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米でも聖地巡礼が問題に!LAにてワイルド・スピード「ファストX」のロケが予定され、地元住人が混乱を懸念し猛反発。なお舞台となった地では違法レースなどで178人が死亡

米でも聖地巡礼が問題に!LAにてワイルド・スピード「ファストX」のロケが予定され、地元住人が混乱を懸念し猛反発。なお舞台となった地では違法レースなどで178人が死亡

| 現地での迷惑行為のほか、住人とのトラブル、夜通しの暴走行為が問題となっているようだ |

さらにはユニバーサルがこういった問題に真剣に取り組まないことも指摘される

さて、多くの人がワイルド・スピード10作目「ファストX」の公開を待ち望んでいるかと思いますが、その舞台であり、撮影が行われているロサンゼルスはアンジェリーノハイツの住民たちにとって、ワイルド・スピード・シリーズは単に「大きな迷惑」なのだそう。

とういうのも、第一作目の公開(2001年)にて登場した、劇中でドミニク・トレット(ヴィン・ディーゼル)の家族が経営する店「ボブズ・マーケット」、その自宅として使われた家を見ようと多くの人が訪れているのはまだいいとして、そういった人々のうち少なくない人々が劇中のシーンを再現しようと街なかでドーナツターンを繰り返したり、ダウンタウンではストリートレースを行うなどの危険走行を行っているからなのだそう。

Fast-and-furious (2)
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路面にタイヤのブラックマークがびっしりついている!

近隣住民は撮影に対するデモを予定

こういった騒音、そして危険に対して近隣住人は大きな不満を持っており、そのため今週末に計画されている「ファストX」」の撮影に対するデモが計画されているそうですが、住民がロサンゼルス市議会に送ったメールには「ユニバーサルスタジオ、F10プロダクションの撮影計画が一部であっても許可されるようであれば、我々は抗議活動を行い、マスコミやカメラマンを招いてその様子を撮影してもらうことになります。我々は、ワイルド・スピードの影響を受けたストリートレーサーによって殺された178人のため、そしてワイルド・スピードが始め、あおり続けるストリートレースの流行に対し、そして彼らがこの問題に対して真剣にアクションを起こさないことに対して抗議を行います」と記されており、この文面通りに解釈されるならば、なんと178人もが危険走行の犠牲者になっている、ということになりますね。

ちなみにこの撮影計画とは「今週金曜日の午前9時から午前2時まで、ケンジントンロードにあるドミニク・トレットの家の前で、救急隊の活動のシミュレーション、空撮、道路上走行、大気中の(爆発もしくは炎上による?)煙 を撮影する」というもの。

Fast-and-furious (3)

そしてアンジェリーノハイツの住民によると、「ワイルド・スピード」に対する問題は、撮影そのものよりも、この映画が近隣に与える影響を重視しているといい、それは上述のような「聖地巡り」、それに起因する暴走行為や危険行為、そして迷惑行為であり、夜な夜な改造車が暴走したり、事故を起こしたり揉め事を起こしたりといったことに強い不満を感じているもよう。

中には、そういった訪問者に対して「騒音を撒き散らして走る回るのをやめてほしい」と言ったところ銃を突きつけられたこともあるといい、こういった出来事から発展し放火された家もある、とのこと。

もちろんユニバーサル側としては「こんなことになるとは思ってもみなかった」のかもしれませんが、こういった迷惑行為を停止させるためにじゅうぶんな動きを見せておらず、よって住人は「無責任だ」とその姿勢を避難しています。

ただ、ユニバーサルは地域住人に対して迷惑料、その他の補償を金銭にて支払っているとも報じられ、一部住人はこれによって生活が潤ったり家を建て直すことができたといい、ユニバーサルが何もしていないというわけではなさそうですね。

今回の撮影についてもその金額を提示されているといい、よって住人の多くは「撮影を金輪際行うなと言っているわけではなく、重要な経済活動であることは理解しているが、撮影を行うのであれば、映画の制作会社としては、そのロケ地や住人に対して責任があることを認識し、行動すべきである」という考えを持っており、違法レースをほぼ野放しに近い状態にしているロサンゼルス警察に対しても強い憤りを感じ例つというのが偽らざる心境のようです。

コロナウイルスのパンデミック以降は急激に違法レースが増加

ロサンゼルス市警によると、昨年はレースや路上占拠が27%も急増し、コロナウイルスのパンデミック期間を通じ、街全体の問題としてストリートレースが増加したといい、ユニバーサルとしてはワイルド・スピード・シリーズが始まって以来、安全運転を促進するために、数年前には同シリーズに出演する人気俳優であるサン・カン(ハン)を起用したキャンペーンなどいくつかの働きかけを行ってきたものの、映画がもたらした影響に対抗するにはまだ十分ではなく、より強いメッセージをより強く伝えるためにユニバーサルはさらに大きなキャンペーンを行う必要があるだろう、とのこと。

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なお、ワイルド・スピード・シリーズはもともとストリートレースの映画としてスタートしていて、なんらかの揉め事があれば「レースで解決しよう。負けた方は文句を言わない」という潔い映画だったのですが、4作目の「ワイルド・スピード MAX」から犯罪と破壊をひたすら繰り返す映画になってしまい、「なぜだろう」と考えていたわけですね。

ただ、今回の報道を見るに、3作目の「ワイルド・スピード X3 TOKYO DRIFT」にて舞台をロサンゼルスから日本へと移し、その後もしばらくロサンゼルスから離れていたこと、ストリートレース色が薄くなったことにはユニバーサルなりの「ロケ地への配慮」があったのかもしれません。

前出のロサンゼルス市警によると、現在まだまだ違法レースは増加傾向にあり、ワイルド・スピードの撮影をロサンゼルスで行うのはあと1年ほど(沈静化を)待ったほうがいいという見解も示しており、さらに原点回帰を行い「ストリートレースを前面に押し出す」と言われるファストXであればなおさらだとも。

この問題は一朝一夕には解決しそうもありませんが、ワイルド・スピード・シリーズによって何十億ドルも儲けたユニバーサルは「もう少しロケ地に対して敬意を払うべきだ」という意見が全体的に強いようですね。

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参照:Dustin Williams, Variety

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