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英国向けジムニー出荷台数は日本の「倍」?なぜ日本の中古市場ではジムニーの価格が上がらない?その謎に迫る

2018/10/17

| 英国でもジムニーは大人気。日本以上の納車待ちも |

スズキ・ジムニーは現在4,500台の受注をイギリスで集めており、長い納車待ちが発生している、との報道。※ここでのジムニーは「普通車枠のジムニー・シエラ」
これは英国Autocarが報じたもので、イギリスには今年で1,100台のジムニーが入荷する予定であるものの、これは受注の「1/4以下」。

ここで「ちょっと待って」とぼくは思うのですが、日本における当初のジムニーシエラの年間予定販売台数は1,200台。
ジムニー・シエラの発表が7月、つまり1年の半ばを半分過ぎた時期であることを考えると、今年は日本で「600台くらいの割当」だと言う計算となりますが、しかしイギリスでは「今年1,100台」とのことで、つまりイギリス向けとしては日本の「倍」の台数がもともと予定されていた、ということになりそう。

今後どうなるジムニー/ジムニーシエラの納期?

なお、スズキは軽自動車規格のジムニーについては15,000台/年、ジムニーシエラについては1,200台/年を国内向けの販売目標と設定していて、発表直後だとジムニーが半年、ジムニーシエラが1年半の納車待ち。※この数字は日本での販売予定台数であって、生産能力ではない
ただし最近だとジムニーで「1年半」、ジムニーシエラで「3年」という状況(このウェイティングリストは時間とともに伸びている可能性が高い)だと報じられています。

そこで気になるのが中古車市場ですが、まずはジムニー。
新型ジムニーについては中古車がちらほら見られ、その価格は「XC」グレードで180万円前後。
XCの新車価格は1,797,174円なので、意外とプレミアがついてないな、という状態です。

ジムニーシエラだと、カーセンサー上の登録はなんと1台のみ(中古のジムニー・シエラは海外に輸出されている可能性が高い)。
その価格は199万円(JC)ですが、ジムニー・シエラJCグレードの新車価格は1,922,400円で、こちらもほぼプレミアなし(オプションが装着されていると、購入価格より中古価格が下回っているかもしれない)。

正直言うと、現在の納車待ち期間と市場価格については違和感があり、「納車待ちが長い割にはプレミア価格がついていない」のはちょっと不思議。
ジムニー自体、実用性で購入されるクルマという性格もあってプレミアムを支払ってまで購入する人は少ないと思うものの、あまりに市場価格が「高くならなさすぎ」なので、おそらく実際の需要はさほど多くなく、現在注文を入れている人は海外での受給逼迫を見越した「輸出狙い」なんじゃないか、とも考えられます。

なお、スズキはジムニーについて当初は「増産が難しい」としていたものの、最近ではあまりの受注に増産を検討すると発表。
ただし増産が難しいとしていたとおり、急な生産施設の拡充はできず、よって増産できるとしても2019年に入ってから、とされていますね。

現在のジムニー/ジムニー・シエラ人気は「海外の需要に支えられている」とも言えそうで、このあたりの動向によって日本市場での納車時期が大きく変わることになると思われますが、国内で納車されたジムニー・シエラの多くが海外に流れ、海外需要が加速度的に満たされた場合、もしかすると国内でも(輸出用に注文していたジムニーが輸出できず国内に溢れて)在庫がだぶつくことになり、中古相場が下がってしまう可能性もありそうです。

反面、現在アメリカではジムニーは販売されておらず、もしアメリカで販売すれば今以上に受給が逼迫することになる可能性もあるかも、とも考えます(アメリカは左ハンドル国なので日本で納車されたジムニーの輸出は難しく、しかしスズキの生産能力自体を圧迫し、結果的に日本向けを増やせない)。

VIA:Autocar

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