ポルシェCEOがピュアEV版911、HV版911について語る！「911はガソリンエンジンの象徴であり、EVとは相容れない」

ポルシェ911は「最後にピュアエレクトリック化される」ポルシェに？

ポルシェCEO、オリバー・ブルーメ氏が米ブルームバーグに語ったところでは、「ピュアエレクトリック版の911が登場するのはまだまだ先」。

同氏が語るには、「911はガソリンエンジン搭載車の象徴のようなクルマであり、それとピュアエレクトリックとは容易に結びつかない」とのことで、つまりは技術的な問題よりもブランディング的な問題によって911のピュアエレクトリック化をすぐに行うつもりはない、と考えているようですね。

ポルシェのエンジン位置には「意味」がある

なお、ポルシェ911は数少ない「リアエンジン車」として知られますが、リアエンジンレイアウトを採用した理由は「スペース効率」が最大の理由だとされており、つまりは室内空間を広く取ることが目的。

たとえばミニが同様の理由でエンジンの下にトランスミッションを置いたり、タイヤ直径を小さくしたのと同様の理由でありますが、そういった911のルーツを鑑みるに、エレクトリック化によって「ほかのモデルと同じ、スケートボード型シャシーの上に乗った」911はもはや911とは呼び難いということになりそうです。

ただしオリバー・ブルーメCEOは「いずれはその時がやってくる」とも述べており、しかしおそらく911はポルシェのラインアップ中では最後にピュアエレクトリック化されるモデルであり、それは「ポルシェ＝エレクトリック」という認識が幅広く共有された頃合いを見計らってになるのだと思われます。

ただしポルシェ911にはハイブリッドが登場

そしてオリバー・ブルーメ氏は改めて「911にハイブリッドが登場する」ともコメント。

現行911つまり992世代の911が発表される前から、「992後期にはハイブリッドが登場する」と言われていましたが、今回それを再確認する形となったわけですね。

ただ、今の時点で詳細は語られず、しかし「非常に」スポーツ志向のハイブリッドシステムを持つであろうこと、400ボルトシステムを持つであろうことが明かされており、これこそが「911が生き残る道」だとも。

ポルシェ９１１はじめスポーツカーにとっては冬の時代

なお、先日はフランスが「kmあたりのCO2排出量が225gのクルマを購入した場合、2021年には4万ユーロ（約500万円）、2022年には5万ユーロ（625万円）の罰金を科す」という法案を提出しており、スポーツカーにとってはかなり厳しい時代へ。

参考までに、911だとベースモデルの911カレラでは215gなのでなんとかセーフ、911カレラSだと227gなので基準値オーバー（なぜか911カレラSカブリオレは221gに収まっている）。

それより上のグレードは軒並みアウトとなっていて、しかしカイエンEハイブリッドだと「58g」と急激に数値が下がり（ガソリンエンジンのカイエンは210g）、つまりハイブリッド化によってかなり大きく排出CO2を引き下げることができ、これがオリバー・ブルーメCEOのいう「911の生き残る道」なのかもしれませんね。

ポルシェは「発売に至らなかったクルマ」のデザインを公開予定

そしてポルシェは「これまで秘密にしてきたが、実際には採用されなかったデザイン案を公開する」とFacebookにてコメント。

これから数週間に渡って「ボツになったデザイン」を公開してゆくそうですが、まず投稿されたのは「1950年代風の（しかし一方では未来的な雰囲気を持つ）」スピードスター。

これが911となるはずだったのか、それともブランニューモデルだったのか、もしくは超限定モデルだったのかは不明ではあるものの、今後発表されるであろう「発売されなかったポルシェ」に期待したいところですね。

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参照: Porsche