| ランボルギーニは電動化に関してはやや出遅れたが、グループ内には豊富な電動化の知識や技術があり、すぐに独自の解決策を見つけるだろう |
ここ数年で発表されるアヴェンタドール、ウラカンの後継モデルを楽しみに待ちたい
さて、フェラーリやマクラーレンなどのスーパーカーメーカーは現在電化を急速に進めている最中ですが、ランボルギーニとてその状況は変わることはなく、今回カーメディアのインタビューに対し、今後のエレクトリック化に関する重要な情報をいくつか提供することに。
なお、ランボルギーニは2024年以降にすべてのラインアップをエレクトリック化する予定であり、となるとその時期にはもうウラカンは注文できず、ウルスにはハイブリッドが追加され、アヴェンタドールはその後継モデルによってハイブリッドスポーツへと置き換わっている、ということを意味します。
加えてランボルギーニは2028年を目処に、初の「ピュアエレクトリックモデル」を投入するという計画も公表しており、ここからは大きくその車種構成が変わってゆくわけですね。
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「ランボルギーニは将来的にエモーショナルであり続ける」
そして今回、ランボルギーニにてチーフデザイナーを務めるミッチャ・ボルカート氏がメディアに対し語ったのが「もっとも重要な事実は、我々の顧客は、将来も常にエモーショナルなランボルギーニを目にすることができる」という決意。
これはもちろん「電動化されたクルマは楽しくない」という世間の一般の認識に対する回答だと思われますが、これはある意味で「間違いない事実」だと思います。
というのも、現在はガソリンエンジンに対する締め付けが異常に厳しくなっており、フェラーリはこの規制に対応することで「サウンドや運動性能が損なわれる可能性がある」とコメントしたことも。
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しかしながら(まずはハイブリッド化にて)エレクトリック化をうまく活用すれば「規制によってガソリンエンジンが失うであろうもの」をカバーできる、もしくはお釣りがくるためで、現在スーパーカーメーカーが急激にエレクトリック化を進める理由はここにあるのかもしれません。
加えて、ミッチャ・ボルカート氏は「そのスタイリングも、ランボルギーニが何であるかを決めるに当たっての大きな部分を占める」と述べており、ピュアEV世代となっても、現在ランボルギーニが持つ特徴的な形状からすぐに離れることはないだろう、とも。
これはキャブフォワードデザインや、サイドから見たときのボディ面積とウインドウ面積の比率、一筆でフロントからリアまでを一気に描きあげたかのようなワンモーションスタイルを指しているのだと思われますが、同氏は「我々の特徴的なデザインは、その形状を必要とするパワートレインがなくなったとしても、変わることはないでしょう。つまり時代を超越しているのです。私たちのデザインのDNAは、他のどのブランドとも大きく異なっています。私たちは、ある意味、宇宙船をつくっているようなものですね」とコメント。
多くのスーパーカーやスポーツカーは当然ながら機能を追求していて(それはランボルギーニも例外ではない)、しかしこれまでのクルマにはガソリンエンジンやトランスミッションという非常に大きく重量がかさむコンポーネントがあり、それらがクルマのパッケージングやデザインを大きく左右していたことは間違いなく、しかし電動化時代になれば、パワーユニット(エレクトリックモーター)は非常にコンパクトになるのでレイアウトの自由度が大きくなり、「吸気」が不要になり、バッテリーについても「分散して」搭載できるために(ガソリンタンクはなかなか”分散”できない)クルマは現在の形状を保つ必要がなくなってきます。
よって多くのクルマが「新時代にける”形態は機能に従う”を追求した結果」、これまでの(そのメーカーの)デザインとは異なる形状を持つクルマを送り出すことになりそうですが、ランボルギーニはそうではない、ということですね(エレクトリック世代のコンポーネントは上述の通りレイアウトの自由度が高いので、デザインに合わせての配置が可能となるため問題はない)。
ただ、ランボルギーニは「フロアパネル」の可能性にも着目しているといい、エンジンやトランスミッションの搭載が不要になれば、そのスペースを利用して「これまで使用できなかったサイズのエアロパーツを用いることが可能となる」ともコメントし、実際にそのための実験も進めているもよう。
「ランボルギーニはサウンドを失わない」
加えて、ランボルギーニ・アメリカのCEO、アンドレア・バルディ氏はによると「(エモーショナルさを演出する大きな要素である)サウンドに関して言えば、ハイブリッド化によってそれが取り除かれることは明確に”ない”と言えます。私たちの目の前には今後数年間、少なくとも3つのモデルで”サウンド”が存在することになります。これは、お客様に喜ばれるファクターのひとつです。しかし、お客様は、我々が今後、ブランドのDNAをどのように電気自動車に移植していくのかをとても心配し、かつ楽しみにしていると思います。ですが、その点については心配する必要はないと言えるでしょう」。
これはハイブリッド世代においてはガソリンエンジンが発するサウンドはそのまま残され、しかしもちろん、ピュアエレクトリック世代になればガソリンエンジンはクルマから完全に消え去るわけですが、それでも同氏は「今のクルマとは違う形で、人々の心を動かすと思います」と語っており、なんらかの”秘策”があることを匂わせています。
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参照: Automotive News Canada