GR86のオーナーがスポーツ走行後にエンジントラブル→ディーラーは「そんな走り方をしたら壊れる」として保証修理を拒否。GR86はサーキット走行やドリフトを押し出しているのにおかしいとして話題に

｜　これは当のオーナーでなくとも納得出来ないかもしれない　｜

ある意味、GR86ほど「ドリフト」を全面に押し出しているクルマもほかにないだろう

さて、現在アメリカにてGR86に関する問題がちょっとした話題に。

これはどういったものかというと、GR86は（日本でもそうですが）走る楽しさを売り文句とし、数々の公式動画や公式画像においてもドリフトを全面に押し出していて、さらにアメリカではGR86を購入すると全米オートスポーツ協会（NASA）の会員になれるという特典までもが付与されています。

ただ、あるGR86ユーザー（2022年モデル）のエンジンが壊れてしまい、そのユーザーが保証の範囲内でエンジンを修理してもらえると思ってトヨタにクルマを預けたところ、「ドリフト走行をしたから」ということで保証修理を断られ、「えぇ・・・」となっている、という事例です。

コトの詳細はこうなっている

そこでもう少し細かく説明してみると、まずブレイク・アルバラードさんなる人物がGR85（2022年モデル）を購入し、13,000マイル（約21,000キロ）走行したところでエンジンにトラブルが発生。

自身で調べてみると油膜切れが原因であったようで、さらにエンジン内部の調査を進めると、ロッドベアリングの破損、加えてオイルピックアップチューブ内にグレーのシール材を発見した、とのこと（このシール材がオイルの循環を妨げ、油膜切れになったものと思われる）。

そしてブレイク・アルバラードさんは「購入間もない」クルマということで保証修理を行ってもらえると考え、トヨタディーラーに自身のGR86を預けることになりますが、このトヨタディーラーはエンジンをろくに検査せず、かわりにSNSへとブレイク・アルバラードさんがドリフトしている写真（一番上の画像。そこまで激しくドリフトしているわけではない）、そして自身のものではないGR86がドリフトする動画をアップし、「こういった走りをするとエンジンが壊れるのは当然であり、保証の対象外」ということを強く主張し、さらにブレイク・アルバラードさんに対して11,000ドルの見積もりを渡すことに。

ただ、GR86は上述の通り「サーキット走行が可能な」「運転を楽しめる」クルマとして売り出していて、そのプロモーション動画や画像には多くの「ドリフト」シーンが収められています。

実際のところ、トヨタがドリフトを推奨していると考えても差し支えはないレベルであり、さらには上述の通り全米オートスポーツ協会（NASA）会員権付与などサーキット走行を推奨している状況であり、そういった環境において「ドリフトがエンジン破損の原因だと思われるので保証の対象外」というのは納得はできず、そこでブレイク・アルバラードさんはトヨタディーラーと交渉し、費用を「折半」しようと持ちかけるもこれを拒否され、やむなく別途中古のエンジンを探し、（スバル専門店にて）BRZ用のエンジンを見つけて移植したのだそう。

カーメディアがトヨタ広報に問い合わせるも進展はなし

この一件が拡散されるやいなや、カーメディアがトヨタに直接問い合わせたそうですが、トヨタの広報からは下記の通り返答があったのみだといい、現在ブレイク・アルバラードさんに対してはトヨタからは何らかの連絡はなく、しかし多くの人が（Facebookの投稿へのコメントやシェアを見る限り）この件の成り行きに注目しているようですね。

トヨタは現在、ご指摘の件について調査中です。お客様に満足していただくことは、トヨタにとって重要なことです。いつものように、車両に何らかの問題が発生したお客様は、トヨタ正規販売店にご連絡ください。もちろん、ディーラーで解決できない場合は、当社のブランド・エンゲージメント・センターにご連絡いただくことをお勧めします。

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参照：Carbuzz