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トヨタが”MIRAI Concept”発表!従来のMIRAIのようなエコカールックから「高級セダン」に変身。そのワケとは?

2019/10/11

| 高いお金を出すならば、やっぱり高級でないと |

トヨタが第46回東京モーターショーにて公開する新型モデル8つのうち、3番めの「MIRAI Concept(ミライ・コンセプト)」を公開。
なお、1番目は超高級バンであるグランエース、二番目は公共モビリティであるe-palette(東京オリンピックで実際に使用される)。
モーターショー開催までには残り5つが公開されることになりますが、まずはMIRAI Conceptについて見てみましょう。

現行MIRAIはさっぱり売れていない

なお、MIRAI Conceptが発表されるのは、東京モーターショーのメインである「ビッグサイト会場」ではなくメガウェブ会場にて開催される「フューチャーエキスポ」。

トヨタは現行モデルとしての「MIRAI」を持ちますが、今回の「MIRAI Concept」同様に「FCV(フューエルセル・ビークル)」。
電気で走るというのはEV同様ですが、その電源がバッテリーではなく「水素と酸素とを化学反応させて発電し、そこで得た電力」で走ることが特徴。

水素はまさに「未来のエネルギー」だとされ、トヨタ、ホンダ、そしてBMWがこれに注力していることが知られています。

なお、トヨタはこれまでFCVを1万台販売したとしていますが、この数字は計画から程遠いようで、経産省の目標はFCV全体で2020年までに4万台、トヨタは2020年までに3万台の目標を掲げていたものの、現時点で「1万台」。
つまり目標に到達するのは難しそう、ということになります。

なお、FCVが普及しない理由についてはいくつかあると考えていて、まずは車両が異常に高いこと。
MIRAIの価格は7,274,880円ですが、そのルックス、車格を考えると「この値段は、普通に考えてちょっと出せない」と思います。

そしてもうひとつは「水素のチャージにおけるハードルが高い」こと。
MIRAIは一回の水素充填によって650キロの走行が可能だとしていますが、現在日本にある水素ステーションは(稼働中のもので)11箇所。
北海道には一箇所しかなく、650キロ走るとは言っても、「水素ステーションまでの距離」も考慮に入れて乗る必要があるわけですね。
よって行動半径や予定が著しく制限されることになり、いかにエコな乗り物と言えど、「チャージしに行く」「チャージして帰る」のに無駄な距離を走る必要がある、ということを意味します(これは本末転倒でもある)。

MIRAI ConceptはFCVの新たなステージを切り開く

そして今回のMIRAI Conceptについては、トヨタは「燃料電池車は新たなステージを迎えた」と主張。
そしてMIRAI Conceptについては下記のように紹介しています。

「MIRAI Concept」は、エコカーの枠を超えた、走りを予感させるダイナミックさと誰もが思わず振り返るエモーショナルな美しさを併せ持つスタイリングを追求。さらに、走る楽しさを持つクルマづくりに徹底的にこだわり、今までにない気持ちの良い走行フィーリングの実現を目指し、開発を進めてきました。

また、FCシステムを全て一新することで、燃料電池自動車としての性能を大幅に向上させるとともに、水素搭載量拡大などにより、航続距離を従来型比で約30%延長することを目標に開発を進めています。

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加えてチーフエンジニアの田中義和氏は「燃料電池車だからこのクルマを選んだのではなく、欲しいと思う車がMIRAIだったと言ってもらえるようなクルマ」を目指したとコメントしていますが、たしかにこれまでのMIRAIに比較すると美しく、ダイナミックで、高級車然としたルックスを持っているようですね。

テスラは現在、北米や欧州ではメルセデス・ベンツSクラス、アウディA8、BMW 7シリーズを抑えて「もっとも売れている」高級サルーンだそうですが、それはやはり「EVだから」というよりは「いい車だから」だと考えられます。
実際にテスラは、モデルSをして「ほかのクルマにできることは、モデルSが全てできる。ほかのクルマにできて、モデルSにできないことはなにもない」と主張しており、今回のMIRAIもそれに近い考え方を持っている、と言えそう。

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実際にMIRAI Conceptを見ると、堂々たるルックスを持っており、エコカーっぽい貧相はホイールではなく、どっしりとした20インチホイールを装着。
ボディ形状そのものもセダンへと改められ、見るからに「高級感」が伝わってくる、と思います。

なお、プラットフォームはTNGA、全長は4975ミリ、全幅1885ミリ、全高1470ミリという堂々たるサイズを持ち、駆動輪は「後輪」。

そのスタイルやサイズを見ても「エコカー」というよりは高級車という印象のほうが強く、トヨタはエコカーについては大きく考え方のシフトを行ったのかもしれません。

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インテリアにおいてもそれは顕著で、こちらもエコカーというよりは高級車。
市販されたとして、おそらく1000万円はくだらない車だとは思いますが、レクサスLSと比較しても競争力があるんじゃないかと思えるほどで、世界中の高級車とも十分に戦うこともできそうですね。

なお、MIRAI Conceptの室内は「異次元の静粛性」を備えるとのことですが、これにも期待のかかる部分。
EVはガソリンエンジンをもたないぶん「静か」なのは間違いないものの、重量を軽くするために遮音や制振にかかる部分を削ったり、ガラスを薄くする場合も。
そうなると、停止しているときは静かでも、走り出すとロードノイズや周囲の環境の騒音を拾うことになり、結局は他の車と大差ない、という場合が大半です。

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ただしMIRAI Conceptはそのあたり「これまでの」エコカーとは根本的に異なり、別の観点からエコカーを捉え、「積極的にその価格を出してでも買いたくなる」仕様を持っているように思われます。

トヨタはおそらく、「MIRAIが売れないから、コストを下げて拡販しよう」と考えたのではなく、「MIRAIが売れないのは価格に見合ったクルマではないからだ」と考え、むしろ「もっと高い価格を出してでも”買おう”と思うクルマを作ろう」とした可能性が高く、ここは高く評価したいところ。

そして懸念と思われる航続可能距離ですが、こちらも「30%伸ばした」とのことなので、これまでのMIRAIに比較すると、高い競争力を発揮することになりそうですね。

VIA:TOYOTA

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