガソリンエンジン搭載モデルであってもグレード間によって出力に差があり、グラントゥーリズモ・モデナでは496馬力/600Nm、そして0-100km/h加速は3.9秒、最高速度は302km/h(MCストラダーレよりも強力)。
グラントゥーリズモ・トロフェオになるとさらにパフォーマンスが向上して557馬力/650Nm、0-100km/h加速は3.2秒、最高速度は320km/hというトップクラスのパフォーマンスを誇ります(MC20とは戦略的な差異が設けられている)。
そしてピュアエレクトリック版のグラントゥーリズモ・フォルゴーレでは最高出力761馬力/1,350Nmというマセラティ史上最強の数値が与えられ、800ボルト・アーキテクチャに加えて前後にそれぞれ最大で408馬力を発生するエレクトリックモーターを搭載(もちろん駆動輪は4輪)。※マックスレンジと呼ばれる、おそらくは航続距離を最大化するためのモードも追加されている
もちろんパフォーマンスにおいても新型グラントゥーリズモ・フォルゴーレは群を抜いており、0-100km/h加速2.7秒、0-200km/h加速8.8秒、最高速度はトロフェオに匹敵する320km/h(EVでこの速度を達成するクルマはかなり少ない。殆どの場合、バッテリー消耗を抑えるために最高速が制限されている)。
ただしEVということで車体重量は重量は2,260kgとかなり重く、ガソリンバージョンの1,795kgに比較してもかなりの重量的ハンデを背負っています。
ちなみに重量バランスだと、フォルゴーレは前後50:50、モデナとトロフェオは52:48(この数値を見るとトランスアクスルレイアウトではなさそうだ)。
新型グラントゥーリズモのインテリアは非公開
なお、マセラティは新型グラントゥーリズモのインテリアを公開しておらず、しかし「巧みなパッケージングとルーフのデザインによって、大人4人が快適に乗れる」ことが明かされており、さらに12.2インチのデジタルメーター、ヘッドアップディスプレイ、12.3インチサイズのインフォテイメントタッチスクリーン、加えてセンターコンソールには8.8インチのタッチスクリーンからなる”フルデジタルコックピット”が採用されています。
最近は一部自動車メーカーで「(素早く操作できる)アナログ回帰」傾向が見られるものの、マセラティでは「デジタル化」を進めているようで、「市場で最もシンプルかつ高速なデジタル空調コントロール機能」が組み込まれているといい、物理的コントロールを持たないことに対するカウンターとしているようですね。
そのほかダッシュボードのアナログクロックも「デジタル」へ(いくつかの文字盤を提供するとのことなので、アナログ風表示も可能なのかも)、そして最新のマセラティ・インテリジェント・アシスタント(MIA)を駆使してタッチ、ジェスチャー、ボイスコマンドでインフォテインメントシステムを操作可能。
さらにはソナス・フェイバー社製の1,195Wの19スピーカーシステム、レベル2の自律走行機能を含むADAS搭載など、「高級、安全、快適」について格段の進歩が見られるようですね。
現時点で価格設定についても公開されておらず(フォルゴーレがどれくらいの価格なのか気になる)、しかし納車は2023年第2四半期からガソリンエンジン搭載車から開始され、その後フォルゴーレと拡大され、来年にはソフトトップを備える「グランカブリオ」を発表する予定である、とアナウンスされています。
新型マセラティ・グラントゥーリズモを紹介する動画はこちら
参照:Maserati